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長年の葛藤の末、やっとの思いで付き合うことが出来たのにすれ違ってばっかりなナルトとサスケのお話
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ナルトの胸の奥には、付き合い始めたその日から、底なしの暗い泥のような自己嫌悪が渦巻いていました。
(サスケは、うちはのエリートで、完璧で、誰が見たってとんでもねぇイケメンで……。それにあいつには『一族の復興』っていう何よりも大事なアカデミー時代からの夢があるはずだってばよ)
男同士で愛し合うことはうちはの復興を諦めるということ。俺がサスケの隣に居続けることで、サスケを不幸にするのではないか。
サクラちゃんだって、ずっと昔からサスケのことが好きだった。サスケが「男の俺」なんかと付き合っているせいで、うちはの血が途絶え、一族の夢が叶わなくなってしまう。その未来を想像するたびに、ナルトの心は恐怖で震えていました。
(やっぱり俺なんかじゃ……。俺がサスケの側にいたら、あいつの未来を全部奪っちまう)
そんなナルトの葛藤と恐怖を、サスケが知る由もありませんでした。
サスケにとっては、幾つもの死線を越え、ようやく互いの想いが通じ合って手に入れた奇跡のような「恋人」という自分だけの、唯一無二の特等席。
言葉を交わすだけでも喉の奥がぎゅーっと熱くなるほど、サスケはナルトを愛いしていました。
ある日の夕暮れ。任務帰りの誰もいない演習場の片隅で、二人は並んで座っていました。
沈みゆく夕陽が、サスケの美しい黒髪を赤く染めていきます。隣にいるナルトの体温があまりにも愛おしくて、あるいは夕陽のせいか、サスケはほんのりと顔を赤面させながら、意を決してナルトの横顔に引き寄せられました。
初めてのキスをしようとしたのです。恋人として、当然の、ごく自然な親愛の証として。
しかし、サスケの吐息が届くほどの至近距離になった瞬間、ナルトの脳裏に「俺なんかじゃダメだ」という恐怖のストッパーが最悪の形で働きました。
「――あ、……わりぃサスケ。俺ら、付き合ってるだけだし……そういうのは、まだやめよーぜ……」
ナルトは引き攣った笑顔を作り、サスケの肩をそっと押し返して、その唇を明確に拒んでしまいました。
「…………、」
サスケの時がその瞬間、完全に凍結しました。
付き合っているのだから、愛し合っているのだから、キスをするのは普通だろう。そんな当然の理屈すら、ナルトの拒絶の衝撃の前には一瞬で吹き飛びました。
拒まれたショックと、あまりの恥ずかしさ、そして「ナルトは俺とそういうことをしたくないんだ」という残酷な現実が、サスケの胸を壊していきます。
サスケは今にもボロボロとこぼれ落ちそうな涙を必死に堪えてながら、夕陽に染まり、美しく輝く髪で顔を隠すようにして、消え入るような声で呟きました。
「……すまん」
それが、地獄への入り口でした。
その日を境に、サスケはナルトと少しずつ距離を取るようになりました。
同じ空間にいても、ナルトの視界に入らないように遠ざかり、ナルトの目を見ることすらできなくなってしまいました。
(別れたくない……。だが、あの時ナルトは明確に俺を拒んだ。……好きだったのは、俺だけだったのか……?)
