このところ 、清右衛門は不機嫌が続いてる
その不機嫌に巻き込まれるのが 、
ひとつ年下の後輩に 、ふたつしたの後輩達 。
「さくらぎせんぱいいいいい
も 、、、もうむりです …. ッ」
「….なんだ尾浜 、もう終わりか?
最近体がたるんでるんじゃないのか
もう一周だ 、ほらほら走れ」
「そんなぁ、」
「おい小平太ぁ、、何度目だよ」
「まだ二回目です!!!!!」
「もう、二回目の間違いだろ?」
「もう二回目です!!!」
「今日という今日は許さないからな
覚悟しろ小平太 ……」
「おぉぉおおお許しくださいッ!!!」
『….おにいしゃま 、どうしたんですか 』
「ははは 、なんでだろうな 。
今はそっとしておいた方がいいだろう」
『わかりました 。立花せんぱい』
「ふむ 、喜八郎はいい子だな笑」
然し、仙蔵は分かっていた 。
清右衛門がああなったのは 、
ある原因であることを________
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一年生が正式に委員会へ入り二週間程度が経った
私は自分の委員会に入ってきた平滝夜叉丸 。
我が愛しの弟 、綾部喜八郎の同室を
可愛がっていたり 、シンプルに委員会で忙しく
喜八郎とはあれ以降会っては居なかった
それだけでも 、自分の機嫌が悪くなっていたのに
今日 、いつも通りに朝ごはんを食べていると
それは起こった 。
『….ぶふッ!!!!!』
「おい清右衛門ッ!?!きったねぇな!!」
「あぁ〜汗 、布巾貰ってくるよぉ」
勘兵衛と秀作の目の前で口に含んでいた
味噌汁を思わず吹き出してしまった
だ 、、、だ;#*@?
だって 、喜八郎が
俺を先輩と呼んだのだから!!!!!!!!!
『…..喜八郎、、いまなんて 、、』
「????」
「桜木先輩 、裏裏山に穴掘りにいきたいのです。
いっしょにいってはくれませんか??」
口がおぼつかないのは変わりなかったけれど 、
あの可愛らしい呼び名が
私はなんとも気に入っていたし 、
兄である俺だけの特権だったのに!!!!
これじゃあ 、これじゃあまるで、、、
ただの先輩後輩じゃないかッ!!
「….せんぱい?」
『…喜八郎ッ』
「わぁ 、」
思わずガシッと肩を掴み
荒々しく肩を揺さぶった 。
『頼む、、頼むから….
桜木先輩は辞めてくれ 。』
「おやまぁ 、なんでですか?」
『まるで、兄弟じゃないみたいじゃないか
俺はそれが耐えられそうにない 。』
奇想天外な喜八郎は 、嫌がるかもしれない
忍者に私情は要らない 。そう告げられてしまえば
俺はもう二度と立ち直れないだろう
「….それはいやです」
そう小さい口を尖らせながら上目遣いで
こちらを見てきた 。
その瞬間 、俺のポーカーフェイスが
ぐしゃっと崩れ落ちる
『そうか 、そうか… !!!
じゃあ今度一緒に裏裏山に行こう!』
「!!!!」
「はぁい」
なんっっって俺の弟は天使なんだろう
そう思っていると 、喜八郎はぐるんと振り返って
ある場所へ帰って行った
「立花せんぱい 、良いって言われました」
「おお、良かったな笑」
「なになに?裏裏山に行くんだって?」
「はい 、一度あそこの土で掘ってみたくて」
「ちゃんと掘ったら埋めるんだぞ」
「…怪我はするなよ」
「裏裏山まで競走するか!!!!」
「しませんよぉ」
なんで喜八郎が三年生と食べているんだ???
そう考えていると 、ふつふつと怒りが湧いてきて
目の前にいる秀作が震え上がるのがわかる
「おぉ 、喜八郎のヤツ 。
作法委員会に入ったからか
すっかりため口じゃなくなってるな」
「ね、ねぇ!!敬語も敬語で
可愛らしくていいね … !!!!」
その言葉に俺は我慢にならず 、
ガタッと大きな音と共に奴らの元へ向かった
「あ 、おにいしゃま」
「さ..桜木先輩 。」
「ご、ご無沙汰してますっ」
『さっきぶりだな 、喜八郎 。
三年生も 、もう顔を上げろ』
恐る恐ると三年生が頭を上げていく
『ところで喜八郎 、なぜそこで食べるのだ
別に 、私のところでも良かったじゃないか』
すると 、予想外なことを言われてしまった
「..お、おにいしゃまには関係ないです 。」
ぴしゃんと雷が落ちてきたように 、
俺の心はズタボロになった
こんなに拒絶をされたのは初めてだった 。
もう 、その後の記憶など対して覚えていなかった
「おい 。お前最近 、、、
ちと後輩で遊びすぎじゃないか?
