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いちご@低浮上中。。。
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8月の中旬頃。
とはいえ、俺らは特に夏らしいことをすることはなく、
ただいつものようにお互いの家で駄弁っているだけだった。
そんな毎日を続けていたある日。
「なぁ」
いるまが、スマホをいじりながら何気なく声を出した。
なつは床に寝転がったまま、雑に返事をする。
「んー?」
「花火大会、あるらしいぞ」
「……花火?」
その単語にだけ、なつの声色が少し変わった。
いるまは視線だけを向ける。
「近くの河川敷。今日の夜」
「へぇ……」
興味なさそうな声。
けど、少しだけ目が泳いでいるのをいるまは見逃さなかった。
「行く?」
「別にどっちでも」
「じゃあ行かない」
「え」
即座に起き上がるなつ。
その反応に、いるまは小さく笑う。
「今の何w?」
「いや、別に…」
ごまかすように視線を逸らすなつ。
わかりやすい。
昔からずっとそうだ。
いるまはスマホをポケットにしまった。
「じゃあ行くか」
「….うん」
小さく頷く声。
それだけなのに、なつの方は少しだけ嬉しそうだった。
◇◇◇
夜。
河川敷は思っていたより人で溢れていた。
浴衣の人、屋台の匂い、遠くのざわめき。
普段の静けさとは別世界みたいだった。
「人多すぎ」
「うるさいな」
そう言いながらも、なつはいるまの袖を軽く掴む。
離れないように、みたいに。
「…お前さ」
いるまはその手を見て言う。
「何」
「迷子になるタイプだろ」
「ならないし」
即答。
でも手は離さない。
しばらく歩く。
人混みを抜けた先、少しだけ開けた場所があった。
川の向こう側に夜の街の明かりが見える。
そこで、最初の音が鳴った。
ドン、と空気が揺れる。
見上げると、夜空に大きな花が咲いていた。
「…..おぉ!」
珍しく、なつが声を漏らす。
いるまはその横顔を見る。
花火の光に照らされて、いつもより綺麗に見えた。
「なんだよ」
視線に気付いたなつが聞く。
「別に」
そう返しながらも、目は逸らさなかった。
花火が上がるたびに、空が明るくなる。
そのたびに、なつの表情も少しずつ変わる。
楽しそうで。
落ち着いていて。
いつもより少しだけ近い距離。
「……なぁ」
なつがぽつりと言った。
「ん」
「こういうのも、悪くないかも」
いるまは少しだけ目を細める。
「今さら?」
「今さら」
そう言って笑うなつの顔を見て、
いるまは何も言わなかった。
ただ、花火の音だけが夜に響いていた。
コメント
1件
わあ〜〜もうこの2人の空気感が良すぎる!!!😭💕💕 夏っぽいことしなくても一緒にいられるの、それだけで特別じゃん? 花火大会行く流れも、「行かない」って言われて即座に起き上がるなつがかわいすぎるし、それを見て笑ういるまの余裕ズルい!!笑 「迷子になるタイプだろ」って言いながら袖掴まれてるの、既にこっちがキュン死にしそうだったよ……最後の「今さら」の笑顔、絶対いるまもドキドキしてたでしょ?!😇💥 花火の描写も綺麗でエモかった!!季節外れでも全然OKだから続き早く読みたいです〜〜🌸💫