自惚れていたのだろうか。ナルトにとって、俺は「執着の対象」であっても、「男として抱きたい恋人」ではなかったのではないか。
そう考え始めると、ネガティブな深淵がサスケをずるずると引きずり込んでいきました。
胸が引きちぎれるほど痛くて、夜も眠れない。息をするだけで喉の奥がぎゅーっと閉じて、悲鳴のような涙が溢れてくる。
「……この辛さが紛れるなら、……もう、何でもいい……っ」
最初に手を出したのは、裏通りの闇医者から手に入れた、医療用の強い鎮痛剤。いわゆる薬物でした。
ほんの軽い気持ちでした。この胸の痛みが一瞬でも消えてくれるなら、それでいいと。
しかし、それは悪魔の甘い罠でした。
白い錠剤を口に含み、喉へと流し込んだ数分後。サスケの脳内は、クラクラとした、異様な多幸感に包まれました。
ナルトに拒まれたあの冷たい目の記憶も、一族の重圧も、すべてがドロドロに溶けて消えていく。
「……あ、は……。なにも、痛まない……っ、」
飲むと気持ちよくて、辛いことがすべて忘れられる。
その快楽に一度味を占めてしまえば、あとは堕ち続けるだけ。
人間の身体は恐ろしいもので、次第にいつもの量ではこの胸の痛みが消えなくなっていきます。サスケは狂ったように、より濃いものへ、、より強いものへと薬を求めてのめり込んでいきました。
けれど、ヤクが切れた瞬間の反動は、地獄そのものでした。
薬効が薄れ、現実の意識が戻ってきた途端、忘れていたナルトへの恋しさと、拒まれた絶望、そして薬物依存に手を染めてしまった自分への嫌悪感が、一気に津波のように込み上げてくるのです。
「う、……っ、ナルト、ナルトぉ……ッ、なんで、っ……グスッ……、あ”あ”ぁ、」
暗い自室の冷たい床の上で、サスケは激しい禁断症状と孤独感にワンワンと大泣きし、震える手でまた新しい、さらに強い薬を口の中へ放り投げ、飲み込みました。
そんな最悪なループが、数週間にわたってサスケの心身をボロボロに破壊していきました。
ある激しい雨の夜。
サスケは完全に薬をオーバードーズし、脳のネジが数本トんでしまっていました。
意識はフラフラ、視界はグニャグニャ。自分がどこを歩いているのかも分からない狂乱状態のまま、身体だけが本能的に、この数週間触れられなかった世界で一番愛している男の体温を求め、トコトコと雨の中を彷徨い歩いていました。
ドンドンドン!!! と、壊れるような勢いで叩かれるドアの音に、ナルトが不審そうに玄関へ向かいました。
鍵を開けて扉を開いた、その瞬間。
「――っ、は、あ、……なると、……っ、」
視界に飛び込んできたのは、雨に濡れ、うつろな目でフラフラと、着崩れした寝巻き姿でドアの前で立っているサスケの姿でした。
サスケの呼吸は異様に荒く、その身体からは、消毒液とは違う、化学物質の独特な匂いがプンプンと漂っています。
「サ、サスケ……!? お前、何ちゅー格好してんだってばよ! どこか怪我してんのか!?」
焦るナルトの胸元に、サスケは力なく倒れ込むと、ナルトのシャツの胸元をキュウウウッと引きちぎらんばかりの力で掴み、呂律の回らない声で、恐ろしい言葉を吐き出しました。
「も、……殺して、くれ……っ。ナルト、お前の手で、俺を……今すぐ……っ、」
「な、……何言ってんだってばよサスケェ! 急に…、どうしちまったんだよ!?」
ナルトの脳はパニック状態。
サスケの様子が明らかにおかしい。瞳孔は開ききっていて、まともに焦点も合っていない。息は荒く、フラフラとしてまともに立つこともできない。
(この匂い、……このフラフラした感じ、まさか……ヤク……!? いや、サスケに限って、そんなことあるわけねぇ……ッ!)
