注意書き
・えろ(ちょっとだけ)
・むいゆう
・喧嘩
・現パロ
「あ”ーー疲れた!!!!!!」
僕は学校から帰ってきた瞬間、速攻兄の
ベッドにダイブした。
今日は兄が委員会で少し帰るのが遅く
なるらしく、いつもは一緒に
帰っているが今日は僕1人で帰ってきた。
家には僕一人しかいなく、
久しぶりの1人で僕は少し浮かれていた。
兄のベッドにダイブするのは、
兄さんが居ない時だけしかできない。
僕は兄のベッドにダイブするのが
好きだ。
「……兄さんの匂いがする」
もちろん兄さんのベッドなため、
兄さんの匂いがする。僕は中でも兄さんの
毛布の匂いが大好き。いい匂いだし、
安心するし、感触がふわふわで
気持ちいい。
いっぱい嗅いで毛布を抱きしめると、
兄を抱きしめてるみたいでなんだか
興奮する。
「はぁ………」
やっぱりいい匂い。兄さんの匂いが
毛布に付いていて、 気持ちいい……。
安心する匂いでなんだか少し
眠くなってきたから、少し 仮眠することに
した。
「おい!!!──────────郎!!」
「んん…………、?」
「お前っ……なんで俺のベッドで寝てるんだよ!!どけ!!」
「……ん”〜…………」
ああ、そっかぁ。ぼく、気持ちよくて
兄のベッドで寝てたんだった。
寝てる間に兄さんが帰ってきたのか。
僕はもぞもぞと寝返りを打った。
「やだ。」
「はぁっ!?」
「だって兄さんの毛布もふもふで気持ちいい
し、兄さんの匂いがするから離れられない」
「…… なんだそれ、気持ち悪い」
「てことでぼく寝るから。」
「えっ、ちょ、待てよ!!」
「うるさいなぁ……。静かにしてよ」
「……お前なぁ、…………
……はぁっ、もういい。」
兄さんは怒ってしまい、
どんどんとわざとらしい足音を立てながら
部屋を出て行ってしまった。
でも兄さんが怒るのはいつもの事なので、
僕はあまり気にせずにそのまま
海に堕ちるように二度寝した。
しばらくして目覚めると、夜ご飯の
匂いがこちらまで漂ってきた。
僕達の両親は10歳の頃に亡くなってしまっ
たので、
夜ご飯を作ってくれるのはいつも 兄しか
いない。
今日もまた兄が夜ご飯を作ってくれて
居るのだろう。
兄は凄く厳しい人で冷たいけれど、
料理や家事に関しては器用で、
しっかり勉強もしていつもいい点数を
叩き出している。
挙句の果てに学校のある日の朝には
いつも兄が僕の事を起こしてくれている
ため、
ほぼ母さんみたいな存在だ。
そんな所に僕は惚れてしまったんだ。
さらさらしているお揃いの長い髪の毛、
綺麗な髪のグラデーション、綺麗な目、
美しいまつ毛、小さな鼻、ぷっくりで
柔らかい唇、真っ白な肌、僕より筋肉のないひょろひょろな身体、少し色気のある首筋、
キリッとしている眉。
口が悪いのに器用で、いつも僕のことを
心配してくれる過保護。照れてる所がすごく
可愛くて、甘えたくなる。
なんでも出来る兄さんだけど、少し
おっちょこちょいな所もあって、それが
凄く可愛くて可愛くて堪らない。
小さい頃からずっと背中を追い続けていて、
ずっと片思いをしている。
そう、ずっと”前”から。────────
本当の気持ちを言えないんだ。
本当の気持ちを言ってしまえば、
僕たちの絆が切れちゃう気がして、
怖くて言えない。
気持ちが膨れ上がるうちに、どんどんと
黒くどろっとした液体が僕の胸を
きつく締める。
歳を重ねる事に気が狂いそうになる。
兄さんは僕の事、どう思ってるんだろう。
本当の気持ちが知りたい。
兄弟としか思ってないのかな。
それとも…………
「無一郎!!!!ご飯!!!」
急に兄の声が聞こえたのでやっと現実の世界に
戻された僕ははっとした。
「はーい!!!今行くー!!」
階段を急いで降りると兄さんが
もう席に座っていた。
