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る あ .
902
1,370
#一般人
유리
41
スタートーー‼️
――午前0時47分。
アルカディア号は、月影アイランドへ向かっていた。
遠くに島の灯りが見える。
しかし――
「……なんか、おかしくない?」
美月が窓の外を見つめる。
島の周囲に、青白い光の線が浮かんでいた。
「海面に何かある」
コナンが双眼鏡を覗く。
「島の周囲を囲んでる……」
「防波堤?」
「いや、違う」
コナンの表情が変わる。
「電磁式のバリアみたいだ」
「バリア……?」
その瞬間。
――ゴォォォン!
島全体が青く輝いた。
港の照明が一斉に消える。
街灯も。
建物の明かりも。
そして――
月影アイランド全体が、闇に包まれた。
⸻
◆
同時刻。
月影アイランドの中央管理センター。
「通信が全部切れました!」
係員が叫ぶ。
「外部との連絡は!?」
「できません!」
「フェリーは?」
「港のシステムが停止しています!」
さらに警報が鳴る。
――ビーッ!
――ビーッ!
モニターに赤い文字が表示された。
『月影システム・封鎖モード』
「封鎖モードだと……?」
管理責任者が青ざめる。
そして、監視カメラの映像に――
一隻の黒い船が映った。
「……あの船は?」
誰も答えられなかった。
ただ、船首に刻まれた三日月の紋章だけが、青く光っていた。
⸻
◆
アルカディア号。
美月とコナンは甲板に出た。
「島に近づけない!」
コナンが海を見る。
船の前方に、透明な壁のようなものが浮かんでいる。
――ゴォン!
アルカディア号が止まった。
「どうするの?」
「別の入口を探す」
コナンは船内の地図を広げる。
「月影アイランドには、昔使われていた地下港がある」
「地下港?」
「五十年前の資料に書いてあった」
コナンが指を差す。
「ここだ」
島の東側。
現在の地図には存在しない場所。
「たぶん、今も残ってる」
美月は頷いた。
「行こう」
⸻
◆
地下港。
アルカディア号は暗い海中トンネルへ入っていった。
壁には古い三日月の紋章。
そして――
五十年前のアルカディア号の写真が何枚も飾られている。
「ここ……アルカディア号と関係があった場所なんだ」
美月が写真を見る。
その中に――
一枚だけ、見覚えのある人物が写っていた。
「……白石澪」
写真の中で、白石澪が地下港を歩いている。
その隣には――
あの少女。
さらに、もう一人。
「この人……」
コナンが写真を手に取る。
五十年前の映像に何度も現れていた人物。
顔ははっきり写っていない。
だが、胸元に――
『07』
と刻まれたバッジをつけている。
「第七保管室の『7』と同じ……」
美月が呟く。
そのとき――
写真の裏から、一枚の紙が落ちた。
コナンが拾う。
そこには、
『月影アイランド地下・旧観測施設』
と書かれていた。
「旧観測施設?」
「行ってみよう」
⸻
◆
地下港の奥。
二人は古い階段を下りていった。
――カン、カン、カン。
階段の先にあったのは、巨大な鉄の扉。
扉には、
『観測施設・第七区画』
と刻まれている。
美月がカメラを向ける。
――ピッ。
扉が開いた。
中は広い円形の部屋だった。
中央には巨大な装置。
天井には、月を観測するための巨大なレンズ。
「ここは……」
コナンが周囲を調べる。
「海と月の位置を観測する施設だったんだ」
「でも、どうしてこんな地下に?」
「たぶん、普通の天文観測所じゃない」
コナンが装置を見る。
「海底遺跡と、この島をつなぐための施設だ」
その瞬間――
装置が起動した。
――ブゥゥン……。
巨大なレンズに青い光が集まる。
そして壁に映像が投影された。
白石澪。
五十年前の姿。
『もし、この映像を見ている人がいるなら……』
美月が息をのむ。
『アルカディア号の真実は、もう隠し続けることができません』
映像の白石澪は、静かに話していた。
『私たちが守っていたのは、宝石だけではありません』
画面に海底遺跡が映る。
『この遺跡には、五十年以上前から海域の環境を観測する機能がありました』
コナンが驚く。
『しかし、その機能を利用しようとする者たちが現れました』
画面に黒い影。
『彼らは蒼月の涙を利用して、遺跡を自分たちのものにしようとしていた』
白石澪は一度、目を伏せる。
『だから私たちは、アルカディア号を遺跡の中へ移しました』
美月が呟く。
「船を……隠した」
『そして、蒼月の涙を守るために、航海そのものを封印しました』
そこで映像が切り替わる。
少女が映る。
白石澪の隣に立っている。
『この子だけが、蒼月の涙を安全に扱うことができました』
少女は静かに宝石を見つめている。
『だから――』
白石澪の声が震える。
『この子を守ることが、私たちの最後の使命になりました』
