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星の光が消えてから日からもう何日も過ぎ、明日はとうとうクリスマスです。

星探しの旅を終えて家に戻ったサンタクロースは雪の上に寝そべり、夜空を眺めていました。

地上の星はどれも探していた星ではありませんでした。そして今、空にはあれだけの星があるのに、その一つも手に入れることができません。星の力がなければサンタクロースはプレゼントを用意することさえできないのです。

「あぁ、一体どうすれば……」

サンタクロースがそう呟いた時、彼の視界を眩しい光の線が横切りました。

まばたきもできないほどの間の出来事に、慌ててそれを目で追うと、その光は雪山の向こうの方に落ちていきました。

飛び上がったサンタクロースはウトウトしていたトナカイ達を起こし、再びソリに飛び乗ります。

山の向こうではあの光が今もなお夜空を照らしていて、サンタはそれを頼りにその場所へ向かいます。

そしてすぐにその光はだんだんと近づいてきました。

「これは……」

そこには確かに目を細めるほどの眩しい光を放つ大きな星が落ちていました。ツリーの上に飾るには十分すぎる、立派な星です。

「あぁ。これはずっと探していた星だ。さっそくツリーまで持って帰ろう」


大きな星を何とかソリに乗せて家に戻ったサンタクロースは、プレゼントツリーにはしごをかけ、てっぺんに星を置きました。

その時、一瞬星の光が消えて雪景色が暗闇に包まれました。

その光景にサンタクロースは目をギュッと閉じました。そしてサンタが再び祈るように目を開けると、星は辺りにまばゆい輝きを放っていました。

その光がツリーを光の波で包むとツリーはすぐに小さな実をつけ、それはやがて立派なプレゼントの実へ成長しました。

「これで子ども達にプレゼントを届けられる」

サンタクロースはホッと胸をなでおろすと、すぐにプレゼント袋を持ってきてプレゼントをつめ、一度家に戻りました。

クローゼットを開いて、サンタクロースはあの服に袖を通します。今日の日のための特別な服です。

「よし、これでいい」

外に出るとトナカイ達も準備を終えたようでした。

「さあ、もう一仕事頼めるかな」

サンタクロースがそう言うとトナカイ達は一声あげて夜空に飛び立ちました。



クリスマスを迎える夜中。子ども達が寝静まった頃。サンタクロースは一年で一番忙しい、でもまちに待った時を迎えます。

サンタクロースは子ども達ひとり一人の笑顔を思い浮かべながらプレゼントを届け、そして子ども達の健やかな成長と幸せな未来を願います。

南の街をあとにするとき、ふとソリの上でサンタクロースは空を見上げました。

そこには一際輝く星があります。

その星を見上げているのは、彼一人ではありません。


夜空を見上げた少年は、確かにその星と同じ輝きを目に宿していました。



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