※このお話はオメガバース前提です
オメガバースよくわかんないよって言うお友達はちょっとだけ調べてニュアンスで呼んで下さい
オメガバースの中でもオリジナル設定がちょっとだけあるかもだからそれもニュアンスで呼んでください
※最初の方は全くcp要素ありません
ラブラブもありません
※とりあえず全部ニュアンスで読んでください
「あれ、つぼ浦さんこんな所で何してんすか」
本署前の階段に座り込むアロハ柄の背中に声をかけた
いつもは暇な時はパトロールか飯屋ばかりで本署前での待機は随分珍しい
「あー、カニくんか。なんだか今日は調子が悪くてな」
「え、だいじょぶっすか?」
顔を覗き込むと褐色の肌にいつもとは違う頬の火照りが見えた
「熱?」
「若干の微熱って感じだな。でも咳とかはないし風邪じゃあないと思うんだが」
「念の為病院行った方がいいっすよ。俺送りましょうか?」
「いや、心配には及ばねぇ。実は3、4ヶ月に1回くらいで起こる、よくあることなんだ。少しダルいくらいで他の症状はないし大体3日くらいでよくなる」
「えぇ、持病的な?病院には行ったことあるんですか?」
「ねぇな。まぁ、今回もほっときゃ治るだろ」
それはそれで問題があると思うんだが、どっしりと階段に腰をかけたつぼ浦は病院に行く気は全くないらしい
どうにか説得して1度病院に見せに行った方がいいんじゃないかと思案していると駐車場からゾロゾロと事件対応を終えた署員が戻ってきた
「お、たくみ〜カニ〜そんなところで何してんだぁ!」
「サボりだー!サボり魔2名発見!現行犯逮捕!!」
騒ぎながらやってくるひのらんにオルカ
その後ろを、青井とまるんが歩いてやってきた
「つぼ浦さんが熱っぽくて。でも、病院に行きたがらないんすよ」
「おう。いや、気にしなくていいぜ。特殊刑事課は熱ごときにやられるほどヤワじゃないからな」
「ホントか!たくみ、熱を甘く見ると大変なことになるぞ!」
「急患だ〜急いで救急隊呼ばなきゃ〜!」
「ちくしょう、騒がしいな。やられたぜ」
困った顔で、発破をかけたカニを睨むつぼ浦
観念して早く病院に行った方が懸命だ
「え、つぼ浦熱でてんの?」
「特殊刑事課とか関係ないから。早く行かないとどんどん悪化するかもよ」
後から来たまるんや青井の追撃により、さらに参ったようで弱々しく言い訳を始める
相当病院には行きたくないようだ
「いや〜、熱って言っても微熱だしちょっと体がだるいくらいなんすよ。それによくあることなんで。いつも通りならあと2日もすれば良くなるから」
「なんだって!?たくみ、よく熱出るのか?なら尚更ちゃんと病院で見て貰え」
「薬もらったらマシになるかもよ」
言い訳は逆に同期の心配を煽ったようだ
とうとうつぼ浦は首あたりを触りながら困ったようにあ〜とか、ん〜しか言わなくなってしまった
「みんな、何シテル?」
そこにやってきたのが我が警察署が誇る狂犬、犬ルリ
その姿を見たカニはどんな風にけしかけてやろうかと目論んでいると、犬ルリはスンスンと鼻を鳴らしながら不思議そうに一言呟いた
「ン?誰かオメガいる?」
「「え?」」
みんなが硬直し当たりが静かになる
“オメガ”それは本来詮索はタブーとされている、バース性(第二の性)の中でも最もおおやけにしずらいナイーブな性
いくら常識知らずのわんちゃんといってもかなり際どい質問で、もちろん答えられるものはいない
「ん?なんだオメガって」
いや、もっと規格外なのがいた
「ちょっと話がややこしくなるんでつぼ浦さんは黙ってもらっていいですか」
「お、おう。そうかすまん」
雰囲気を察してか、黙るつぼ浦
「犬ルリ、人に簡単にバース性を聞いちゃダメだよ」
「え?でもこのへんちょっとダケ匂うよ?」
青井が窘めるが犬ルリはあまりわかってないようだ
だが、犬の嗅覚で香りがすると言うのであれば話が少し変わってくる
発情期に入ったオメガがどこかで倒れて身動きを取れなくなってしまっている可能性がある
「匂うってことは発情期?この辺で誰かが?」
「それはやばいよ!早く見つけて助けに行かなきゃ」
みんなが一斉に駐車場やその周りを見渡す
伊達に犯罪渦巻くロスサントスの警察をしていないということだ
だが、みんなが動き出す前に先に犬ルリが動き出した
「いや、遠くじゃナイ。モット近く」
さらに鼻を鳴らしながら匂いの元を辿る犬ルリ
ゆっくりとみんながいる輪の中に進みながら犬ルリが止まった場所は…
「んー、ココからだ」
つぼ浦の目の前だった
全4話です
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