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きんときの護衛申請
「というわけで俺きりやんの専属騎士になるんで」
「却下」
「うわ即答!?冷たっ!」
「なにかも異例すぎるし、まずお前の態度のどこか騎士だ、口説き方がまず不快」
「でもさ~誰よりもきりやんの弱点知ってるし〜♡なんなら寝顔まで知ってるし~♡あー手出しとけばよかったな」
「やめろバカッ!//」王宮の廊下に、また今日も王子の悲鳴がひびく、兵士たちは見慣れた光景にそっと目をそらしては微笑んだ
(でも、これが俺の選んだ未来だ)
政務の合間、きりやんはふと思う
“王子”という仮面は、確かに今もある
でも、その内側には、”きりやん”という1人の人間が、今はちゃんと息をしている
それはあの日、焚き火の前で聞いたあの言葉があったから
「きりやんの全部を、もっと見たいって思ってる」
あの目に、嘘はなかった
静かな夜の庭園、月明かりの下
その日、きりやんは庭園にいた
きんときが現れると、きりやんは珍しく、自分から話しかけた
「…お前、ずっと見たいって言ってたよな。俺の全部が見ていって」
「うん」
「今の俺を見ても、あいかわらず好きって……言えんの?」
「言えるよ?当たり前じゃん。仮面のないきりやんが、俺は一番好きだから」
「……」
きりやんがゆっくり、ほんの一歩、近づく
「じゃあ見せてやる。俺の全部」
「今度は…逃げないから」
その言葉とともに、静かに唇を重ねた、前よりも深く
そして
「…好きだよきんとき。俺はきんときと生きたい」
「え、あ、今……俺夢見てんの??」
「たく……現実だって…仮面を捨てた僕が言ってるから」
「あああああ!!はぁ!?もう死ぬって!!!!」
「うるせぇ!!せ、せっかく告白てきたのに騒ぐなよっ!///」「いやもう1回して!?お願いお願いお願」
「やだ!!!///」
――ある日の下がり
「きりや~~ん♡愛してるよ〜〜♡」
「人前で叫ぶな!」
「だってもう公認だよ? みんな知ってるよ俺らの事♡」
「……くそ…//」
「お、顔真っ赤♡やっぱ俺のこと昔から好きだったんでしょ~~??」
「……逃げたかっただけだし」
「またそれ?一緒に寝たじゃん?キスしたじゃん?告白もしたじゃん?俺と生きたいって??照れてて可愛かった~~~♡♡♡」
「!!ぶっ殺すぞ!!!!!///」
「はいはい♡後で俺の部屋ね♡」
「ほんとお前最低………」
「でも……」
「ん?」
「ありがと。ずっと側にいてくれて。」
「え……なんで今日そんなくそ可愛いくらい素直なの絶対今日命日だわ死ぬ前にもう一回いこ」
「うっさいバカ//しないし、てか忘れて//」
「俺もう死んでもいい!!」
王子はもう、仮面のままじゃなかった
隣にはいつも、ウザいくらい強引で、でも心から優しい騎士がいたから。
END