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キュイ視点


フィオちゃんが用意してくれたお茶を飲みながら部屋を見渡す。

部屋の壁や天井には植物を束ねたものがいくつも連ねて吊るされていたり、植物を編んで作った籠に木の実が入っていたりと、何に使うものか僕にはわからないけど、僕の知らない香辛料や食材がこの中にあるのかと思うと、ちょっとしたテーマパークに来たみたいに少し浮かれた。

フィオちゃんが用意してくれたお茶は普段飲んでいるお茶とは違い、香ばしい香りがするのに飲んでみると砂糖とは違う甘味を感じる。なのに後に引かない爽やかさがある。

なんのお茶だろう?

初めて来た人のお家でこんなにのんびりとして待ってても良いのかなと思う頭はあるものの、なぜか落ち着く。

そんなことをぼんやり考えているとトントントンと階段を降りるフィオちゃんと目があった。

「お部屋の準備ができましたのでどうぞ2階へ。キュイ様のお部屋とその他諸々もご案内しますね。」

なんだか、かわいい小人が切り盛りするホテルに泊まりに来たお客さんみたいだ。

「ふふ、ありがとう。じゃあよろしくね。」

そう言ってフィオちゃんの後をついていく。






「ここはわたしが普段寝ている部屋です。夜の間、何かあれば来て下さいね。あとで案内しますが、トイレや洗面所は一階にしかありません。ご不便をお掛けしますがよろしくお願いします。では、ここがキュイ様のお部屋になります。」

廊下の1番奥の部屋の前に到着し、フィオちゃんがドアを開いた。

部屋には1人用のベットとその横にサイドテーブルが設置してあり、その上にはランプが置かれている。

「手狭かとは思いますがこちらを使ってください。」

「そんなことないよ。ありがとう。」

「キュイ様はお疲れではないですか?もしお疲れでしたらお部屋でゆっくりされますか?」

「ううん。大丈夫だよ。」

もちろん疲れはあったけど、初めて来た同僚の家で1人だけただ寝ているというのも気が引けてそう答えた。

「そうですか。わたしは今から夕食の準備をしようと思います。キュイ様には待っていただく形になります。お茶のおかわりを入れましょうか?」

「お茶も美味しかったけど、せっかくだし、一緒に作らない? ただ泊めてもらうのは悪いし、僕も夕食作りの手伝いなら出来ると思うんだけどどうかな? もちろん、フィオちゃんが良ければだけど。」

せめてお手伝いだけでもと思ってフィオちゃんに問いかけるとフィオちゃんは少し困ったような悩むような顔をした。

「…」

「どう?だめかな?」

「だめではないです。……いいんでしょうか。キュイ様にお手伝いいただいても…」

心配そうに僕をみるフィオちゃん。

「良かった。僕はその方がうれしいよ。」

安心してもらえるように笑顔で答える。

「なるほど。…では、よろしくお願いします。」

「うん。こちらこそよろしくね。」

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