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タロ
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デスゲーム3日目
『ゲームを開始します』
静まり返った空間にその声だけが響く。
『体力ゲーム――クライミング』
目の前に現れたのは、
高くそびえ立つ巨大な壁。
無数の足場。
だが、その間隔は不規則で、
明らかに“落とす”ための構造だった。
『参加者は10名』
『上位5名のみ、生存可能』
『なお――』
一瞬の間。
『他プレイヤーへの妨害行為を許可します』
ざわめきが走る。
🖤「……まじか」
♥️「蹴落とし合い、か」
冷静に言う宮舘。
だが、その瞳は鋭く揺れていた。
目黒の名前が呼ばれる。
🖤「行ってくる」
♥️「……」
一瞬、間が空く。
♥️「わかった」
♥️「俺は下から見る」
♥️「危なかったら、すぐ指示出す」
🖤「…頼んだ」
スタートの合図と同時に、
一斉に人が壁へと取りついた。
足場を掴む。
腕に力を込める。
一段、また一段と登っていく。
だが――
すぐに状況は変わった。
○○「どけっ!」
横から、強い衝撃。
別の参加者が、無理やり体を押し込んでくる。
🖤「……っ!」
体勢が崩れ、足場が滑る。
♥️「目黒!!右!!」
下から響く声。
その声に反応し、
とっさに右手を伸ばす。
かろうじて、掴む。
🖤「…うっ…はぁ、…」
🖤(助かった……)
息を整える暇もない。
すぐに、次の一手。
次々と落ちていく人影。
周囲では――
悲鳴が上がっていた。
足を引かれ、
バランスを崩し、
そのまま――
落ちていく。
○○「やめろ!!」
○○「おい!!離せ!!」
人々が大声で叫び合う。
ドンッ
鈍い音。
そして、静寂。
🖤「……っ」
目黒は下を見ないようにする。
今は、生き残ることだけ考える。
再び、腕に力を込める。
だがその瞬間――
鋭い痛みが走る。
🖤「……ッ!」
誰かに、頭部を思いっ切り蹴られた。
額から血が垂れる。
♥️「…目黒!!!」
🖤「……っ」
歯を食いしばる。
♥️「左上!!そこ、距離ある!!」
♥️「勢いつけて飛んで!!」
その声だけを、信じる。
🖤(舘さんがいる)
🖤(だから――)
思いきり、踏み込む。
手を伸ばす。
掴んだ。
そのまま、一気に身体を引き上げる。
残り、あとわずか。
だが、すぐ横にいた参加者が、
目黒の腕を掴んだ。
○○「お前、落ちろよ!」
🖤「……っ!」
無理やり、引き剥がされそうになる。
♥️「目黒!!振り払え!!」
その声に、反射的に力を込める。
体をひねり、
思いきり腕を振る。
手が離れた。
そのまま――
相手は、落ちていく。
🖤「……っ」
一瞬だけ、目を伏せる。
だが、止まらない。
止まれない。
最後の一手。
上へ――
────────ゴール。
『3位』
『目黒』
🖤「はぁ……っ……」
息が乱れる。
腕は震え、
血がにじんでいる。
だが、
生き残った。
下を見下ろす。
♥️「目黒!!」
宮舘の声。
その瞬間――
ようやく、力が抜けた。
地上に戻った瞬間、
宮舘が駆け寄る。
♥️「……っ」
何も言わず、
そのまま――
強く、抱きしめた。
🖤「……舘さん」
♥️「……目黒、血が…」
声が、震えている。
🖤「大丈夫だよ…」
♥️「…っ」
🖤「……舘さんの声、聞き取りやすかった」
そっと、背中に手を回す。
♥️「早く、手当しなきゃ…」
それでも──────
しばらく、
そのまま離れなかった。
この世界で、
“誰かのために生きる”なんて、
許されないのかもしれない。
それでも――
🖤(舘さんのために)
♥️(目黒のために)
その想いだけは、
もう、止められなかった。
つづく。