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ザザンと波が船に当たる音と、ゆらゆらと揺れ続ける船。それと潮の香りがして、船に戻ってきたことを自覚する。ゆったりと風にあたりながらも酷使しないよう言いつけられている喉を少しだけ無視して小さくバラードを口ずさむと、後ろから少し熱めの体温を感じた。

「…シャンクス」

「あんまり歌ったらダメなんじゃないのか?ウタ。」

とろりとした声と、振り向くと見える柔らかな微笑み。それから少しだけ心配を混ぜた色をした瞳。その顔にゆるゆると手を伸ばしてそっと頬を撫でる。すると何を思ったのか、ふっとシャンクスの顔が私の顔を覆う。なんとなくでその後を予想して、目を閉じた。降ってきた感覚は概ね予想通りで、少しカサついている唇が軽く触れるだけを繰り返して離れていく。一瞬で離れていく感覚を何度か味わって少し寂しさを感じたあたりで、片腕でぎゅっと力強く引き寄せられて思わず瞬きをした。

「なぁに、シャンクス。」

「…風に攫われたら困るだろ。」

「誰が、」

「お前が。」

風に攫われる、だなんて素っ頓狂なことを言うシャンクスに思わずくすりと笑うと上から笑うなよ、と声が降ってきた。

「本気で攫われると思ったんだ。」

「どうせ、風なんかに攫わせないくせに。」

「お前は俺の宝だぞ。風なんかに攫われてどうする」

一瞬だけ見えた瞳は独占欲に染まりきっていて、1度緩んだはずの腕がまたぎゅう、と腰にまわるのにくすくすと笑い声を風に乗せた。

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