「早く座れ。飯が覚めるだろ」
「……うん、そうだね。ありがとう兄さん」
僕達は一緒にお手手を合わせ、いただきますの挨拶をした。
今日の夜ご飯は、ご飯、肉じゃが、サラダ、それから、僕の大好きなふろふき大根だった。
「わぁっ!ふろふき大根だ!!!」
「たまにはいいだろ」
ご飯を食べ進めながら僕達は何気ない
会話を進める。
「えへ、ありがとう兄さん。……あ、
そうだ。さっき、 兄さんのベッドで
寝ちゃってごめんね……、」
「……寂しかったのかよ?」
「……え?」
「お前が俺のベッドで寝てる時、
ダンゴムシみたいに丸まりながら
寝てたから。ほら、お前いつもはあんなに
丸まって寝ないだろ」
「……え、?あ……うん。そうだね」
いきなり兄さんから意外な言葉が出たので
箸が止まった。
……寂しいっちゃ言えば寂しい。だって、
数年前兄から、もう俺たちは子供じゃない
から別々の ベッドで寝るぞって
言われたんだもん。
その時、部屋も別々にしようって
言われたけど、どうしてもいやで
泣きながら止めたらさすがの兄も
やめてくれたけど。
「……寂しいけど、それとこれとは
話は別だよ。なんて言えばいいのかなあ…。
兄さんの匂いってこう、 すごく安心
するんだよね。だから、兄の毛布で
丸まっていると凄く安心するの。
抱きつかれてるみたいでね……、
昔みたいに戻ったみたいなんだ」
「……でももうやめろよ」
「えーー!!」
「えーじゃない!!そもそもお前、
俺が帰ってきた時、また制服脱ぎっぱなし
にしただろ!! やる事やってから寝ろ!」
「んもー、兄さん細すぎるよ!!
僕みたいに楽して生きてけばいいのに」
「俺はお前みたいなだらけものには
なりたくない」
「もー!!ひどい兄さん!」
「おまっ………なんで俺の言ってる
ことが分からないんだよ」
「だって兄さんがだらけものって言うから……!」
「ホントの事を言っただけだ!!」
「…………、もう知らない!!」
「勝手にしろ!!俺はもうお前とは
口を聞かないからな」
「……あぁいいよ!!もう僕知らないから。
風呂入ってくる!!」
「勝手にいけよ!!」
僕はご飯を急いで食べ終え、
イライラ しながらお風呂に移動した。
服を脱ぎ、洗濯機に服を入れると
僕は髪をお団子に結んでからお風呂に
入浴した。
────────────ぽちゃん
僕がお風呂に入る音だけが響き渡る。
“なんで俺の言ってることが分からないんだ”
なんて……。しょうがないじゃないか。
僕は直ぐに忘れちゃう性格だから、
治そうとしてもなかなか直せない。
だから僕はいつも兄さんのことを
怒らせてしまう。
自分が悪いって わかってる。でも、
頭に血が上ってしまうと
言い返したくなってしまう。
僕が忘れん坊なのも、きっと僕が前世で
記憶障害だったことが関係してるんだろう。
僕と兄さんには前世の記憶がある。
6歳の頃にいきなり思い出して、
2人とも記憶があるとわかった瞬間
抱きつきながら泣いた思い出がある。
兄さんは忘れん坊じゃないから、
言われた事はしっかりできるタイプだ。
羨ましいなぁ。
僕だって兄さんになりたい。
周りからは全く同じだって言われてるけど、
僕と兄さんは全くの別人。
…………あんなこと、言わなければ
良かったなぁ。
兄さんに口を聞かないって 言われちゃった 。
もしかして僕、 嫌われちゃったのかな。
どうして僕、あんな事言っちゃった んだろう。
このまま喧嘩したままだと、また前世
みたいになってしまう気がする。
喧嘩したまま終わりたくない。
もう二度とあんな想いはしたくないんだ 。
謝ろうと決意し、僕はお風呂から上がった。
体を拭き服を着たあと、
リビングに兄は 居ると思いリビングに
移動したが、兄の様子が見当たらない。
