テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
窓の外。
笑いながら誰かと話すフランスの横顔。
────胸の中が、ざわついた。
理由なんて、分かっている。
現役。
光の中。
堂々としている。
自分が置いてきた場所。
🇬🇧「……関係ない」
小さく吐き捨てる。
あいつはあいつ。
俺は俺。
それだけの話だ。
なのに。
視線が離れない。
🇬🇧(なんで、あんな顔で笑えるんだよ)
ほんの少しだけ。
羨ましい、なんて思った自分が嫌になる。
引退したのは、自分の意思だ、
誰に強制されたわけではない。
────あの日。全部を終わらせた。
なのに。
さっき、名前呼ばれた時。
一瞬だけ、呼吸が止まった。
🇬🇧「……っ」
拳を握る。
🇬🇧(もう関わらない)
そう決めていたはずなのに。
フランスがふと、校舎の方をみる。
目が合った。
ほんの一瞬。
イギリスはすぐに目を逸らす。
心臓が、またうるさい。
🇬🇧(……最悪だ)
窓から離れ、鞄を肩にかける。
逃げるみたいに、教室を出た。
────気づかなければよかった
あいつの声に反応してしまう自分に。
廊下を早足で進む。
階段を降りる音がやけに大きく響く。
🇬🇧(逃げるな…)
そう思うのに、足は止まらない。
昇降口まであと少し────
🇫🇷「……おい」
背後から声。
心臓が止まりかける。
振り向かない。
振り向いたら、終わる気がした。
🇫🇷「お前…」
はっきりと呼ばれる。
足が止まる。
ゆっくり振り返るとそこに
フランスが立っていた。
息が少し上がっている。
……追いかけてきたのか。
🇬🇧「何」
できるだけ無表情で返す。
フランスは数歩近づく。
距離が近い。
🇫🇷「さっき」
少し目を細めて、
🇫🇷「俺のこと、見てたよな」
喉がひくりと鳴る。
🇬🇧「は?」
🇫🇷「窓から。ずっと」
逃げ道が、ない。
🇬🇧「勘違いだ 」
即答。
視線を逸らす。
フランスじっと見てくる。
その目は、ステージの時と違う。
まっすぐで、少し探るような。
🇫🇷「……どっかで会ったことあるか?」
胸が、強く跳ねる。
鼓動がうるさい。
前髪の奥で、目を細める。
🇬🇧「ない」
そう言って、
横を通り過ぎようとした瞬間────
ぐっ、と腕を掴まれる。
🇬🇧「っ……!」
思ったより強い力。
振りほどこうとするけど、離れない。
🇫🇷「待てって」
低い声が、すぐ落ちる。
心臓が跳ねる。
距離が近すぎる。
🇬🇧「離せ」
睨むけど、視線が少し揺れる。
フランスは掴んだまま、顔を覗き込む。
🇫🇷「なんで逃げる」
🇬🇧「逃げてない」
即答。でも声が硬い。
腕を引こうとした拍子に、バランスが崩れる
壁に、軽く背中が当たる。
逃げ場が無くなる。
フランスの手が、壁につく。
言わゆる、壁ドンと言うやつだ。
完全に、囲まれた。
🇫🇷「……見てたよな」
囁くみたいな声。
鼓動がうるさい。
前髪が揺れて、目が少し見える。
フランスの視線がそこに落ちる。
🇫🇷「……その目」
息が止まる。
思わず顔を背けようとした瞬間────
顎に指がかかる。
軽く、上を向かされる。
距離、数センチ。
🇬🇧「っ……触るな」
声が低く震える。
フランスの指が、掴んでいた腕に少し力を込める。
🇬🇧「…イッ”」
🇫🇷「声も」
静かに言う。
🇫🇷「どっかで聞いたことがある」
完全に心臓が暴れる。
でもイギリスは、必死に目を細める。
🇬🇧「気のせいだ」
フランスは数秒、じっと見つめる。
やがて、手を離す。
🇫🇷「……変なやつ」
でも、その目はまだ疑っている。
イギリスは何も言わず、腕を押さおながらその場を離れる。
掴まれた場所が、じんわり熱い。
🇬🇧(最悪だ……)
胸の奥のざわつきは、さっきより強くなっていた。
次回15♡