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「僕、おかしくなってない?」 その顔を見て、初めて怖いと思った。
krhは自分の腕を見下ろしていた。
「最近さ、変な音が聞こえるんだよ」
「音?」
「うん。誰もいないのに話し声がする」
俺は周囲を見回した。蛍光灯の音以外、何も聞こえない。
「疲れてるだけじゃないのか」
「だったらいいんだけどな」
krhは笑った。だけど、その笑顔は前みたいに明るくなかった。
それから異変は少しずつ増えていった。
何もない場所に話しかける。
急に立ち止まる。
眠っていたはずなのに、気付くと起きている。
そんな日が続いた。
「ねぇlor」
ある日、krhが言った。
「僕、最近夢を見るんだ」
「夢?」
「出口の夢」
少しだけ嬉しそうな顔だった。
「外に出てるんだよ。空もあるし、人もいる」
そこで言葉が止まる。
「でも」
「?」
「僕だけいないんだ」
その頃には、krhの様子は明らかにおかしかった。
歩く速度が遅い。
何もない場所を見つめる。
時々、自分の腕を触っている。
それでも本人は笑っていた。
無理をしているのが分かるくらいに。
「どうした」
「いや」
krhは苦笑した。
「最近、変な感じなんだよね」
「変な感じ?」
「上手く言えない」
そう言いながら、自分の胸元を押さえる。
「痛いとかじゃないんだけど」
少しだけ言葉を探して、
「僕じゃない何かが、中にいるみたいな」
そう言った。
俺は返事ができなかった。
何と言えばいいのか分からなかったからだ。
「まぁ、気のせいかもね!」
krhは無理やり笑う。
でも、その笑顔は少し震えていた。
「絶対ここから出るぞ」
「……うん」
「外出たらさ、まず何したい?」
「ゲーム!」
「いいじゃん」
そんなやり取りをしていた。
ずっと続くと思っていた。
コメント
1件
うわああ…第7話、めっちゃ切ない…😭💔 krhの「僕だけいないんだ」って夢の話が本当に怖くて、心臓ぎゅってなったよ…。無理に笑ってる感じとか、胸元押さえる仕草とか、lorくんが何も言えなくなる気持ちがすごく伝わってきた。この不穏な空気、やばい…早く続きが知りたいよ〜!