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最年少の特等席
からりと晴れた放課後の教室。るなは机に突っ伏して、小さくため息をついた。
高校1年生のるなにとって、2年生のゆあんくんは、生まれた時からずっと前を歩いている一つ上の幼馴染だ。
グループのみんなといる時は、いつも「最年少のるな」「妹ポジションのるな」として可愛がられる。
ゆあんくんだって、るなを子供扱いして、よく頭をくしゃくしゃと撫でてくる。
(でも、私はもう子供じゃないのに……)
るなの中にある恋心は、日に日に大きくなっていた。だけど、「最年少の幼馴染」というポジションが邪魔をして、どうしても一歩が踏み出せない。
「おーい、るな。何たそがれてんだよ」
不意に頭の上から声がして顔を上げると、ゆあんくんがニカッと笑って覗き込んでいた。手には、るなが大好きなイチゴオレのパックが握られている。
「はい、これ。頑張った最年少にご褒美」
「……ありがとうございます。でもゆあんくん、私もう高校生ですよ? いつまでも子供扱いしないでください」
るなが少し拗ねたようにそっぽを向くと、ゆあんくんは一瞬きょとんとした後、ふっと困ったように笑った。
「子供扱いなんかしてねーよ。……じゃあさ、るなが大人になったら、俺のこと『お兄ちゃん』じゃなくて『一人の男』として見てくれるわけ?」
「へ……?」
予想外の言葉に、るなが勢いよく振り返る。ゆあんくんの顔は、夕日のせいだけではない赤さに染まっていた。
「俺さ、みんなの前では『最年少のるな』を可愛がる優しい先輩のフリしてるけど、本当はめちゃくちゃ必死なんだわ。他の男が、成長したるなのこと可愛いって言うたびに焦るし」
ゆあんくんは、るなの机に両手を突いて、じっと目を合わせる。その瞳は、いつもの悪ガキのようなおふざけの色のカケラもなかった。
「るなが最年少だから、大事に、ゆっくり進もうって我慢してただけ。……なぁ、るな。これでもまだ、子供扱いされてるって思う?」
急に男の子の顔になった幼馴染に、るなの心臓は破裂しそうなほど脈打つ。
「思いません……。私、ゆあんくんのこと、ずっと男の子として、好き、でした……」
消え入りそうな声で答えると、ゆあんくんは一気に表情を緩めて、るなをぎゅっと抱きしめた。いつもよりずっと高い目線と、広い肩。
「やっと言った。じゃあ、これからは『最年少の幼馴染』じゃなくて、『俺の彼女』な。誰にも譲らねーから」
学校のみんなにはまだ秘密の、少し背伸びした恋が、放課後の教室で静かに始まった。
コメント
3件
🍗 裙 から ぐいぐい 行くの かっこよすぎる 🤦🏻♀️💓 良いよね 最年少組
きゃあ第4話も尊すぎる〜〜!!😭💕💕 「最年少の特等席」ってタイトルからして天才じゃない?!るなの「子供扱いしないで」にゆあんくんが「じゃあ大人になったら俺のことを一人の男として見てくれるわけ?」って返すとこ、完全に不意打ちキュンで倒れるかと思った…!ずっと我慢してたゆあんくんの焦りと緊張が伝わってきて、最後の「俺の彼女」宣言で爆発したよ✨ 16歳の私にも「子供扱いからの卒業したい」って気持ちめっちゃわかるし、るなの気持ちに共感しまくりでした!次の展開が楽しみすぎる⋆♡