〜side赤城〜
今日もカフェは忙しい
マスターが言ってた通り、客数が増えたのだろう
まぁそれは喜ばしい事だ
忙しい時間が過ぎ店内のお客様がまばらになった頃、この店には似つかわしくない‥‥‥と言っては失礼か?
そんな男性2人が入店して来た
席に着くとやたらと辺りを見回している
その2人組の注文を取り、コーヒーを席に運んだ
俺はその2人が気になりつつも、帰ったばかりの席の片付けをする
その時奥で仕事をしていたロウがフロアに戻って来た
同時に奥のお客様からオーダーが入る
俺が片付けしたものを置いて行こうとするとロウが肩を叩く
「いいよ、俺が行く」
「サンキュー」
通路を進み、あの2人組の脇を通る
「あ、ごめんね、ぶつかっちゃった。大丈夫?」
「いえ、大丈夫‥‥です」
今の‥‥
絶対わざとだろ⁈
ロウが通る時、手を出して腰‥‥ってか、ケツ触らなかったか?
もしかしてロウの事探してたのか?
でもなんで‥‥コイツら来たの初めてだよな‥‥
「ウェン君、3番様にコーヒーお願いね」
「あ、はい‥‥」
マスターに言われて慌てて仕事に戻る
ロウがこちらに戻ってくると、奥のテーブルのお客様が頼んだケーキをお盆に乗せ、またあちらへと歩いて行く
ケーキを渡して戻ってくる時、またあの男たちに声をかけられる
「ねぇ、お兄ちゃん何歳?」
「17です‥‥」
「もっと良いバイト教えてあげるからLINEかインスタのDM交換しようよ」
「え?‥‥いや‥‥‥‥」
もう我慢できない!
俺がカウンターから出てロウの所に行こうとした
しかし急に肩を掴まれて止められてしまう
隣を見るとマスターが俺に目配せをしていた
「おーい新入り!何してる?アレもってきたのか?」
「‥‥はい、すいません。戻ります」
ロウは男達にぺこりと頭を下げて、急足でカウンターへ戻って来た
「マスターすいません。俺何か頼まれてましたっけ?」
「いや、そうじゃない。小柳君は少しバックに居るといいよ」
「あ、分かりました。ありがとうございます」
ロウがそう言ってバックに戻る時、心配そうに見ていた俺の腕をポンポンと叩いて行った
きっと心配するなと言いたいんだろう
さっきの客はまた辺りをキョロキョロしている
マスターが俺の脇腹を肘で小突く
「あんまりあいつらをもう見るなよ」
「へ?」
「無視しろ」
「でもまだロウを探して‥‥」
「ヤンチャそうな奴らだから何言ってくるかわからない。だから無視だ。小柳君はアイツらが帰るまで出させないから、その分ウェン君と俺が頑張ろう」
「はい!分かりました。‥‥ってかなんでさっきロウの事、新入りって呼んでたんですか?」
「アイツらに個人情報教えたくないだろ?」
「そう言う事か。急にガテン系になったのかと思っちゃった」
マスターと笑い合いながらその後の仕事を2人でこなした
意外としつこく残っていた2人も諦めて席を立った
「325円のお返しになります」
「あのさ、もう1人いた男の子ってもう帰ったの?」
コイツらマジで‥‥
どんだけしつこいんだよ
「はい。あの後すぐに帰りましたよ」
「‥‥‥‥チッ」
舌打ちしたいのはこちらですけど⁈
とんでもない虫がロウに付いちまった
次にまた来ても絶対に合わせてやらないんだからな!
.
コメント
2件
こや に虫着くのはやだ!!kpニキ頑張って!!