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翌日、朝早く中也が私の部屋に押しかけてきた。
中也「おい、早く起きろ!犯人が分かったんだよ!!太宰よりも前に絶対告発してやる!!」
久し振りに犬の鳴き声じゃない事に不快感を覚える。昨日の優しさは何処行ったの…?
「私犯人分かってるし、先行ってていいよ〜。」
寝起きの枯れ果てた声で何とか応答する。
今頃太宰が造船所でパーティの準備をしているだろう。体を怠そうに起こし、準備を早々行う。
昨日の出来事を思い出す。
中也「やっぱり手前は、優しいよな。」
思い出すだけで胸が苦しくなる。
「(よし!)」ジャージに着替え、家を出る。
太宰から場所は聞いている。其処へ向かおう。
_____どの建物なのか、一瞬で分かった。もう蘭堂との戦いは既に始まっているのか。中也の声が聞こえた。
「荒覇吐はな…俺だよ。」
異能で中也の頭を読む。…何だ、此れは。
哀しみに溢れていた。今迄の事を思い出す。初めて会った時、彼の頭には「生きたい」という四文字だけ存在してた。
次の瞬間、私の中に存在してた想いが溢れ出てきた。
「_____救いたい、救いたい!!」
哀しみの中に溺れる中也を助けたい。気づけば私は造船所の中にいた。
三人は私の存在に気づいた。
中也「やっと来たか。待ってたぞ。」
太宰「〇〇ちゃん!!近寄るな!!」
きっと、太宰が正解だ。私に計画性も、蘭堂の異能の対策もない。でも今迄培って来た体力、武力は本物だ。
蘭堂「犠牲が一人増えた。」
「それはどうかな?」
もう____怖がらない。目を瞑り、一つ大きな深呼吸をする。
目を見開くと、既に先代のいる異能空間の中だった。太宰は既に傷を負っていて、明らかに致命傷だった。相変わらず頭には死に対しての欲しかなかった。
「太宰は相変わらず死にたがりだね。何でだろうね。」
太宰「見てわかるでしょ。無理だね、諦めて死のう。」
平坦な声だった。
中也「何だそりゃ、寝言か?」
蘭堂「太宰君の云う通りである。中也君、君も諦めるべきである。後其処の少女も。」
私は顔を顰めた。先代の攻撃を屈んで避ける。そして、構えの姿勢を取る。
「かかってこい!」
先代が鎌を持ち此方へ向かってくる。私は低い体制で先代の足を掴む。足を絡ませバランスを崩させる。まずは鎌を奪う、其れが私の作戦。対応が追いつかない先代。バランスを崩し鎌を握る力が弱くなる、そのタイミングで、鎌を蹴り飛ばした。手に何も持っていない先代の腕、足を掴み、背負投をする。倒れた先代に鎌を向ける。先代は歯をきしめて威嚇する。其れはあくまで犬のよう。
其の瞬間、太宰がジェスチャアで私と中也を呼んだ。其れはある提案だった_____