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#うちはイタチ
琴葉つきね
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読み終えたよ〜第4話🌙 アカネちゃんのまっすぐな復讐心と、ミズキのクールな態度の対比がすごく好き。でもミズキsideで「毒が移ります」って言い放ってるとこ、クスッときた笑 マキナの「結婚してください」ループもシズクの「食べちゃいたい」も、もう癖になるカオス感✨ 彼岸の影が少しずつ見えてきて、次は風の国での激突か…楽しみにしてるね!
「アカネさん、歩幅が大きすぎます。僕のチャクラ糸が絡まってしまう……あと、今日も最高にかわいいですね。結婚してください」
「うるさい! 黙って歩けないの、マキナ!?」
宿場町を出てから数日。私たちは、火の国でもそこそこ大きな交易都市の入り口に立っていた。
「へえ、ここが『宿場街・三条』かぁ〜♡ 人がいっぱいいて、いろんな生活音が混ざり合ってるねぇ。あっちの市場の喧騒とか、もう最高……食べちゃいたい♡」
「シズク、頼むから街中でその顔とセリフをやめて。通報されるから」
呆れ顔で溜息をつく私だけど、内心は心臓がバクバク言っていた。
たつまきの里しか知らなかった私にとって、押し寄せる人の波、立ち並ぶ店、美味しそうな匂いはあまりにも刺激が強すぎる。原作の知識なんて当然ないから、この世界にこんな賑やかな場所があるなんて知りもしなかった。
だけど、浮かれてなんていられない。私たちがここへ来た目的はひとつだ。
「彼岸の情報……本当にこんな街で手に入るの?」
「入るよ〜♡ 抜け忍や闇の忍びが集まる裏取引所は、だいたいこういう賑やかな街の陰にあるものだからねぇ」
シズクが慣れた手つきで怪しい路地裏へと足を進める。
マキナは私の斜め後ろにぴったりと張り付き、死んだような目で周囲の忍たちを牽制していた。根暗で昼行灯のくせに、こういう時の気配察知だけは無駄に鋭い。
「……アカネさん、右手奥の茶屋。刺さるような視線が3つ。気を付けて……僕の体に隠れていいですよ(ボソッ)」
「隠れられるわけないでしょ、マキナの方がモヤシなんだから!」
突っぱねつつも、私は右手側の茶屋に視線をやった。
そこにいたのは——黒い旅装束に身を包んだ、異様な雰囲気の三人組。
「……チッ、あいつら」
私の胸の奥がドクンと跳ねた。
あのチャクラの濁り方、ただの街の忍じゃない。
「あら〜? アカネちゃん、知り合い?……ううん、違うね。あの音……怒りと恐怖で脈拍が跳ね上がってる。彼岸の『手下』かい?」
シズクが妖しく目を細め、腰の笛にそっと指をかける。
茶屋の男たちが立ち上がり、私たちを包囲するように距離を詰めてきた。手には毒を塗った苦無。
「たつまきの一族の生き残り……カムラ様が探しておられる『素体』か」
「運が良い。こんな街中で出会うとはな」
(カムラ……あの一番キモい陰キャの男……!)
父ちゃんを傷つけ、里を荒らした奴の名前を聞いた瞬間、私の視界がカッと熱くなった。チャクラが頭に上り、背中のあたりがうずく。竜人化の兆候だ。
「ここで会ったが百年目! あんたらを引っ捕まえて、カムラの居場所を吐かせてやる!」
「待ちなさい、愚か者」
私が苦無を構えて飛び出そうとした瞬間——
サッ!!
