⚠︎今回の内容は今までのセンシティブ要素とはまた少し違ったベクトルで不快感を覚える方がいるかもしれません。気分が悪くなった場合は一度中断していただくことをお勧めします
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〈kintoki side 〉
かなりカオスな状況だけど、なかむが帰ってきてよかった。
みんなでその喜びを共有しながらお互いを認め合えたこの瞬間は俺たちのさらなる大きな一歩となった気がした
そんな嬉しさで忘れてしまっていたことに俺はふと思い出す。
あれ、結局悪魔はどこにいったんだっけ?
俺たちが考えていた作戦ではなかむと悪魔を引き剥がし、悪魔のみを処刑するというもの。
これ、目標達成できていないのでは?
咄嗟に冷静になった俺はなかむの中から微小ながら悪魔の気配があることに気がついた。
少しずつ間合いを取ってみんなに伝えよう
後退りをした瞬間
ヒュッ
Kn 「っ、、」
左耳が切られた。なんとか反射で避けたけどこの速さで避けれても左耳を持ってかれた、
すぐに標的に目線を移す
俺は絶望した
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〈nakamu side〉
俺はみんなを、みんなのことを、、
nk 「殺したい。って思ってるんでしょ」
背筋が伸び、空気がピリついた。
そう、気づかないふりをしていたこの感情は彼によって簡単に暴かれてしまったのだ
あの時も、
すると彼は俺にゆっくりと近づき耳元で囁いた
nk 「ほんとは○○○○○○○くせに」
(第9夜より)
あの時も。
br 「いいんだ。」
Nk 「、、え?」
br 「だってなかむは○○○○○○○○○もんね」
(第10夜より)
俺が必死に隠して自分ですらも忘れてしまおうと思っていた根の感情。でもそれはあまりにも簡単に放たれてしまった
あれは本物のぶるーくが俺の元へ助けに来てくれたときのこと
悪魔が俺の耳元でささやいた。
nk 「ここで君の願いが叶えられるよ
本当は殺して自分のものにしたいんでしょ」
たったこの言葉だけで俺の欲望は溢れてしまった。ぶるーくが愛してくれてるのなら俺も返して差し上げようと、
そして俺はぶるーくに抱きついたんだ
Nk 「愛してる」
とだけ言って。
あとのことはあまり覚えていない、ただ湧き上がるこの欲望を抑えずに従った。微かに記憶にあるのは彼の最後の声
Br 「なかむ、、愛して、る」
そう言って俺の頬を撫でる彼はどういう意図で伝えたのだろうか
そう伝えれば俺がここで止まるとでも思ったのであろうか、罪悪感でやめるとでも?
しかし残念。
それは逆効果だった、俺はそこでこの汚い愛ですらも受け入れてくれる存在があるということに恍惚感を抱いて快楽に落ちていっただけなのだから
静かに眠る彼と肩を並べて寝転がり、その美しい顔を見つめる。
冷たくて、白くて、まるで彫刻みたいになった彼の姿に俺はひどく興奮している
Nk 「ぶるーくっ、、。ふふ」
俺は彼からもらった紅色の愛を額縁に飾って棚に立てかけた。
Nk 「あと5つ集まれば、、」
呼吸が乱れ、火照る体。
全部集まれば俺の本当の愛が完成することができる。
ああ、なんて素晴らしく美しい///
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〈kintoki side〉
標的を目にした時にはもうそのそばにみんなの姿はなかった。
呼吸が荒くなり、怒りが込み上げてくる
それでもなんとか自分を落ち着かせながらあたりを目だけ動かして確認する。
きりやんも、シャークんも、スマイルも、、、 悪魔の魔法で全身に槍のようなものが刺さっている
首、肩、心臓、太もも、つま先、さらには股下まで。心底気分が悪い。
あまりにも過激な情景に俺は正気を保つことはできなかった。
悪魔め、このゴミがっ!よくもよくもよくも
腹の奥から沸々と何かが湧いてくる
ぶるーくもきりやんもシャークんもスマイルもなかむすらも汚すのかお前は、、、。
どこまで犯せば気が済むんだ。
俺のみんなを返せ。
俺が愛したみんなを返せ!!
