朝だ。今日も今日とて41番GRに確認しに行く。
「……!? あっ、あぁっ!!」
41番GRに人がいるのが見えた。騒がしい声。まだ見えていないけど、俺は『ああ、来たのだ』と直感する。
俺は駆けだした。
「~~~っ! ルフィ~!!!!」
俺は耐えきれずに叫んだ。
ルフィは俺の声に気付いてこちらを振り向いた。その瞬間、ルフィの顔はぱあっと明るくなった。他の人たちは首を傾げている。そりゃそうだ。他の人たちとは俺ほとんど面識ないからな。まあそれはあとだ。
俺はルフィの元へと駆け寄る、ルフィも俺に向かって走って、そして突撃するように思いっきりハグしてくる。俺もそれに答えたかったのだが、ルフィの勢いが強すぎて俺は後ろへ倒れてしまった。
ドサッという音と共に背中に地面を感じる。痛くないのが幸いだ。
「ジェイデン!! 久しぶりだなあ!!」
「久しぶりだな。ルフィ、随分強そうになって…麦わら帽子も前より似合ってる」
「にししっ」
俺の言葉に嬉しそうに笑った後、ルフィは俺から離れて立ち上がった。俺に手を差し伸べてくれたのでありがたく掴ませてもらう。
立ち上がりながら周りを見渡すと、麦わらの一味がお前誰? みたいな顔をしていた。1人を除いて。
「……エメリヒ…?」
「ええ、そうです! エメリヒ、もといジェイデンです! ロビンさん」
ロビンが一歩、俺の元へ近づき、そして駆け寄ってくる。そして俺の頬に両手を添えて、じっと見つめてくる。サンジからの視線が痛いです。ロビンさん……。
「お久しぶりですね」
「えぇ、久しぶり。元気そうね」
にっこりと笑って言うと、ロビンは俺から少し離れた。
「ロビン、ジェイデンと知り合いだったのか?」
「ええ、少し前まで一緒にいたの」
そう言うとわかる人には俺がアラバスタにいたとバレるのだが……オールサンデー? 言葉をもう少し選んでほしかったかな?
とか思っていたところでロビンはくすくすと笑うだけである。
「ちょっとルフィ、その人誰なの?」
「ジェイデンだ! 俺がフーシャ村にいた時によく遊んでたんだ」
ナミに聞かれて、ルフィは俺のことを説明してくれた。俺自身もぺこりと頭を下げて再び名乗る。
「ジェイデンと申します。ルフィとは友人として仲良くさせてもらっています」
よろしくお願いします、と言うと、ゾロは軽く会釈を、ウソップは恐る恐る会釈を、チョッパーとフランキーは興味津々に会釈を、ブルックは優雅に会釈を、ナミとロビンはそれぞれ笑顔で会釈を返してきた。
「ま、堅苦しいのはここまでで。気軽に接してくれると助かる! お前たちの名前は手配書で知ってるから大丈夫だ」
俺がそう言うと、ルフィはニシシと笑い、他のみんなも頷いた。
「ジェディちん!」
「おおケイミー、パッパグも。数日ぶりだな」
ケイミーは俺に飛びついてきたので受け止めて頭を撫でてやる。
「もしかして、ケイミーを助けてくれたっていう人間か?」
「ああ、数日前にな。あんたは?」
「はっちゃんだ。みんなからはハチって呼ばれてる」
「そっか。よろしくな、ハチ」
俺が手を出すと、はっちゃんは握手に応じてくれた。
「あーっ!! お前らだけずりぃぞ!! ジェイデン!」
ルフィが叫ぶ。
「あぁごめんな。ルフィとももちろんするぞ」
俺がそういうと、ルフィは再び飛びついてきそうな勢いだったので、俺はルフィの首根っこを掴む。
「飛びつくなって…」
「わりぃわりぃ」
そう言ってルフィは離れる。
「ジェイデンはどうしてシャボンディ諸島に来たんだ?」
「ん? ルフィたちが来ると思ったから少しの間待ってたんだよ」
「ふーん」
「興味ないなら聞くなよなー」
「なあ、お前」
「ん?」
「一度バラティエに来たよな。5年くらい前」
「よく覚えてるな。あぁ、君を指名した変わり者の客だよ。あの時は美味しい料理をありがとう。また君の料理が食べたいな」
「ああ、食いたきゃ食わせてやる」
「ありがとー」
サンジに覚えてもらえて光栄だ。男の俺なんかとっくに忘れてると思ってたよ。
それからルフィたちと色々と話して、ルフィたちはこれから魚人島に行くということを聞いた。
「へえ~、いいね。魚人島」
「ジェイデンも一緒に行こう!」
「そうだな、考えとく」
濁す言い方をして、俺は再びルフィを抱きしめる。
「じゃあ俺はここで、もうしばらくシャボンディ諸島にはいるからもしかしたら会うかもな」
「え~、一緒にシャボンディ諸島探検しようぜ」
「その気持ちは嬉しいけど先約があってな…。悪いルフィ」
そう言うと、ルフィはむっと眉間に皴を寄せた。ぽんぽんと頭を撫でる。
「それじゃあまたどこかで、麦わらの一味のみなさん」
軽く頭を下げて俺はその場を去った。
「ルフィの知り合いって時々すっごい礼儀正しい人がいるのってなんなのかしらね…」
「なんか貴族みたいだったな。所作が綺麗というか」
「育ちが良いんでしょうね」
「というかロビンが彼と知り合いだったのが少し驚き」
ナミ、ウソップ、ロビンがそれぞれ話す。
ロビンはくすくすと笑いながら、少し前のことを思い出す。アラバスタでバロックワークスの期限付きの社員をやっていたジェイデンのことを。
(かなり生き生きしていた、クロコダイルの言った、〝鳥籠に閉じ込めておくには惜しい〟って言葉がわかる気がするわ)
ロビンはそんなことを思った。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!