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13 - Ep12 異能力 / 二宮

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2024年04月01日

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 十年前、伝説の四人と謳われた学生たちがいた。

 No.4 春木春臣ハルキ ハルオミ、No3 夏目夏人ナツメ ナツヒト

 No.2 一ツ橋剣二ヒトツバシ ケンジ

 そして、No.1 一ツ橋盾一ヒトツバシ ジュンイチ

 彼らは、No.5以下の実力を優に超え、中でもNo.1の盾一は、弟の剣二すらをも凌駕する実力者だった。

 剣二には未だ、『異能を無効化する力』が備わっていなかったからだった。

 そんな二人は、とある女性に片思いをしていた。

 なんの異能も持ち合わせていない無能力者の女性。

 しかし、そんな剣二の恋心に気付いた盾一は、自ら一歩を引き、弟の剣二と付き合うことになった。

 その一年後、剣二の彼女は事故により他界した。

 その事故は、当時から発生していた『子供の抑制できない異能による暴走』、つまりは、彼女の生まれたばかりの妹が事故の原因だった。

「僕は……僕にはこんなに力があるのに……彼女を救うことができなかった……」

「剣二、仕方のないことだ。異能では出来ないこともある」

「僕も……兄さんみたいな異能を無効化する力があれば!! 彼女を死なさずには済んだかもしれない……。いや……付き合う相手が兄さんなら……

 バシン!!

 盾一は、剣二を思い切り引っ叩いた。

「天地がひっくり返っても、そんなことは二度と言うな!!」

 その盾一の瞳からは、涙が零れ落ちていた。

 暫くして、ボロボロの家から、警察により現場の遺棄物の相談が寄せられた。

 中でも二人が目を丸くさせたのは、頑丈な鞄に守られていたと言う、桔梗キキョウの花だった。

「この白い桔梗……僕の花の……」

「お前は愛されていたんだよ、剣二……」

「うわあああああ!!」

 剣二は、ずっと抱えていた涙を溢れ出していた。

 そして、その花を握り締め、警察から受け取った。

 それ以降、剣二は異能の無効化の力を得た。


「それから、二人は互いに別々の道を歩む。ジンさんは力の行使をしない道へ、そして、キキョウは、力の行使をして人命を助けられる可能性、つまりは犯罪者になっても尚、人を助けられる方法を探し続けているんだ」