プツンッ
Kn 「ふっ、、ぐぅっ!」
体が煮えるように暑くなり魔力がそこから込み上げてくる
魔力暴走だ
いいだろう。 どうせもうここには悪魔と俺しかいない、俺を止める奴は誰もいないんだ。
Nk 「あとはきんときだけだなぁ」
そう言って高笑いをする彼の姿は悪魔一色だった。どうしてこうなってしまったかなんてお互いもうどうでもよかったんだ。
Kn 「俺はもとからなかむのいう愛が理解できなかったんだよ」
Kn 「みんなを傷つけないためにいなくなるだぁ?ふざけてんじゃねぇよってな」
Nk 「、、、。」
Kn 「でもこっちが本物だろ?」
Nk 「そうだよ、とっても綺麗でしょ?」
そうやってニチャァと笑った細い目からは透き通ったアクア色の宝石が光り輝いていた。狂ったように魔法を切り出す彼を俺は荒ぶる心内とは裏腹に丁寧に避けていく。
Kn 「はは、もっと理解できないね」
乾き切った俺の笑いは彼にはもう届いていないだろう。俺は一気に仕留めると決めた
足に波を集中させ呼吸を落ち着かせる。波の音は次第に落ち着き、ついには凪のように静かになった。
俺は鎮まった水面の上に雫が落ちるかのように冷たさをまとって静けさとともに彼の間合いをつめた。
Kn 「それでも俺はなかむを愛しているよ」
するとなかむは少し驚いた顔を見せたのちに、突然幼児へと姿を変えた。
nk 「でも僕のことは
愛してくれないんでしょ?」
そう言って深い闇を孕んだ瞳が潤んでいるのを見てようやく気がついた
この悪魔はなかむ本人なのだと。
悪魔はなかむで、なかむは悪魔だった
決して切り離してはいけない、いや切り離すことのできないもの。なぜなら彼らはずっともとから一つだから
幼児のときから彼の中にいたのだとすれば、
2人という形で分かれていても彼はなかむと共に人間を知り、友情を知り、愛情を感じていたはずだ
ずっと暗闇の中で、誰にも見つけられない
ひとりの空間でただ目の前の暖かさを見て羨ましがっていたのだ
どうして今まで
気づいてあげられなかったのだろう
そんなことを考えている間に
すでに戦いは終わっていた。
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〈nakamu side 〉
Nk 「これでラストっと、、。
はぁ///やっと揃ったぁ//」
目の前には左から
紅色の愛、梔子色の愛、蓬色の愛、至極色の愛
そして、、、
金青色の愛が額縁の中で美しく輝いていた。
でも本当のラストはここから
Nk 「あとは俺たちの愛だけだよ」
nk 「長かったね」
俺たちは共に深い闇へと落ちていった。
俺たちはふたりでひとつ
そして金青色の隣には漆黒の愛が美しく輝く彼らの光すらも吸収するように並べられていた。
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気がつくとベッドの上にいた。
鉄の匂いと赤い壁紙と床、周りには愛した5人の友人がぐったりとしている
快楽や喜びは一時的なもので、一瞬の安らぎでしかない。残りの時間は絶望という暗闇そのものでしかなかった
新しくもらった新作のゲームがしばらくすると面白く感じなくなるように
お気に入りの服が流行りから置いてかれて着られなくなってしまうように
人生において快感とは一瞬で味がなくなってしまう。それと同時にその感覚は日に日に思い出として美化されていき自分色に染められ、色褪せていく
色褪せるとは色が落ちていっているのではなく
成長していく自分が上から自分の色へと塗り替えていっているのだ。するといつかは原型がなくなっていって忘れてしまう
授業中に話して注意されて放課後居残りさせられたあの日も
朝寝坊したからといってその人の家に遊びに行って学校を丸一日サボったあの平日も
テストの点数でアイス奢りの賭けをしたことも
実技で初めてみんなで勝てたあの瞬間も
彼らと足を並べて歩いたあの学校までの道も
おんぶしながら歌を歌って下校したあの時間も
雪が降ったからと言って上裸で雪合戦したあの寒さも
彼らの笑い声も
彼らの匂いも
彼らの姿も
俺の中で美化されて、いつかは忘れていってしまう。
涙が止まらなかった。
俺は願いが叶えられたのに、欲しいものを得ることができたのに、、、
ずっと胸が締め付けられて痛いんだ。
苦しいんだ。
これが現実だなんて認めたくないんだ
そうか、それなら現実という概念から抜け出せばいい。
だから俺は
dreamer 〜 end 〜
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