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白×黄
いれいすの会議室は、今日もメンバーの賑やかな声でいっぱい。でも、ホワイトボードにスケジュールや難しい言葉が書き込まれ始めると、ゆうすけの心はちょっとだけ「そわそわ」しちゃう。
ゆうすけの目には、みんなが見ている「文字」が、まるでいたずらっ子な妖精みたいに見えている。
一文字ずつじーっと見つめようとすると、右に逃げたり、左に隠れたり。重なってお団子みたいになっちゃうこともある。
🍣「次はここの構成についてなんだけど、あにきはどう思う?」
リーダーのないこが優しく問いかけると、ゆうすけは手元の資料をいっしょうけんめい覗き込んだ。
でも、書いてある漢字が、まるで知らない国の模様みたいにぐるぐる回って見えちゃう。
🦁「えっと……あのな……その……」
焦れば焦るほど、頭の中にある「カッコいいアイデア」が、出口を見失って迷子になっちゃう。
ゆうすけは、言葉を一生懸命探そうとして、指先をぎゅっと握りしめた。
🦁「……あの、キラキラしとって、わーっ!ってなって、みんながニコニコになるやつがええの!」
一生懸命に伝えた言葉は、大人の会議には少しだけ「幼い」響きだったかもしれない。
でも、それはゆうすけが、文字というフィルターを通さないで、心にある感情をそのまま真っ直ぐに届けようとした証拠。
そんなゆうすけの様子を見て、隣に座っていたしょうが、ふふっと優しく笑ったんだ。
🐰「ゆうくん、もしかして文字が追っかけっこしとる?」
しょうはそう言って、ゆうすけが見ている資料の上に、自分の指を置いてくれた。
🐰「今はここやで。ゆっくりで大丈夫。ゆうくんが言いたいんは、サビのところで派手な演出やりたいってことよな?」
ゆうすけは、パッと顔を輝かせて大きく頷いた。
🦁「そう! それ! しょう、すごい!」
他のメンバーも、みんな温かい目で見守ってくれていた。
🐰「ゆうくんの『わーっ!』っていう感性、俺は好きやで」
🐰「直感的でわかりやすいんよ!」
みんな、ゆうすけが「読んだり書いたり」が少し苦手なことを知っている。
でも、それ以上に、ゆうすけが誰よりも「心」で音楽を感じて、言葉にできない大切なものを形にできることを知っている。
ゆうすけは、ちょっとだけ恥ずかしくなって、「みんな、ありがとう」って小さく笑った。
会議室の空気は、ゆうすけの純粋な言葉のおかげで、とっても柔らかくなった。
文字は読みにくいけれど、メンバーの心の声は、ゆうすけにははっきりと聞こえている。
🐰「よし、じゃあゆうくんの『わーっ!』を形にする方法、みんなで考えようぜ!」
みんなの笑い声と一緒に、新しい歌のアイデアが、会議室を虹色に染めていった。