テラーノベル
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あなたはきっと運命の人。
私がずっと探し求めてた、
結ばれた赤い糸の先にいる人。
あぁ、とても愛おしい。
「こんにちは、愛しいあなた」
私は今日も、あなたにそう挨拶をする。
あなたはいつも、何に脅えているのか、
体をぶるぶると震わせている。
「大丈夫、私が守ってあげるからね」
私はそう言ってあなたを優しく抱きしめる。
でも、あなたの震えは、
治まるどころかさらに酷くなる。
……私と、震えの元凶の姿が
似ていたりして。
それでは怯えるのも当然だわ。
「大丈夫よ、愛しいあなた」
私は鍵をかけて部屋を出た。
待っていてね、もう怯える必要は無いから。
「おはよう、愛しいあなた」
私は久しぶりにあなたの元へ向かう。
あなたは驚いた顔をして、
しばらく私の顔を見つめていた。
驚く姿が可愛くて、私もしばらく黙って
見つめていると、あなたはふいに
ハッとした 様子で、必死な表情で
私に訴えかけてきた。
「お願いします、誰だかわからないけど、
ここから出してください!!
訳も分からない 人に
閉じ込められていて……!!」
私は驚いた。
そんなこと思っていたの?どうして?
「どうして、ここから出たいの?」
私の声を聞いて、あなたはハッとした顔で
体を酷く震わせ、涙をぼろぼろと
流し始めた。
声で私だと気づいたのだろうか。
でも、なぜ出たいのか理解できない。
私とあなたは運命の人。そうでしょう?
「……どうして」
私はあなたにナイフを振りかぶった。
[古文ver]
きみはさだめて宿世の人。
我がすがらにとぶらひ求めたりし、
結ばれし赤き糸の先なる人。
あな、いと愛ほし。
「こんにちは、らうたききみ」
我はけふも、きみにさ挨拶す。
きみは日ごろ、何に脅えたりや、
体をぶるぶると震はせたり。
「安穏、我が守ればぞ」
我はさ言ひてきみ優しく抱きしむ。
されど、きみのわななきは、
治まるどころかなほいみじくなる。
……我と、わななきの元凶のさま
覚えして。
それには怯ゆるもむべぞ。
「安穏よ、らうたききみ」
我は鍵かけ室をいでき。
待ちたれ、いま怯ゆる要は無ければ。
「はやく、らうたききみ」
我は久しぶりにきみのがり向かふ。
きみは驚きし顔し、とばかり我が顔を
まもれり。
驚くさま美しく、我もとばかり黙りて
まもれると、きみはゆくりなく
ハッとせるけしきに、
必死なるけしきに我に訴へかけきたり。
「願ひたてまつる、誰なりかわからねど
ここよりいだしたまへ!!
訳も分からぬ人に
さし込められたりて……!!」
我は驚きき。
さること思へる?いかで?
「いかで、ここよりいでまほしき?」
我が声を聞きて、きみはハッとせる顔に
体いみじく震はせ、涙をぼろぼろと
流しそめき。
声に我とおどろきけむや。
されど、などいでまほしきや心得られず。
我ときみは宿世の人。さらむ?
「……いかで」
我はきみに短剣を振りかぶりき。
やほ^^
なんか知らんけど投稿してなかったんで載せます!
軽く解説すると、
・語り手は「あなた」が好きすぎる故に監禁していた。
・「あなた」が恐れているのはもちろん語り手。
・だが、語り手は「あなた」が恐れる人物と自身の姿が似ているから怯えているのだ、と言う暴論に至った。
・よって、語り手は整形をした(ぶっ飛んでる)。
・「あなた」は整形した語り手だと気づかず、語り手に助けを求めた。
・だが、語り手が声を発したことで、その見知らぬ人物の正体は語り手だと気づいてしまう。
・そして、語り手は「あなた」を……
という感じです^^
最近全然やってないんですよね〜〜〜〜
気が向いたらやります^^
ntjあたりのを古文化してみるのもありかも……
久々に載せたことで軽く再熱した^^
じゃね〜
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