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雨の中を抜けて、普段なら1人で来れない海まで来た。

都会だろうがセキュリティが浅いから、1人で外に出れる。

それに気づかず生きて11年を無駄にした。


うちはいわゆる過保護なのだろう。普通はみんなが許される事を危ないからと制限され、おまけに来年は受験だと勉強をさせられる。

自分が弱い。だけど、限界が来ている事を感じて、夕暮れどきの雨に濡れながら海へと向かった。


このまま帰ったところで怒られ、束縛が強くなるだけだろう。

…もう、ここで終わらせよう。


私はリュックの中から裁縫箱を取り出した。私が持っていける刃物はそれしかなかったから。

裁ちばさみを取り出し、それで手首を深く切った。


私の意識はそこで途絶えた。

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