上空から舞い降りた白と紺の影が、私と敵の間に割り込んだ。
鮮やかな身のこなし。背中に刻まれた丸い紋章。
そして……あの、嫌になるほど綺麗な、澄み切った淡い紫の瞳。
「な……ミズキ!?」
「また会いましたね、野蛮な風使い。相変わらず猪突猛進で、周りが見えていないようだ」
日向ミズキだった。
木ノ葉の正規の忍服を纏った彼は、相変わらず上から目線で私を見下ろすと、スッと構えを取った。
「な、なんであんたがここに……!」
「彼岸の動向を追うのは木ノ葉の公式任務です。あなたたちのような素人が首を突っ込む現場ではありません。……それと、後ろの二人は?」
ミズキの「白眼」が、私の後ろにいるマキナとシズクを捉える。
「……ひっ! なんですかあの目……チャクラの経絡が丸見えだ……気持ち悪い……アカネさん、あいつ嫌いです。僕たちの愛の邪魔をしないでほしい……」
「おやぁ〜? 木ノ葉の名門・日向の白眼かい? ふふっ、静かで硬質で、実に洗練されたチャクラの音……いいねぇ、ゾクゾクする。食べちゃいたい♡」
「……何なのですか、あなたの仲間の怪しい男たちは」
ミズキが露骨に嫌そうな顔をして一歩引き下がった。まあ、そうなるよね。私だって最初は引いたもん。
「仲間じゃない! 勝手についてきただけ!」
「ひどい、アカネさん……僕たちはもう愛の逃避行をしているはずなのに……」
「会話になっていませんね。……とにかく、手下の処理が先です」
ミズキが地面を蹴る。無駄のない、洗練された「柔拳」の足さばき。
「八卦・三十二掌!!」
「グハッ……!?」
一瞬で敵の点穴を突いて撃破していくミズキ。流石は木ノ葉のエリート、やっぱり強い。
でも、負けていられない!
「マキナ! シズク! 逃がすな!」
「……はぁ、面倒くさいけど……アカネさんの頼みなら……」
「はーい♡ 逃げ惑う悲鳴のハーモニーを聞かせておくれぇ!」
マキナの指先から伸びたチャクラ糸が、逃げようとした男の足首を絡め取り、シズクの吹く笛の高周波が相手の脳を揺さぶって昏倒させる。
ほんの数分で、カムラの手下たちは全滅した。
「……ふん。口ほどにもない」
ミズキが苦無を収め、私に向き直る。
「アカネ。彼岸の幹部——カムラやテッサたちは、この先の『風の国』との国境付近に潜伏しているという情報が入っています。……ですが、行くのはやめなさい。今のあなたの荒削りな力では、また返り討ちに遭うだけだ」
「なっ……! 黙って聞いてれば、上から目線で言いたい放題言っちゃって!」
私はミズキの胸倉を掴まんばかりに詰め寄った。
「私には、この二人もいる! たつまきの里の風を甘く見ないでよ! 私は絶対にあいつらをぶっ潰して、父ちゃんたちの無念を晴らすんだから!」
「……頑固な奴だ」
ミズキはフッとため息をつくと、冷たい、けれどどこか挑戦的な笑みを浮かべた。
「ならば、せいぜい足を引っ張らないことですね。彼岸を倒すのは、木ノ葉の……僕の役目です。……次に出会う時、あなたがどれほどマシになっているか、見極めてあげます」
シュッと風を切って、ミズキは屋根の上へと飛び去っていった。
「なによアイツ! 相変わらずムカつく〜〜っ!!」
キーキー怒る私に、マキナがそっと寄り添ってくる。
「アカネさん、あんな気取った白眼野郎の言うことなんて気にしなくていいです。……僕が、僕の傀儡でアカネさんを守りますから。だから、僕と結婚して……」
「だから話が飛躍しすぎだって言ってるでしょ! 提案は却下!」
「うふふ♡ 風の国かぁ〜。砂漠に吹き荒れる風の音、そしてあのイケメン(ミズキ)との激突……うーん、旅が面白くなってきたねぇ♡」
シズクが怪しく微笑む。
木ノ葉のエリート・ミズキとの再会、そして見えてきた「彼岸」の影。
私は髪をギュッと結び直し、風の吹く西の空を見つめた。
「待ってなさいよ、カムラ、テッサ……! たつまきアカネが、全員吹き飛ばしてやるんだから!」
荒削りな風と、重すぎる愛と、変態の旋律を乗せて——私たちの旅は、さらなる激闘の地へと続いていく。
Side:日向ミズキ ——
「ミズキ! 立ち止まるな、青春の熱が冷めてしまうぞ! 今日も全身全霊の……情熱!!」
