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#消したらスコーン
蜚蠊教信者 @ちゃがLOVE
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ここは、光から隔絶された裏の世界。表では解決できない”厄介事”を処理する何でも屋の組織がある。───これは、とある凸凹コンビの話だ。
「今日からアリアとレオはコンビね。失敗は許さないから宜しく」
「…….は?」
少女が声を上げる。
「えっちょ!待って下さいボス!」
呼び止められた男は面倒くさそうに振り返る。
「初対面の人と連携なんて取れません!無理です!!」
その言葉を聞いて、男は口を開いた。
「スパイは長生きが難しいんだよ。初対面と組めないならやっていけない。」
「それにレオは経験豊富で、君より強い。参考になると思って組ませたんだけどな~」
「……..っ」
少女の額にじわりと冷や汗が滲む。
「まぁまぁ、ボス。そんな怖い顔すんなって。初めてで緊張してるんだろ?気楽にやってこうぜ」
「誰のせいですかそれは!」
そのやり取りを見たボスは
「うんうん、仲良くできそうでよかったよ!レオ、アリアは”綺麗なまま”でいいんだ。余計なことは教えないように。」
ボスはそう言って部屋を去る。
「……わかってるよ、ボス。あんたの”大事なお気に入り様”には手出ししないって」
部屋を出てレオとアリアは無言で歩く。足音だけが廊下に響いた。
「ねぇ、アリアちゃんだっけ?初めまして、俺はレオ。よろしくな」
「これから一緒に任務やるんだしさ───で、どこまでできるの?」
沈黙を破るようにレオが口を開く。
「最低限はできますよ」
素っ気ない返事だった。
「ふわっとしすぎだろ」
「ほんと固いなぁ……。もうちょっと気楽にいこうぜ、アリアちゃん」
「仕事中です。ふざけないでください。」
「それに、あなたとは仕事上での関係です。馴れ馴れしくしないでください。」
そう言い残すと、アリアは足早に廊下を進んでいく
「……変わった、か」
そう呟くと、レオは苦笑いしながらアリアの後を追った。
「今回の任務は、珍しい宝石の回収だそうです。宝石の名前は「アリシア」だとか。」
「……アリシア、か」
ほんの一瞬だけ、レオの足が止まった。
「へぇ、随分とご立派な名前の石だな」
「えぇ、珍しい名前ですね。人の名前みたいです。」
「世界に一つしかない貴重な宝石らしいので、取り扱いには注意とボスからのお達しです。」
「はは、了解。ぱぱっと届けるか!」
「ぱぱっと扱ったら壊れます!丁寧にお願いします!」
「はいはい、お堅いお堅い」
数十分後。
二人は街外れの倉庫の前に立っていた。
中に入ると、床には瓦礫が散乱している。
倉庫の中は不気味なほどに静まり返っていた。
「……静かすぎるな。ここが例の宝石の場所か?随分寂れてるな」
「カモフラージュでしょうね。とにかく回収しましょう。」
「了解、アリア様の仰せのままにっと」
「……足場が悪いですね。宝石は無事でしょうか」
「金庫は頑丈らしいし、心配いらないんじゃね?」
「貴重なんですから……はぁ、もういいです。」
「冷てぇ……」
アリアは足を止めた。
「……ありました。例の金庫です。」
「……ピッキングは?」
「……苦手です」
「仕方ねぇな。やるから、ちゃんと覚えとけよ」
レオは金庫へと歩み寄った。
「……何か聞こえませんでした?」
「……囲まれたな。」
倉庫の外には、逃げ場を塞ぐように人影が並んでいる。
「……ざっと、数十人ってとこか。」
「アリアちゃん、どれくらい持つ?」
「一人で対応できます。貴方はそちらに集中してください。」
「……1時間だ。」
「1時間で金庫を開ける。それまで持ちこたえろ。」
「…了解」
最初の数人は問題なかった。
一人、二人と正確に急所を撃ち抜いていく。
だが───
(……っ、数が多い……)
(……!弾が……)
脳裏にボスの言葉が響く。
──「失敗は許さないよ。」──
アリアの顔は強ばる。
次の瞬間──
瓦礫に足を取られ体勢を崩した。
「…っ、しまっ──」
殺される。
そう思い私は目を固く閉じた。
「……もう大丈夫だ」
覚えのある声だった。
___何が起きたのか分からなかった。
風が頬を撫でた。
次の瞬間、囲んでいた敵は一斉に崩れ落ちた。
(見えなかった……)
(これが、ボスが認める幹部の力……)
私が唖然としていると、レオが倒れた敵には目もくれず私の方を向いた。
「……怪我は?」
一瞬、胸が高鳴った。
まだ、名前の無いこの気持ちから目を逸らすように慌てて立ち上がった。
「……宝石は?」
「……あぁ、無事に回収したよ。」
レオが小さく息を吐くと
「……っぷ、ははっ!」
レオは優しく目を細めると、私の頬へそっと手を伸ばした。
「お前、射撃いいセンスしてるじゃん!」
そう言うとニカッと笑う。
私の心臓が微かに「トクン」と音を立てた。
……なんだ、今の。
胸の奥が、少しだけ騒がしい。
「…………ぃな」
訳の分からない感情に意識を奪われ、小さな呟きは私の耳には届かなかった。
──初めて会ったはずなのに
その笑顔も、その優しさも。
なぜか、頭から離れなかった。
コメント
1件
おお、第1話からもう胸が熱くなる展開だね!凸凹コンビの初任務、レオの圧倒的な腕前と、アリアの「名前のない気持ち」がいい塩梅に描かれててグッときたわ。ボスの意味深なセリフとか、宝石「アリシア」にレオが一瞬止まる仕草とか、伏線が散りばめられてて続きが気になる!バディものの醍醐味が詰まってるし、アリアの成長と2人の距離感がどう変わっていくのか楽しみ🔥