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蘭丸「ねぇ道満、見た? 笑ったよ、ちゃんと笑った!」
道満「……見りゃ分かる。いちいち報告すんな」
蘭丸「もう、素直じゃないなぁ〜。ほんとは可愛いと思ってるくせに」
道満「思ってねぇ」
晴明『あ、あの……ありがとうございます……僕、こんなに優しくされたの初めてで……』
蘭丸「えっ、初めて?じゃあ僕らが一番最初ってことだね!やった〜」
道満「喜ぶな。まだコイツが信用できるか分かんねぇだろ」
蘭丸「またそういうこと言う〜。あっちゃん晴明と同じ顔してるからって、構え過ぎだよ」
道満「……似てる、だけだ」
晴明『あの……僕、その“晴明さん”って方に似てるって、そんなに似てますか?』
蘭丸「そうだね〜。ぱっと見、瓜二つだよ。性格は全然違うけど」
晴明『そうなんですか……どんな人なんですか?その、晴明さんって』
蘭丸「天才でね、いつも冷静で、なんでも一人で出来ちゃうタイプ。道満のライバルでもあるんだ」
道満「ライバルじゃねぇ。アイツは俺が勝つまで“敵”だ」
蘭丸「はいはい、また始まった。ねぇ晴明君、気にしないでね?この子、勝手に燃えるタイプだから」
晴明『ふふっ……』
道満「……お前まで笑うな」
晴明『す、すみません!』
道満「別に怒っちゃいねぇ」
(――その口調とは裏腹に、少しだけ視線を逸らした。頬の端がわずかに緩んでいたのを、晴明は見逃さなかった)
蘭丸「よーし、じゃあ今日から君はこの屋敷で僕たちと暮らすことになるからね! 部屋はどうしよっか〜」
道満「空いてる部屋なら西棟にある。けど……掃除してねぇから汚ぇんだよな」
蘭丸「んー……そうだね……うーん……あ、いいこと思いついた!」
晴明『え?』
蘭丸「今日だけ、僕の部屋で寝なよ。怖いでしょ? 初めての場所だし」
晴明『えっ、そ、そんな、悪いです……!』
蘭丸「いいのいいの!ねぇあっちゃんもそう思うでしょ?」
道満「俺に振るな。勝手にしろ」
蘭丸「ふふ、ありがと。……じゃあ決まりね!」
(蘭丸の無邪気な笑顔に、晴明の胸が少しだけ温かくなった。)
――この屋敷での暮らしが、どんなものになるのか。
まだ何も知らないまま、晴明はそっと蘭丸の後をついていった。
コメント
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おしゃーーーーーー! ♪───O(≧∇≦)O────♪
待ってましたぁぁぁぁぁぁ!!!! いや、今日結構投稿してくれてたけど!!まぁあおちゃんの小説は全部最高なんだけどね💕💕