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家を出ると外は薄暗く、余計心が沈む感じがした。


10分くらい歩くと、額に水滴が落ちる感覚があった。


そしてぽつ、ぽつ、と音を立てて雨が降り出す。


あー、なんでこんなについてないんだろ。


走る気力もなく、ただこーすけの家を目指して歩いた。


蛍光灯の光を越して雨が見える。


だいぶ強くなってきていた。


またぼーっとしていたせいか、自分がずぶ濡れになっていることに気づいていなかった。


ようやくこーすけの家に着く。


そしてチャイムをならした。


「はいよー」


聞き馴染みのある優しい声が聞こえた。


「へいらっしゃい」


「てお前びしょびしょじゃねえかよ」


こーすけは笑いながら俺を見た。


「雨降ってきちゃって」


予想以上に俺が元気なかったせいか、こーすけの表情は心配へと変わった。


「風邪ひくぞ」


そして優しく俺に声をかける。


「風呂入りな」


「ありがとう」


一言礼を言う。





「ただいま」


お風呂から上がるとこーすけはどうやらキッチンで作業をしていた。


「何作ってるの?」


いい匂いにつられてつい聞いてしまう。


「カレー」


「やっぱ落ち込んでる時はカレーだよな」


にかっと笑うこーすけを見て少しだけ心が軽くなって、自然と笑顔になれた。


「…うん笑」



皿と机が当たる音が響く。


「ほらよ」


そういいながらこーすけはてんこ盛りのカレーを俺の前に置いた。


「あとこれ」


彼はもうひとつの手に持っていた皿を俺の前に置く。


「サーモン…」


思わず声を漏らしてしまった。


「お前が風呂入ってる間に買ってきた」


「お前サーモン好きだろ?」


くしゃっと彼は笑った。


「…うん」


そして俺は自然と涙が溢れる


「泣くなよ笑笑」


大きいてで俺の背中をさすってくれた。


「俺…辛くて…」


今悩んでることを気づけば全て話していた。


彼は話を遮ることなく全部を頷きながら、 空腹なはずなのに黙って聞いてくれていた。


「辛かったな。」


少しだけスッキリした。


「…ごめんね、遅くなっちゃった。」

「食べよっか。」


謝罪の言葉を言い、手を合わせた。


「いただきます」


「いただきまーす」


俺は大きくひとくちパクッといった。


「…うん、すごく美味しい」


気づけば自然と言葉が出た。


「よかったよかった」


彼の料理は、落ち込んだ俺を癒してくれた。


「ねえ、こーすけ…」


「ん?」


ダメ元で聞いてみる。


「今日泊まってもいい…?」


「別に構わんぜ」


その言葉にほっとする。


「なんか一人でいたくなくて」


これが本心だった。


「気が済むまで泊まってけ」


「ありがとう笑」


彼の言葉はやっぱり俺を笑顔にしてくれる。


「そーいや寝る部屋あるかな…」


こーすけがぽつりと呟く。


「あ、俺リビングで寝るからヒラベット使いな」


こーすけがリビングを指さしながら俺に言う。


「え、いやいや申し訳ないよ」


「俺がリビングで寝るから」


俺は慌てて言った。


「それじゃあおかしいだろ」


俺の言葉に突っ込んでくれる。反応してくれる。それがとんでもなく嬉しかった。


「あ、じゃあ一緒に寝るか?」


「……うん」


夜に1人になるのはなるべく避けたかった。


でも引かれちゃったかな。


「あれ?冗談だったんだけど笑」


あ、やっちゃった。


嫌われちゃったかな。こーすけに嫌われたらもう終わりだ。


「ごめん」


咄嗟に謝る。


「いや全然いいんだけど」


こーすけは変わらない笑顔を俺に向けてくれた。


「なんかお前可愛いな笑」


そういいまた大きな手で俺を撫でた。


「じゃあ俺風呂入ってくるから」


「適当に時間潰しといて」


そうお風呂に向かったこーすけは振り返り俺に問う。


「あ、ヒラ明日予定ある?」


「いや、特に…」


「じゃあ今日はオールでゲームだな」


「うん!」


久しぶりに元気な声を出せた気がした。






「ただいまー」


お風呂からこーすけが上がってくる。


「おかえり、こーすけ」


「あ、アイス食おうぜ」


思い出したように彼は冷凍庫に向かう。


「ちょうどハーゲンダッツ2つある」


しゃがんで冷凍庫を漁りながら彼は言う。


「ヒラ…これは戦争になるぞ… 」


そしてハーゲンダッツをふたつ抱えながら俺に呟いてきた。


そしてどんっとふたつのアイスを机に置く。


「抹茶とクッキーアンドクリームどっちがいい!!!」


「うわ、迷う」


彼のこういうノリが大好きだった。


「せーので取るか」


「賛成」


こーすけの掛け声でどちらかのアイスを取ることになった。


こーすけはクッキーアンドクリームの方が好きだったはず。


「せーの!」


こーすけの掛け声が響く。


俺は抹茶に手を置いた。そしてこーすけも。


「え?」


「あれ?」


2人の声が同時に上がる。


「ヒラってクッキーアンドクリーム好きじゃなかったっけ?」


こーすけが首を傾げる。


「こーすけこそ…」


俺はこーすけを見つめた。


「もしかして気遣ってくれたの?」


「こーすけも俺を?」


2人の優しさが空回りしちゃったみたいだ。


「いやー優しいなヒラは」


そしてこーすけは言う。


「キヨだったら問答無用で食いたい方選ぶぞww」


「だねwww」


すこしキヨの愚痴を混ぜてくれたことが

嬉しかった。


そして俺はひとつの案を提案した、


「じゃあ、クッキーアンドクリームも抹茶も、ふたりで半分こしよっか」


「それはSASUGANIナイスアイデア」


「SASUGANIきたww」


気づけば俺は笑えていた。

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