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コメント
3件
めっちゃ好きなストーリーでした!! いつも投稿頻度高くてビックリしてます🫠 これからも応援してます‼️
よろしければコメントお願いします。
あぁ。
こんなことなら。
もっと早く辞めておくべきだった。
お前を失って、 職を失って。
もう、 日の当たる場所なんて歩けないのに。
同期 今回のペアも成績1位は桃青だと
同期 俺らは追いつくとかの次元じゃねぇよ
桃 今回も1位だったって。
青 別に興味ない。
桃 そんなの俺もだよ。
でも一応報告は大事じゃん?
青 まぁせやな。
今回もありがとう。
次回もよろしくな。
桃 えー珍しい。
感謝してくれるなんて。
青 そんな冷たい人間やないし。
それに…まあ。
仕事以外でも、世話になってるし。
そんなことを言いながら顔を赤らめていく
俺の仕事のペアであり恋人の青。
初めて会ったときは…
桃 初めまして。
桃です。
青 青。
仕事以外で関わってこんといて。
桃 え?
青 必要な関わりしかせんねん。
こんな仕事しててお前人信用してるんか。
桃 仲間は信用しないと。
ペアなんてやっていけないでしょ。
青 別に実力は信用してる。
人間としてお前を信用してないって言ってんねん。
…俺、こいつ嫌いだ。
青 そっち敵が向かった。
2人だ。
その指示をもらう前に俺は2階の敵を殺していて
敵は1階に集中している
きっと俺が下に降りるまで青が敵を引きつける気だ。
あの人数に対して1人は無茶すぎる。
それなら最短距離で下へ行く。
青 はっ…!?
俺は2階から1階へ飛び降りた。
死ぬ気なんてない。
これが、俺の殺し方だ。
青 おまっ…危なっかしい闘い方すんなや。
桃 別に俺死んでないし良くない?
見ての通り大きい怪我もないし。
青 足…血滲んでるやん
早く出して。
治療するから
桃 これくらい放置しといても…
青 次のパフォーマンスに支障が出ても困るやろ。
声は随分と単調だが、その面持ちと手先には心配さが滲んでいる。
彼はそのまま器用に俺の傷の手当てをしていく。
ペアの初任務を終えてから分かったことがある。
俺と彼では殺し方が随分と違う。
彼は声が単調で信用していない奴には興味がない。
効率的で軽やか。
何より殺し方が美しい。
それに対し俺は執着心が強い。
相手が死ぬまでは実は絶対に逃さないし、這いつくばっても殺してやる。
美しさとは、真逆のやり方だ。
桃 ふふっ…あははッ
青 なんやねん急に笑い出して…
気持ち悪いわ
桃 いや…初めとは大違いだなって
俺のこと信用してなかったくせに、今は感謝まで伝えてもらえるんだと思うと…
青 うるせぇ…仕事行くぞ
後ろを向いた彼の耳は赤く染まっていて
桃 はいはーい
愛おしくてたまらなかった
桃 青ー?
青 なんや?
桃 じゃーん!
青 これは…?
桃 実はね…お揃いのナイフ買っちゃった!
これはペアの証。
俺達は任務の時も一心同体だから。
青 一心同体…
そうナイフを握る彼は優しくて愛おしい笑顔を浮かべていた
青 やってしもた…引かれんかな…
桃 なにがー?
青 うわ…桃…
その日はいつもとは違って声にも焦りが出ていた
不安で近づくとさっと前を閉める青
桃 もしかして…怪我でもしたの!?
隠さないで、早く見せて!
青 違ッ…ちょっと待ってや
話聞けって
そんな青の静止を聞かずに前を開けるとその胸元には大きな傷…
ではなく
桃 タトゥー?
っていうかこれって…
青 お前の胸元のタトゥーとお揃い…
そう言いながらふいっと顔を背ける彼が可愛くて
桃 どうして急に?
っていうかなんで隠したの
青 いや…前ペアの証でナイフくれたやん?
やから…これは恋人の証として…
でも今考えたら重たいかと思って…
桃 そんなわけないじゃん!