信じたくない衝動を抑え込み、ナルトはひとまずサスケをガバッ!!!!! と力任せに抱き抱えると、寝室のベッドへと連れ込みました。
「サスケ、落ち着け! 俺の顔が分かるか!?どうしたんだってばよ!」
ナルトが必死にサスケの顔を包み込んで問い詰めると、サスケは虚空を見つめたまま、へらへらと歪な笑みを浮かべました。
「……いちばん、トべる、やつ……。こえ、だからぁ……、」
サスケが震える手でポケットから取り出したのは、あり得ないほどの大量の怪しい錠剤とカプセルでした。
「っ、……サスケ、お前、何でこんなもん……っ!!」
驚愕したのも束の間、サスケはまたしても狂ったように「殺してくれ、ナルト、お前に拒まれるくらいなら、死んだ方がマシだ……っ」と泣き叫び始めます。
ナルトは目を見開き、すぐに台所から大量の水を持ってくると、サスケの顎を掴んで無理やり水を飲ませました。
「飲め! 全部飲み干せサスケェ!! 体内の薬を薄めるんだってばよ!!」
さらにナルトは、サスケの胸元に両手を当て、必死に医療チャクラを送り込み、サスケの肝臓と腎臓の代謝を極限まで活性化させていきました。
ナルトの膨大なチャクラが、サスケの体内を駆け巡り、濁った薬毒をじわじわと中和していきます。
一時間、あるいは二時間。ナルトのチャクラのおかげでサスケの荒かった呼吸が、ようやく少しずつ落ち着きを取り戻し始めました。
「……、……あ」
サスケの瞳に、少しずつ元の黒い輝きが戻っています。
しかし、まだ頭の中は薬物が完全に抜け切っておらず、フラフラの混乱状態のままでした。
ナルトはベッドの横に座り、サスケを見つめていました。
「……なんで、こんなもん飲んでんだよ、サスケ」
低く、震えるナルトの声。サスケはパチクリと何を言っているのか分からない様子で周囲を見回しました。
「……、……ぁ、れ……? ナルト……? なんで、お前が、ここに……?」
サスケの脳は、自分がなぜナルトの家にいるのかすら理解できていません。
しかし、薬物が完全に抜けつつあるということは、同時に胸の激しい痛みが再びサスケを襲うということでした。ナルトに拒まれたあの日の絶望が、再び脳裏を蹂躙し始めます。
「……あ、……ダメだ。また、痛く、なる……っ」
恐怖に駆られたサスケは、ベッドの脇に落ちていた錠剤を咄嗟に拾い上げると、またあの多幸感に逃げ込もうと、狂ったように口の中へ放り投げました。
「やめろサスケェ!!!」
ナルトが一瞬でサスケを捉えました。
手で奪い取る時間すら惜しかった。ナルトはサスケの細い身体をガバッ!!!!! と力任せに抱き寄せると、サスケの唇に、自分の唇を全力で叩きつけました。
「――んんんッ!?!?///」
深い、深い、強引なまでのキス。
ナルトはサスケのくちびるを自分の舌でこじ開けると、サスケがまだ飲み込む前だった錠剤を自分の口内へと力任せに絡め取り、そのままベッドの横の床へとペッと激しく吐き出しました。
唇が離れた瞬間、サスケは驚きと、喜びの混じった表情でこう言いました。
「……あ、……なる、と……? 今……キス、した……のか……?///」
サスケの顔は、一瞬にしてドパッ!!! とトマトのように真っ赤に赤面。
あれほど自分を拒み、付き合っているだけだと言ったナルトが、今、自分に口づけをしてくれた。その事実だけで、サスケの脳内はヤクの快楽なんて比じゃないほどの、爆発的な幸福感で満たされていきました。
サスケは目元を涙で染め、嬉しそうな、だけど「また幻覚を見ているんじゃないか」という切なそうな、この世で一番健気な、歪な笑顔を浮かべて、ぽつりと呟きました。
「……ッ、嬉しい……、ナルト……っ」
しかし、連日の薬物のオーバードーズと、ラリって暴れたことによる肉体の疲労は、すでにサスケの身体の限界を超えていました。
嬉しいという言葉を最後に、サスケの意識はプツンと途切れ、そのままぐったりとナルトの腕の中で気絶するように眠りに落ちてしまいました。
「サスケ、サスケェ……ッ!!」