もしや子ども部屋に居るのかもしれない。
僕は部屋に移動した。
ゆっくりと扉を開けると、案の定そこには
勉強に励んでいる兄が居た。
ああ、そうか。そういえばテストが
近いんだった。
でもそんな事思ってる場合じゃない。
仲直りしなければ。
「ねぇ、にいさ──────」
「話しかけるな。お前とは 口を聞かない」
「…………っ、」
「分かったらさっさとあっち行けよ”無能”」
兄さんは僕の顔を見て、ゴミを見るかのような目で睨んだ。
その瞬間、心臓がズキっと痛む。
痛い。どうしよう、嫌われちゃった。
でも、ここで立ち止まったら前世と同じ
様に、一生仲直りできないままな気がした。
でも、なんて言葉をかけたらいいのか
分からない。
僕は棒立ちのまま何も言えずにいた。
「……… はぁ。まだ分からないのか。
いいからさっさとあっち行けよ。 邪魔。 」
「…また僕を置いていくの?」
咄嗟に口からこぼれた。
僕の瞳はしょっぱい水で前が
見えなくなってしまった。
「 もういやだよ、 ひとりにしないで、
置いていかないでよ…
ぼく、前世で記憶障害だったから、
多分今もまだ引き継がれてるせいで
すぐ忘れちゃうの。 だから、
治そうとしても直せないんだ。ごめんね。
僕もっとがんばるから、だから、だから、」
その瞬間、兄さんは僕を抱きしめた。
「…にいさん?」
「…ごめん。俺が悪かった。
そうだよな、お前、記憶障害だった
もんな、」
「…!ううん、兄さんは悪くないよ。
悪いのは僕なの。僕が昔、記憶障害に
なったせいで、今でも兄さんに
迷惑をかけちゃうから、」
「……記憶障害になったのは俺が 死んだ
からだろ。」
「でも、」
「………もうこの話はやめよう。
お互い前世の事なんか思い出したくない
だろ。それと、もう口を聞かないなんて
言わない。」
「……約束だよ??」
「…ああ、」
「えへへ、仲直りだね兄さん。」
僕達はその日の夜、久しぶりに
2人で一緒のベッドで寝た。
そして、次の日の昼間。
僕は いつも学校でご飯を食べる時、
兄さんと 一緒に食べているから、
今日も兄さんと いつもの屋上で
食べようとしたのだが…。
何故かいつもなら先にいる兄さんが
見当たらない。
兄が僕より先に来ないなんて珍しい。
何か委員会の仕事が残っているのだろうか?
少しの間僕は兄さんのことを
待つことにした。
「すまん!!遅れた!!!」
走ってきたのか、兄さんは息を切らしながら
屋上にやってきた。
「あ、兄さん。今日は遅かったね?」
「……ああ、悪い」
「何かあったの?」
「また女子から呼び出されたんだよ」
「また!?今月でもう五回目だよ。
どんだけモテるの兄さん……。」
「そんなの俺が聞きたい。」
「……一応聞くけど、断ったの?」
「当たり前だろ。」
「…ふふ、そっかぁ。」
兄さんは人付き合いが苦手だ。
なのに 女子からモテる。
その理由は、頭もいいし 成績も優秀で、
顔も良くて、 何より将棋でテレビに
出ているからだ。
本人はその理由でモテることに
気づいて いないらしいけど。
「なんか嬉しそうだな?」
「んー?へへ、そうかなぁ」
「お前はその……彼女とか作らないのか?」
「はぁ!?絶対作らないし嫌だね。」
「なんでだ?」
「………それは、」
兄さんが好きだから、なんて
言えるわけない。
「………なぁ、もしかしてお前、」
「なっ、なに…!!」
「もしかして、お前俺の事、……
す────────────」
兄が何か言いかけた瞬間、
学校のチャイムが鳴り響いた。
「あ…」
「……時間だ。さっさと行くぞ」
「え、あ、うん…。」
僕は授業中でもさっきの兄さんの言葉が
気になって仕方なかった。
兄さんは何を言いかけたのだろう…?
もしかして、もしかしてだけど…、
僕の気持ちバレちゃった のかな、?