 夏目が一頻り説明をすると、キキョウは立ち上がる。

「そうだ……僕も彼女も……異能の力が強ければ、人は簡単に死なずには済んだんだ……」

「それは違うよ、剣二。異能力が全てじゃない」

「お前は黙ってろよ、夏目!! お前は昔から飄々としていて、今回も僕を騙したじゃないか!! 力になってやると言っておきながら、二重スパイを働いていた!!」

 激情するキキョウ、次第にキキョウの周りには、白いキキョウの花で埋め尽くされていった。

「今更、手遅れだよ、剣二……」

「ハハ……違うよ。僕は諦めない……。絶対に……!」

 そう言うと、キキョウの姿は花と共にどこかへ消えた。

ワープ!? 剣二にそんな力はない……!!」

「いや、異能力というのは、感情の起伏に乗じて更にパワーアップするケースがあります。滅多にないことですが、彼は恵まれた異能力者だったのかも知れません」

「またしても逃しちゃったね」

 辺りが静まり返る中、一人の少年が駆け出す。

「俺だって……諦めねえよ……!!」

 ジュースは、思い切り速度を上げ、燈篭トウロウの元にグーパンをけしかけるが、燈篭は片手で受け流した。

「その程度か……? 十蔵ジュウゾウ……」

 憐れむような目線をジュースに送る。

「そうやって……いつも……! 親父が俺のことをダメな息子だと思ってんの分かってんだからな!!」

15歳にしてNo.10。十文字十蔵ジュウモンジ ジュウゾウくん。一桁台に乗れなかったとしても誇るべき高位だと思うが……」

 夏目は、ジュースを見ながら宥めるが、燈篭は、十蔵の拳を掴んで思い切り投げ飛ばした。

「お前が異能力如きの力に取り憑かれている以上、私がお前を認めることはない!!」

 ヨロヨロと立ち上がると、ジュースは二宮を睨む。

「この女だって、現役No.2だから引き入れたんだろ! 知ってるんだぞ……高火力の火炎放射だって!!」

 そして、二宮をここぞとばかりに指を刺した。

 すると、二宮は、ジュースの腕を引き、強引に立ち上がらせると、自分の正面に立たせた。

「どこからでもいい、異能力を使ってもいい。私を、倒してみなさい」

「は? いいのか? この距離だとお前、骨折じゃ済まないぞ?」

「減らず口はいいから、かかってきなさい」

 そして、ジュースから放たれる強烈に早いパンチも、蹴りも、全てを交わし、

「お父さんを前に、ごめんなさいね……!!」

 二宮は、腹部に思い切りパンチを喰らわせた。

「な……なんで異能力を使わない……」

「私も、この探偵局に入る前は、異能の力こそが強さだと思ってた。でも、現実はそんなことはなかった。私も今、自分の無力さを痛感しているところよ……」

「でも……お前は異能なしで強いじゃねぇか……!」

 そして、今度はジュースの真横の崩れた瓦礫を、細い足で思い切り蹴り崩した。

「強くなったのよ!! 異能力がなくても戦えるように!!」

 ジュースは、遂に黙り込んでしまった。

「私に出来ることをした。もう、おしまいにする」

「そうか、お疲れ様」

 そう行方に告げると、二宮はパタリと倒れ、そのまま眠りについてしまった。

 ジュースは既に意気消沈しており、戦う意志は見られなかった。

「話が終わりそうなところ悪いんですけど〜、まだ僕は戦っちゃいますよ〜?」

 すると、背後から再び百瀬は銃口を向ける。

 スパン!!

 しかし、銃が鳴らされることはなく、神子はその拳銃を思い切りぶった斬った。

「悪いけど、アンタの攻撃はもう当たらないわよ」

「そんな重い装備で……どうしてそんなに早く……!」

「私の異能は『鋼鉄』身に纏っている鋼が重ければ重いほど、早く動くことが出来る。そして……」

 すると、急いで百瀬は次弾の装着をして構える。

 しかし、またしても百瀬の拳銃を斬った。

相手の鋼の量が多いほど、更に早く動ける」

 百瀬は膝から崩れ落ちてしまった。

「私を殺りたきゃ、探偵局のように事前調べでもして、情報を掻き集めることだね」

 そう言うと、異能警察はジュースと、百瀬、そして転がっている犯罪者グループを拘束し、迅速に撤収した。

「今回のドラッグは、使用制限付きのようだ。異能の使用回数が終わると、そのまま命を落とす異能の力に取り憑かれた者たちの暴走劇だったわけだね」

 夏目は、いつもの笑みはなく、説明していた。

 後に、十蔵が件のドラッグ事件に首を突っ込んでいたのは、そんな異能者だらけの世界でも、自分は更に強いのだと父に証明したかったと供述していた。

 剣二は、恐らく今も、異能に取り憑かれている。

「夏目さん、二重スパイ、お疲れ様でした」

「行秋くん。いやいや、君が早くに気付いてくれたから、俺も動きやすかったよ。ナイス演技だ」

「今回の事件ですが、二つ報告があります。まず、ドラッグを密売していたのは、キキョウ……一ツ橋剣二ではありませんでした。彼も、十文字十蔵くん同様に、販売員の一人で、売っていた場所は他になります」

「もちろん、行秋くんならその提供先の情報も仕入れてきているんだろうね?」

「当然です。誰に鍛えられたと思ってるんですか」

「それで、その大元の組織の名は?」

「国家です」

 ニコッと笑うと、夏目は「疲れたね」と言って、片手に持っていた未開封の缶コーヒーを行方に渡し、そのまま去って行ってしまった。

 行方は、貰った缶コーヒーをそのまま開け、静かにそのまま地べたに座り込んだ。

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