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本作品はnmmnにあたる内容です。
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・本文は作者の妄想に基づいており、事実ではありません。
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らんの部屋に行ったのは、通知を見てから3日後だった。
最初は、ただ「面倒なやつがまた拗ねてんのか」と思っただけ。
だが返事がない。電話も繋がらない。
嫌な予感が、じわじわと胸を締め付けていった。
「……らん?」
ドアを開けた瞬間、鼻を突く異臭。
部屋の中は薄暗く、カーテンは閉ざされ、空気が淀んでいる。
ベッドの上。
そこに、らんはいた。
眠っているみたいに静かで、けれど呼吸はなかった。
「…あ?」
頭が真っ白になった。
揺さぶっても、何度呼んでも反応はない。
温もりもすでに消えていた。
「うそだろ……おい、らん!」
その瞬間、胸の奥から何かが破裂するような痛みが走った。
ずっと耳障りに思っていたはずの泣き顔。
うるせぇと突き放した声。
全部が、脳裏で反響する。
「なんで…なんで俺が……」
違う。
なんで「俺が」じゃない。
なんで「らん」が。
遅すぎた気づきに、喉が詰まり、呼吸ができない。
____________
葬儀には出られなかった。
出られるわけがなかった。
親族や知人が集まる中、あの棺の前で何を言える?
__俺が殺した。
心の奥でその言葉だけが繰り返される。
夜になると、らんの最後のメッセージを開いては閉じた。
「ありがとう」「好き」「さようなら」
たったそれだけの言葉が、何より重い鎖になっていた。
____________
ある晩、いるまは酒に溺れた。
酔い潰れ、床に倒れたまま天井を見つめる。
「……なあ、らん。お前、マジで俺なんかが好きだったのかよ」
返事はない。
当たり前だ。
涙なんて柄じゃないのに、頬を濡らす感覚を止められなかった。
「…俺だって……お前しかいなかったんだよ 」
その言葉を、どうしてもっと早く伝えられなかったのか。
ご後悔は刃物のように胸を切り裂き続ける。
____________
日が経つごとに、いるまの世界は灰色になっていった。
仕事も失い、友人も離れていく。
残ったのは、らんを失った事実だけ。
部屋の隅に転がる、あの日のスマホ。
画面に残されたメッセージを、いるまはまた開く。
『ごめんね。俺、ちゃんといなくなるから』
「……ばかやろう」
嗚咽が漏れる。
声をあげて泣いても、もう誰も答えない。
____________
夜、夢を見る。
らんが笑っている夢。
優しく微笑んで、手を伸ばしてくれる。
「いるま……」
掴もうとした手は、冷たい闇に溶けて消える。
目を覚ましたいるまの頬には、涙の跡が残っていた。
その日も彼は、灰色の世界に沈んでいく。
__そして二度と、救われることはなかった。
𝐹𝑖𝑛.
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