だとしたら、僕は嫌われちゃったのかも
しれない。
まぁ当たり前か。僕達血繋がってるし。
弟だし、双子だし。こんな感情持たれたら
嫌に決まってる。
授業が終わり、放課後になった頃。
僕はいつものように兄さんと帰った。
でも、さっきの出来事のせいで
なかなか会話が進まなくて気まずい
雰囲気になってしまった。
こうなったらもう言うしかないのかな。
なんて言ったのか気になるし。
「……ねぇ、兄さん」
「…なんだ」
「……あ、あのさ、さっきの事なんだけど…
兄さん、何言いかけたの?」
「………─────────か?って聞いた」
「……ごめん、なんて?」
「だからっ…!もしかして俺の事
好きなのかって言ったんだよ…!!」
ああ、やっぱり。なんとなくそうだとは
思っていた。
僕はもう逃げない。ちゃんと気持ちを
伝えてスッキリするんだ。
きっとフラれるけど、気持ちを伝えない
よりかはマシだと思うから。
「……うん、そうだよ。僕は、兄さんの
事がすきなの。だいすき。ずっと、ずっと
大好きで堪らなかった。
でも、こんなこと言ったらきっと
兄さんに嫌われちゃうと思って今まで
その気持ちを無視してきた。
……でももう 僕はもう逃げない。
隠すのも辛くなってきたんだ。
もちろん、兄さんに振られるのは
分かってる。
わかってるんだ。でも、それでも、
期待しちゃうの。それが嫌でたまらない。
だから、僕は兄さんの気持ちが知りたい。
振ってもいい。だから、兄さんの気持ちを
教えて。」
「……すきだよ」
「え?」
予想以外の言葉に僕は固まった。
兄さんは今なんて言ったの?
聞き間違いかもしれない。
「…だから、俺もお前のことがすき
なんだよ!!!好きで好きで
たまらないんだ!ちくしょう、!
でも俺たちは双子で兄弟なんだよ。
亡くなった両親や周りになんて言われるのか
分からない!!
それでも俺なんかでいいのかよ…!
しかも俺、 お前のこと考えながら いつも
深夜トイレで 抜いてるんだよ!!
こんな奴気持ち悪いだろ…!
それでもお前は俺のこと好きなのかよ!」
衝撃の事実が僕の心を震わせる。
嘘……。兄さん、僕で抜いてたの?
しかも、兄さんも僕のこと
大好きで大好きでたまらなかったの?
うれしい、うれしいよ。
「……いいよ。それでも僕は兄さんが
好きなんだ。
僕 は周りの人に 何を言われようが
兄さんのことが大好き だし、
絶対に離れるつもりは無い。
兄さんもそうでしょ……??
兄さんになら僕のすべてをあげる。」
「……むいちろ、ぉ、」
兄さんは涙目だった。
兄さんも ずっと溜め込んでたんだ 。
きっと兄さんも、 もし本当の気持ちを
伝えたら嫌われるかも しれないって、
思ってたんだ。
僕は優しく受け止めるようなやさしい手で
兄さんの手を取った。
「僕と付き合って。兄さん」
「……ああ、」
兄さんはこくんと頷いた。
やっと、やっと僕だけのものになった。
うれしい、うれしい、好きだよ兄さん。
だいすき。すき。愛してる。
可愛い。僕だけの兄さん。
我慢できなくて僕はそっと兄さんに
キスをした。
「っ、…!ばかっ、 人にこんな所
見られたら… んん、」
大丈夫。ここは人も居ないし
僕と兄さんだけだから。
僕はゆっくりと舌を入れて
くちゅくちゅといやらしい音を立てた。
「んぁっ…むいちろっ……っ、やぁっ…」
だめだ、理性が壊れる。兄さん可愛い、
僕の名前を呼んでくれてる。
頭の中が僕でいっぱいになってくれてる。
ああ、かわいい。可愛いよ。
だいすき。兄さんの甘い声が
可愛くてたまらない。
もっと聞かせて、兄さん、
「あぅ…んん、むいち、っ…」
息ができないのか、兄さんは僕の肩を
叩いた。ちょっと可哀想なので、僕は
仕方なくキスを辞めた。
「はぁっ…はぁ…。ばっ、ばか!!
人に見られたらどうするつもりだ、! 」
どうしよう、全く怖くない。
顔が赤くて涙目だし、もはや可愛い。
「…んへ……、でも、人居ないよ?」
「そういう問題じゃっ…!!!」
「続きはまた帰ってからして あげるから。 ね、有一郎?」
「…ッ~〜ー!!、もういい、!早く
帰るぞ!!!」
「え〜っ、兄さん照れてる?かわいい」
「うるさい!!!!」
付き合った日の次の日、炭治郎に匂いで
すぐバレたのはまた別のお話。
コメント
2件
わぁぁ、最高すぎます… 主様の小説もっと見たいです!!💖
おぉ✨さすが炭治郎! 匂いで全部分かっちゃうのかぁ····