めっちゃ嬉しい
青 その…これは任務の時だけじゃなくていつだって一緒やから
って俺らしくないな
ちょっと訓練してくるから…
そう歩き出そうとする彼の後ろ姿を抱きしめる
桃 逃がすわけないじゃん
そのまま愛おしいタトゥーに指をなぞって
愛しい恋人を抱いた。
青 ほな…行ってくるな
桃 大丈夫?なんか疲れてない?
任務変わるから寝ときなよ
青 いや…大丈夫や
ありがとうな
最近急に青の単独任務が増え始めた。
それでも青はいつも通りだった。
クマも隠れた傷も何を言わないまま。
心配で声をかけても返ってくる言葉はいつだって変わらなくて
桃 心配だなー
覚えてるのかな
今日が記念日だって…。
忙しすぎて話すことも減ってしまった恋人。
いや…
これから恋人なんて呼ぶことはなくなるのかな
そう思いながら光り輝く指輪をポケットにしまった
それからすぐの事だった
ご飯を作っている中社長から電話が来た
桃 今日は休みにしてくれって言ったのに…
そんな愚痴を零しながらも電話に出ると
いつもとは違うことなんて声色で明らかだった。
社長 休みのところ悪いが、至急青のもとへ行ってくれ
応援要請が出た
こんなことは初めてだ。
当然と言えば当然だが彼は優秀で成績も良かった
応援要請どころか大怪我で帰ってくることもほとんどなかったのに。
俺は指輪をポケットに入れたまま無我夢中で青の元へ走った。
桃 青…!
青 ごめんけど…腕は1本しかあげれんわ
左腕には先約がおんねん
敵 はっ…何が先約だよ
じゃあお望み通りにしてやるよッ…
俺が着いた頃には敵と1対1でそんな会話をする青がいた
その姿はボロボロで今にも倒れてしまいそうなのに
その瞳は敵を逃すことがなかった
…ただ
バンッ
その銃声とともに俺の恋人の右腕は吹き飛んだ
吹き飛んだ先には折れたペアの証が転がっていて
桃 は…?
青 う”ッ…
青はその場に倒れた
俺は怒りと心配で立ち尽くしてしまった
青 桃…!俺のことはどうでもええ
そいつを殺せっ…
その一言で俺の瞳は青ではなく敵を捕らえた
あいつの血肉を切ったその感覚が
あいつの叫び声が
嫌というほど脳裏にこびりついている
いや…今はそんな場合じゃない
青 ありがとうな…
いつもやったら…こんなヘマしないんやけどなぁ
桃 もう喋んないで…今止血をっ…
青 桃も分かってるやろ…
もう無理や…
俺はこのまま…
桃 ごめん…ごめんね…
俺があの時任務を変わってたら…
あの時ちゃんと止めてたら…
そしたら…
青 過去の事なんてもう変わらん
なぁ…頼みがあるんやけど…
桃 なぁに?
青 俺のこと殺してや…
その言葉に息を呑んだ
もう何の音も聞こえない
聞こえるのは彼の息遣いと愛しい声だけ
桃 …
青 泣かんといてや…殺し屋が相手に心を見透かされれば死ぬなんて基礎のことやろ
桃 でもッ…
いや…そうだよね
もうしんどいよね…
大丈夫…
俺が終わらせてあげる
そう言うと彼は少し名残惜しそうにそれでも愛しい笑みを浮かべた
青 先に地獄で待ってるわ
その言葉を最期に俺はペアの証で恋人である証を貫いた
青 …
桃 もう殺し屋は辞める
でもね殺し屋だった過去が変わることはない
俺と青が殺し屋だったその過去を背負って生きてあげる
そしたら殺し屋だったころと同じように地獄で会えるかな。
無慈悲に残された左手の薬指にそっと婚約の証をつけてやる
桃 俺の名字青にあげるから
だから次会うときはもう俺達は殺し屋じゃない
その時は
…地獄で一緒に泣いてほしい
信じられないほどのか細い声で
彼にそう願いを込める
ただ1つ残ったその証にそっと口付けをした。