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帰り道。
佐倉くんと並んで歩くのは、もう何度目だろう。
でも今日は、いつもと違う。
佐倉くんが「好き」と言った。
それが頭の中で何度も繰り返されて、心臓が落ち着かない。
「……なあ。」
「えっ?」
「お前、さっきから黙ってばっかだな。」
「そ、そんなことないよ!」
慌てて答えるけど、顔が熱くなるのは止められない。
「まあ、無理もねーか。」
「え?」
「俺に告白されたんだもんな。」
「~~っ!! そういうこと、さらっと言わないでよ!」
胡々は思わず顔を背ける。
「さらっとじゃねーよ。本気だし。」
「……!」
(もう……ずるいよ、佐倉くん……。)
でも、私も――
「……佐倉くん。」
「ん?」
「私も、ちゃんと言うね。」
深呼吸をして、佐倉くんの目を見つめる。
「私、佐倉くんのことが好き。」
佐倉くんの目が、驚いたように大きくなる。
そして次の瞬間――
「……っ、やっと言ったな。」
不意に、ぽんっと頭を撫でられた。
「え、ちょ、なに!」
「よく言えました。」
「からかわないで!」
「からかってねーよ。」
佐倉くんは嬉しそうに笑いながら、胡々の頭をもう一度優しく撫でた。
「……俺も、好きだから。」
「……うん。」
夕焼けのオレンジ色が、二人を包み込む。
こんなふうに、ちゃんと言葉にできたら――
きっと、これからもずっと、一緒にいられる。
(好きって、ちゃんと言えてよかった。)
胡々はそっと微笑んで、佐倉くんと並んで歩いた。
── END ──