コメント
4件
なんだろか。一気に語彙力なくなりました。 楽しみです!(*/□\*)♡
はっ…これはセクシーな彼ら…! 新しい扉開いちゃいそうです😳
F:「」
K:『』
※登場人物および物語は全てフィクションです。
K side
「…どうする?」
街灯に照らされた道を歩きながらキミがふいに口を開く。
いつだってそう、こういう時キミは決定打を打たない。
『どうしたい?』
「どうしたいって…まあ、それは…」
俺の右頬に触れる手と、視線の先は唇。
『ふふっ』
「何笑ってんの」
『だって顔に書いてある』
「分かりやす過ぎた?」
少しおどけた表情でするりと手が逃げていく。
「お前とならこういうの、楽しいからさ」
『…ずるい人』
キミと数え切れないほどの駆け引きをしてきたけれど、本音は口に出さないのが俺たちの掟。
俺がキミを好きなことくらい、キミはとっくに知っていて。
キミが俺を好きなことくらい、俺はとっくに知っている。
『じゃあこうしよう、次にあそこの信号が赤に変わる前に俺たちが渡り切れたら…今夜は一緒にいよう』
俺の提案を気に入ったのか、それともその逆か、キミは大きな口を開けて笑った。
「いいじゃん、ほら」
差し出された左手を咄嗟に掴むとキミは全速力で走り出す。
「あっはははは」
『あーしんどい!』
点滅する信号が、まもなく俺たちの背中を赤く照らした。
「手、このままでいいのかよ」
『いいじゃん、別に』
「撮られても知らねーからな」
『どうせなら美しく撮ってほしいな』
クルリとターンをしてみる。
「舞踏会帰りですか?」
『お姫様を持ち帰ってきてしまって、悪かったかな』
「あ、俺がお姫様なんだ」
『もしかして狼?』
「そりゃー、お楽しみだよ」
今日はきっと、特別な夜になる。
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