「うるさいですよ、ロイス。あなたのその無駄な大声で周囲の鳥が一斉に飛び立ちました。足跡を隠す気があるのですか」
木ノ葉隠れの里から火の国国境へ向かう街道。
僕——日向(ひゅうが)ミズキは、こめかみを指で押さえながら深くため息をついた。
僕に与えられた任務は、抜け忍集団「彼岸」の調査と抹殺。
そして、その小隊員として配属されたのが、目の前で無駄にハイテンションな男と、大きな巻物を愛おしそうに抱える少女だった。
「まあまあミズキ、ロイスの情熱はいつものことじゃない♪ それより見てよこれ! テンテンと一緒に開発した新型の特注爆風苦無! この刃の反りとチャクラ伝導率の美しさ……あぁ、もう撫で回したい!」
「アイネ、忍具に頬擦りするのはやめなさい。油と鉄の匂いが鼻につきます」
カール・ロイス。
あのマイト・ガイ先輩の遠縁にあたるという男で、ガイ先輩譲りの「八門遁甲」をすでに第六・景門まで開けられる規格外の体術使いだ。……それだけなら頼もしいのだが、あろうことか彼は「体術の鋭さを増すための精密な幻術」のスペシャリストでもある。熱血な言動とは裏腹に、戦い方は嫌になるほどトリッキーで計算高い。
そして、アイネ・チェン。
テンテンの親友であり、忍具への異常な愛を持つ忍具オタク。彼女の持つ無数の巻物からは、戦況に応じたあらゆる大量破壊兵器(忍具)が飛び出してくる。
二人とも実力は本物だ。だが、日向の名門として洗練と冷静を叩き込まれてきた僕にとって、この二人の「過剰な熱量」は頭痛の種でしかない。
「ミズキ、前方に複数のチャクラ反応。……ふむ、動きが鈍いな。誰かと交戦した直後か?」
ロイスがスッと目を細め、一瞬で熱血の表情から「忍者」の顔へと切り替わる。そのギャップだけは認めざるを得ない。
「ええ。『白眼』」
視界が白黒に反転し、経絡系とチャクラの流れが透けて見える。
前方、交易都市の裏路地に潜む三人組——「彼岸」の手下たちだ。だが、その手下たちに向かって、恐ろしいほどの速度で突進していく異質なチャクラの光が見えた。
「な……なんだ、あの暴力的で不格好なチャクラは……!?」
体内のチャクラが、洗練とは程遠い「龍」の形をして狂暴にうねっている。
「……あの野蛮な風使いですか」
記憶にある。火の国の辺境——たつまきの里で出会った、たつまきアカネ。
名もないマイナー一族のガキのくせに、「竜人化」などという身を喰らう不完全な秘術を纏い、無茶苦茶な戦い方をする少女だ。
「どうしたミズキ? 何が見える! 新種の珍しい忍具でも落ちてる!?」
「違います、アイネ。……ただの猪突猛進な野蛮人が、無謀にも彼岸の手下に突っ込もうとしているだけです。行きますよ」
「了解だ! 僕の『情熱の幻術』で敵の視界を狂わせ、体術で叩き潰す!」
「私も行くよ! 新型苦無の実戦テストだー!」
僕は二人を従え、上空から惨状へと舞い降りた。
アカネの前に割り込み、柔拳の一撃で手下を一人突き伏せる。
相変わらず、彼女の戦い方は泥臭く、無駄だらけだった。
(チャクラの制御がまるでできていない……。あんな風の纏い方をしていれば、命が幾つあっても足りない)
「ミズキ! 援護するぞ! 情熱・花鳥風月の舞(かちょうふうげつのまい)!!」
ロイスが印を結んだ瞬間、敵の周りの空間が歪み、ありもしない巨大な炎の鳥が敵の精神を焼き穿つ幻術が発動する。敵が幻覚に惑わされた隙に、ロイスは景門を開くこともなく、一瞬で敵の懐へ踏み込んで首骨を砕いた。熱血な見た目に反して、なんて陰湿で隙のない連携か。
「そっちに行ったよ! 口寄せ・忍具百花繚乱!!」
アイネが巨大な巻物を広げると、空中に数百の苦無と千本が雨のように降り注ぎ、逃げようとした手下たちの退路を完全に塞ぐ。
ほんの数分で、戦闘は終わった。
「ふう……情熱的な汗をかいたな!」
「う〜ん、やっぱりこの爆発の威力、もう少し火薬の配分を変えた方がいいかなぁ……」
二人とも呆気ない勝利に満足そうだが、僕の視線はアカネ……そして、彼女の後ろに控える「怪しすぎる二人」に注がれていた。
(あいつらは……何なのですか?)
