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三話 〜光の中の声〜
魔法の森を抜けた先に、小さな泉があった。静かな水面。木漏れ日がゆれて、セリスとルノの影が水に映る。
🍃「きれい……」
🩸『あれ、ひとがいる』
ルノが、泉の向こうを指さした。
そこには、青年がひとり、しゃがみ込んでいた。
金の髪が陽光に照らされてきらきらと揺れている。耳は少し長く、先がとがっていた――エルフ族。だがどこか人間の血も混ざっているように見える。
青年は手に持ったハーブを丁寧に束ねていたが、こちらに気づくとゆっくり立ち上がった。
「ああ、ごめん。驚かせたかな。君たち、旅人?」
🍃「……はい。えっと、私はセリス、こっちはルノ」
🩸『吸血鬼』
🍃「あっ、自己紹介、そんな風に……」
セリスが慌てて訂正しようとした時、青年はふっと笑った。
「……そうか、吸血鬼さんか。なら、ちゃんと名乗らないと失礼だね」
🍃「え?」
「僕はフィエリ・カンデリス。薬師をしている旅人だよ。精霊たちと話すのが、ちょっと得意なんだ」
フィエリが微笑んだ瞬間、周囲の草花がわずかに揺れた。
風もないのに、まるで祝福するかのように。
🩸『……光、くさい。神殿の人?』
「昔はね。でも、今はただの流れ者さ」
その言葉には、少しだけ影が差していた。
けれどセリスには、それよりも彼の笑顔が印象に残った。
🍃「一緒に行きませんか? 今は目的地もはっきりしていないけど……なんとなく、あなたとなら、いい旅になる気がして」
「ふふ……僕でよければ、ぜひ。セリスさん、ルノさん。よろしく」
差し出されたフィエリの手を、セリスは自然に握り返した。
そうして、三人の旅が始まった。
風と闇と光――決して混ざらぬはずの色が、一つの道を歩き出した。
「では、これから町に行って見ませんか?」
フィエリが提案する。これから町に行ってみることになった。
この旅路が、世界の終わりに繋がっているとも知らずに。
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💊新キャラのフィエリのプロフィール⤵︎
名前:フィエリ・カンデリス
読み:ふぃえり・かんでりす
年齢:19歳
性別:男
種族:エルフ(亜種)
性格:明るく穏やかで、どんな相手にも平等に接する。根は心配性。感情が顔に出やすい。
職業:旅の薬師(元・神殿付きの聖職者)
能力:再生魔法(治癒と再生に特化した光魔法)+植物と会話する精霊術が少し使える
属性:光・自然
設定:
王都から遠く離れた聖域「リェールの森」で生まれ育った、精霊に祝福された亜種のエルフ。かつて神殿に仕えていたが、聖域で起きた「黒の花咲き事件」をきっかけに失望し、旅に出ることを決意した。セリスと出会い、彼女の「優しさ」と「危うさ」に惹かれ同行するようになる。