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第二話 〜魔法の森〜
草原を抜けてしばらく歩いた先に、黒くうねるような森が見えてきた。葉は紫がかっており、空気は冷たく湿っている。鳥の声もしない。ただ、木々がゆっくりと呼吸するような音が響く。
🍃「この森……何かが、眠ってるみたい」
セリスは無意識にそう呟いた。
そのとき、足元で何かが光った。白い花。だが、その根元には小さな骨のようなものが散らばっている。人間のものではないようだったが、それが不吉に思えて足を止めた。
『……人間、だ。珍しい』
背後から声がした。まるで霧のように、冷たく、感情のない声。
振り返ると、そこには――
長い黒髪。血のように赤い瞳。白い肌。
黒と赤を基調としたドレスを纏った少女が、じっとこちらを見つめていた。
🍃「え、あ……あなたは……?」
『名前。ルノ。……ここに住んでる。吸血鬼』
そう名乗った彼女は、まるで人形のように瞬きもせず、セリスを見つめ続ける。
敵意は感じられない。ただ、興味――そう、“未知の生き物を観察するような好奇心”だけがその目に宿っていた。
『……君、風の匂い。すこし、おいしそう』
🍃「え!? えっと、それってつまり……」
『あ、ごめん。吸わない。今日は』
セリスは固まったまま苦笑した。
ルノは、まるで人間社会の常識を知らない幼子のようだった。ただ、何かを感じる。
この吸血鬼は“空っぽ”だ。何も知らない。何も感じていない。けれど、それでも――
🍃「……よかったら、一緒に来る?」
『……いいの?』
🍃「うん。なんか……寂しそうだったから」
ルノは、数秒の沈黙のあと、こくりと小さくうなずいた。
それが、すべての始まりだった。
破滅に至る旅路へと続く、一歩目だった。
ーーーーーーー
🩸新キャラのルノのプロフィール⤵︎
名前:ルノ・ブラッド・ラーヤ
読み:るの・ぶらっど・らーや
年齢:???歳
性別:女
種族:吸血鬼
性格:無感情で何も知らない純粋天然で大人しい
職業:吸血鬼族(魔術師)
能力:血液を操って攻撃したり、普通に魔法も使えるから闇魔法と基礎魔法の治癒魔法が使える。血液魔法は自分の血液を使うから貧血になる。
属性:血・闇
設定:
異世界の誰も近づかない様な魔法の森の館に住む吸血鬼。好奇心からセリスに着いていく事にした仲間。吸血鬼のため、十字架、日光、光魔法、銀、ニンニク等が苦手で、また、定期的に血を吸わないと貧血で倒れる(血を操る魔法を使うから)