死んだような目で「僕と結婚してください」とボソボソ呟く根暗な傀儡師(からくりマキナ)。
銀髪をなびかせながら「ゾクゾクするねぇ……食べちゃいたい♡」と僕の白眼を見て怪しく微笑む変態音響使い(響シズク)。
(……不快だ。あまりにも不快すぎる)
アカネ自身も大概だが、彼女が連れている仲間も輪をかけて正気ではない。
白眼で探るまでもなく、あの空間だけ異様なカオスに満ちていた。
「おいおいミズキ、あっちの女の子……いい度胸してるじゃないか! あの真っ赤な髪、全身から溢れ出る野生の……**情熱!!** 素晴らしい! 彼女、僕の弟子にしたいぞ!」
「ねえねえ、あの男の子が持ってる傀儡人形、仕掛けがすごく特殊じゃない!? ちょっと分解させてくれないかなぁ!?」
ロイスとアイネが興味津々でアカネたちに近づこうとするのを、僕は手で制した。
「やめなさい、二人とも。毒が移ります」
僕はアカネに向き直り、意図的に冷酷な言葉を投げかけた。
「彼岸の幹部——カムラやテッサたちは、この先の『風の国』との国境付近に潜伏しているという情報が入っています。……ですが、行くのはやめなさい。今のあなたの荒削りな力では、また返り討ちに遭うだけだ」
「なっ……! 黙って聞いてれば、上から目線で言いたい放題言っちゃって!」
予想通り、彼女は顔を真っ赤にして噛みついてきた。
「私にはこの二人もいる!」「父ちゃんたちの無念を晴らす!」と、相変わらず感情のままに叫んでいる。
(……愚かな)
怒りや憎しみだけで勝てるほど、忍の世界は甘くない。
あの「竜人化」の力は本物だ。だが、今のままでは力を使いこなす前に、彼女自身の体が破滅する。
日向の白眼は、彼女の体内でチャクラが悲鳴を上げているのを見逃さなかった。
「……頑固な奴だ」
僕はため息をつき、背を向けた。
「ならば、せいぜい足を引っ張らないことですね。彼岸を倒すのは、木ノ葉の……僕の役目です。……次に出会う時、あなたがどれほどマシになっているか、見極めてあげます」
「言ったな! 次会った時は、その澄ました顔、私の風でぐちゃぐちゃにしてやるからね!!」
背中に届くキャンキャンと吠えるような声を無視して、僕は屋根の上へと跳んだ。
「待ってよミズキ〜! あの忍具オタク……じゃなくて傀儡師の子と話したかったのに!」
「フッ、素晴らしいライバル関係だなミズキ! 互いを高め合う青き情熱を感じるぞ!」
後ろからついてくる暑苦しい二人の声を聞き流しながら、僕は風の国の方向——薄暗い雲が広がる西の空を見つめた。
(たつまきアカネ……。次に会う時まで生きていなさい。あなたのその汚く荒削りな風……僕の柔拳で、叩き潰してあげますから)
木ノ葉のエリートとしての誇りと、密かな対抗心を胸に抱き、僕たち「日向小隊」は暗雲立ち込める決戦の地へと駆け出した。