返事のないサスケを抱きしめながら、ナルトは涙目になりながら、その美しい黒髪を、大きな手で何度も、何度も、壊れ物を扱うように優しく撫で回しました。
「……ダメだろ、こんなもんに手を出したら……。死んじまったら、どうするんだってばよ、サスケェ……っ」
ナルトの胸に、激しい後悔の嵐が吹き荒れていました。
(いいのかよ……。俺なんかで……。俺みたいな、一族の復興も叶えられねぇ男のために、お前はこんなボロボロになるまで追い詰められて……っ)
完璧で、エロくて、イケメンで、完璧なうちはのエリートだったはずのサスケが。
自分の些細な一言と拒絶のせいで、薬物にまで手を出し、「殺してくれ」と泣き叫ぶほどに、自分を狂おしいほどに好いてくれていた。
そして、その極限状態の絶望の中でも、ただ一度のキスができたというだけで、消えそうなほど健気で美しい笑顔を浮かべて喜んでくれた。
サスケのその、あまりにも重く、あまりにも純粋で、壊れそうなほど健気な愛の深さを目の当たりにした瞬間、 うずまきナルトの胸の奥にあった「俺なんかじゃダメだ」という甘えと恐怖のストッパーは、完全に粉砕されて消え去りました。
(もう、うちはの復興なんて知らねぇ。サクラちゃんへの遠慮も、全部終わりだ。……俺が、俺のこの腕の中で一生、サスケを閉じ込めて甘やかして、二度とこんな涙も薬も必要ねぇくらい、愛し尽くしてやるってばよ……!!!)
ナルトの目が、覚悟の光を宿した瞬間でした。
翌朝。サスケがゆっくりと目を覚ました時、そこはもう、暗い自室の床の上でも、薬物の幻覚の中でもありませんでした。
ふかふかの布団。そして、自分の身体を骨が軋むほどの力でギューーーーッと抱きしめている、世界一愛おしい恋人の腕の中でした。
「……ん、……な、ると……っ」
サスケがまだ少し怠さの残る目でナルトを見上げた、その瞬間。
ちゅっ。ちゅ、ちゅ、ちゅぅうう……。
「ッ!?/// な、何をする、ウスラトンカチ……っ!!」
ナルトはサスケが目を覚ました瞬間に、そのおでこ、睫毛、鼻先、そして一番大好きな柔らかいくちびるへ、何度も何度も、音を立てて熱い熱いキスを浴びせました。
サスケは一瞬で顔面をドパッ!!! とトマトのように真っ赤にして、逃げようと細い脚を動かしました。
ナルトはそんなサスケの腰をガシッ!!! と力任せに掴むと、無意識にシャツの胸元をキュウウウッと、引きちぎらんばかりの強い力で掴んでくるサスケの手を、ごつごつした大きな手で握りしめ、心の底からの誓いの言葉を告げました。
「――俺のせいだよな、サスケ。お前にあんな寂しい思いをさせて、あんな酷いもんに手をつけさせたの。……本当に、ごめん」
「ナルト、それは……俺が、勝手に……っ、」
「いいや、俺のせいだってばよ。俺が、お前の一族の未来とかサクラちゃんのこととか、勝手に怖がって、お前を一人にしちまったからだ。……でも、もう二度と離さねぇ」
ナルトはサスケの耳元に顔を埋め、世界一重い愛の言葉を囁きました。
「愛してるってばよ、サスケ。お前の未来も、うちはの夢も、全部俺が代わりに背負って、お前のナカも心も、俺の愛だけで一生パンパンに満たし続けてやるってばよ!!」
「っ、うぐ、……なると、……お前、本当に、俺で……いいのか……っ、グスッ……」
サスケの目元から、今度は寂しい、孤独の涙ではなく、世界一幸せな嬉し涙がボロボロと溢れ出ました。サスケはナルトの胸元に顔をごすごすと擦り付けながら、何度も何度もナルトの名前を呼び続けました。
世界で一番愛している男の熱い体温と心臓の音を子守唄代わりに、サスケは世界一幸せな、深い深い眠りへと落ちていくのでした。
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
𝙚𝙣𝙙 .
#NARUTO
チャクラ宙返り
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性癖やばい人
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