勘兵衛に言われて 、少し 、ほんの少しだけ
冷静さを取り戻していた 。
『何を言う 、れっきとした鍛錬だぞ』
「はっ 、じゃあ見てみろよ 。
この伸びてる後輩共を」
『……おー 、お前ら大丈夫か?
今保健委員会を呼んでこよう』
「はぁあぁ、、、」
右から 、鉢屋に不破 、久々知に竹谷に尾浜 。
そして 、その後ろに散らばって倒れてるのが
文次郎に小平太に留三郎だった 。
勘兵衛は呆れながらも奴らを起こし 、
医務室へ行かせた 。
自分でもわかっている 。
喜八郎に言われて 、自身の感情をコントロール
出来ていないだけだということを
然しまぁ 、こんな姿を喜八郎に見られては
元も子もないな________
「おにいしゃま」
『!?!?!?!?!!!!!!』
『喜八郎か 、どうした??』
悟られないよう 、上手く表情筋を使い
そう問いかけた 。
「すこし 、おにいしゃまとお話がしたいんです
いっしょに 、お昼ご飯をたべませんか??」
『笑笑』
『勿論 、行こうか 。喜八郎 。』
どうしようもないにやけ顔を隠すために
喜八郎を抱っこすることにした
久しぶりの抱っこに喜八郎は
とてもとても可愛く喜んでいた
『さて 、着いたぞ 。
喜八郎 、一度降りようか』
「…..はぁい」
少し名残惜しそうに俺の胸を見るが 、
すぐさまその小さな手が 、ふた周り程でかい
私の手を握ってきた 。
汚い声が出そうなのを抑えて 、
食堂のおばちゃんに話しかけた 。
『こんにちは 、今日はAランチでお願いします』
「こんにちはぁ」
「まぁ!!仲良い兄弟さんが来たわねぇ!
綾部くんもAランチにする??」
顔をひょこっと出して 、
台に顔が届かないでいる喜八郎に問いかけた
すると小さくこくっと頷いたのがわかる
私の弟は人形のように静かでも愛いなんて
考えていると 、定食がでてきた 。
二人で 、隣に座り合ってお互いに手を合わせた
『いただきます』
「いっただっきまぁす」
元気な声と共に 、喜八郎は
小さな専用の箸を持ち出した
『は 、』
俺は疑問しか浮かばなかった
なぜ喜八郎が箸を持てるのか
そのきはちろうと彫られた箸は何なのか
その綺麗な食べ方や所作をどこで学んだのか
他にもいろいろあった 。
すると 、あまりに私が見ていたものだから 。
喜八郎がふいと私をみた
「…ふふん 、どうですか 。
僕 、食べるのうまいでしょう?」
『あぁ 、すごく綺麗になったね 。
その箸も 、誰かがくれたのか?
喜八郎らしくていいじゃないか』
すると喜八郎は 、頬を少し染めて
今度は持っていた茶碗を置いて 、
私と体を合わせて話し出した
「あのですね 、僕 …. 少しでもおにいしゃまに
近ずきたくて 、褒めてもらいたくてっ
おはしの持ち方を立花せんぱいに教えて頂いて
食べ方の所作は作法委員長に教えて頂きました 。
このおはしはですね 、僕 … 手がちっちゃくて
おはしが持ちずらかったんですよぉ 、
そんな時、用具委員長が作ってくださいました」
私は 、拒絶をされていたわけじゃなかったんだ
あのとき三年生と食べてたのも 、
こういうわけだったっていうのだな 。
二、三年生には苦労をかけたな
なんて思ったり思わなかったりしながら
喜八郎の頭をひときしり撫でたら 、
もう一度ご飯に手をつけた 。
『なんと 、俺の為にしてくれていたのだな 。
こんな弟を持てて 、俺は幸せ者だな』
「えへへ 、ぼく..ここに入ってきて良かったです」
『それは良かった笑笑』
「いっぱい好きなひとができて」
『ん、喜八郎?』
「みんなが優しくしてくれて 、
ときには好きといってくれます」
『…ほぉ?』
「それでも 、やっぱり 。
そういうのはおにいしゃまにされた方が
いちばんうれしいものですね 」
『….喜八郎、』
「あ 、、、おにいしゃま 。このお野菜あげます」
『喜んで食べるよ』
さて 、喜八郎は .. あと何回 、
私に好きというのだろうか 。
あと何回私を兄と呼ぶだろうか
変わっていくお前を私はとてもとても怖く思う
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「綾部せんぱい!!綾部せんぱい!!」
『おやまぁ 、とーない 。』
コメント
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続き読みたいです!待ってます
うわああああああああああすんごく切り方が上手いよおおおおおおおお早く続きが読みたいよおおおおおおお