映像が乱れる。
――ザザッ。
そして、白石澪の最後の言葉。
『もし「月影の亡霊」が現れたなら――』
美月とコナンが顔を見合わせる。
『その者は、アルカディア号を消した犯人ではありません』
――沈黙。
『アルカディア号を守った者です。』
映像が消えた。
⸻
◆
「……守った者?」
美月が呟く。
「じゃあ、月影の亡霊は悪い人じゃないの?」
コナンはすぐには答えなかった。
「まだ分からない」
「でも、白石澪はそう言ってた」
「五十年前の時点では、そうだったんだろう」
コナンは映像装置を見る。
「問題は――」
そのとき。
コナンが何かに気づいた。
「美月!」
「え?」
「そこ!」
部屋の壁。
三日月の紋章の中央に、小さな空洞がある。
美月のカメラを近づけると――
――カチッ。
隠し扉が開いた。
中には、一つの古い記録装置。
その横に――
『最終記録』
と書かれていた。
「これが……白石澪の最後の記録?」
美月が装置を起動する。
映像が始まる。
白石澪が一人で映っている。
今までとは違う。
明らかに緊迫していた。
『時間がありません』
『彼らはもう、遺跡の場所を知っています』
後ろから警報音。
『私は蒼月の涙を別の場所へ移します』
白石澪が何かを見つめる。
それは――
少女のペンダント。
『この子には、まだ真実を知らせられない』
白石澪が続ける。
『もし私に何かあったら――』
そこで一度、画面が乱れる。
『「月影の亡霊」に、この記録を渡してください』
「……!」
コナンが目を見開く。
『彼なら、すべてを知っています』
そして――
映像の最後に、一つの名前が表示された。
『水城航平』
美月とコナンは凍りついた。
「……水城、航平?」
コナンが名前を読み上げる。
しかし次の瞬間。
――ドンッ!
施設全体が大きく揺れた。
「何!?」
警報が鳴り響く。
壁のモニターに赤い文字。
『外部侵入を確認』
コナンが立ち上がる。
「誰かが施設に入ってきた!」
廊下から――
足音。
――コツ。
――コツ。
――コツ。
美月が振り返る。
暗い廊下の先。
そこに――
黒いコートの人物が立っていた。
「……!」
美月が息をのむ。
人物はゆっくりと歩いてくる。
「その記録を……」
低い声。
「こちらへ渡してもらおう」
コナンが美月の前に立つ。
「お前は誰だ?」
人物は答えない。
ただ、美月の持つ記録装置を見つめていた。
「その記録は、五十年前に封印されたものだ」
「どうして知ってるの?」
美月が尋ねる。
人物はしばらく黙っていた。
そして――
「私は……」
その瞬間、施設の照明がすべて消えた。
――バチッ!
「うわっ!」
暗闇。
わずか数秒後。
照明が戻る。
しかし――
黒い人物は消えていた。
「いない……?」
コナンが周囲を見る。
床には何もない。
ただ一枚のカードだけが残されていた。
美月が拾う。
カードには――
『月影の亡霊を追うな。』
そして裏面には――
『彼を追えば、五十年前の真実にたどり着く。』
「どっちなんだよ……」
コナンが呆れたように呟く。
そのとき。
施設の外から――
大きな汽笛が響いた。
――ボォォォォォン!
美月とコナンが窓を見る。
月影アイランドの港。
そこに黒い船が停泊していた。
船上には、一人の影。
そして――
月影アイランドの中央にある巨大な塔が青く輝き始める。
「まずい……」
コナンが呟く。
「何?」
「島全体が、遺跡と接続されてる」
「じゃあ、この島は……」
「ああ」
コナンが頷く。
「五十年前からずっと――」
塔の頂上に、巨大な三日月の光が浮かび上がった。
「アルカディア号を隠すための装置だったんだ。」
そして海の彼方。
黒い船から、再び声が響いた。
『月が沈むまで、あと一時間』
『すべての記録を――』
声が低くなる。
『解放する』
美月は空を見上げた。
夜空には、大きな青い月。
その月が、ゆっくりと西へ傾き始めていた。
――第10章・終――
次章予告
第11章「月影の亡霊」
「月影の亡霊」の正体へとつながる名前――水城航平。
五十年前の記録を追い、美月とコナンは旧観測施設のさらに奥へ。
そこで待っていたのは、白石澪が最後に残した一枚の写真。
そして写真の中には――
五十年前の水城航平と、謎の少女の姿があった。
果たして「月影の亡霊」は、何者なのか。
五十年前の航海に隠された最後の真実が、ついに動き始める。
コメント
3件
うわぁ第13話もめっちゃ展開きた…!!😳💦 島ごとバリアで封鎖とか、地下港の隠し通路とか冒険感がたまらない…!白石澪の映像メッセージに「月影の亡霊は守った者」ってのはマジで鳥肌だった…!しかも最後の「水城航平」の名前でドンッて揺れる演出も最高にエモい…!黒コートの人物も気になりすぎる〜!次章めっちゃ楽しみにしてます、ありがとうございます🌸