sgmt/兄弟パロ
「まさか、俺の弟が恋人だったなんてな!」
(なまえ)は驚愕した。何故親友宅に佐一がいるのか。佐一には教えていないはずなのに。何故?
不安と恐怖が(なまえ)を襲う中、佐一の隣に立っていた親友の母親が声を出す。
「まぁ!佐一くんの弟さんだったのね〜」
「え?」
「△の兄がね、佐一くんと同級生だったのよ〜」
母親の言葉からは奇想天外な言葉が綴らた。そして、納得する──△は多分…(なまえ)のことを兄に伝えていたのだ。そしてその兄が、(なまえ)のことを佐一に伝えていたのだと。
「おまえっ、、、」
「ご、ごめんて…」
目の前の冷徹な笑顔を浮かばせる佐一に、(なまえ)は怯え、親友の横腹を肘で突く。
*
そもそもこうなった原因は、同性愛者であることを伝えられなかった△が、(なまえ)に頼み起きてしまったこと──自分の恋人のフリをして、母親に会って欲しいと。
勿論(なまえ)は断った。佐一という恋人がいるし、△の母親とは何度か会ったこともある。まじの恋人だと勘違いされたらたまったもんじゃないから。
何度も何度も土下座までされ、それでも断り続けた。だが、
『お願いだってぇ…』
『無理だって!』
『くっ、、…じゃぁお前の兄貴に、俺の恋人は(なまえ)ですって挨拶しに行くぞ!?』
『はぁぁぁ!??』
脅されてしまったのである。どうやら△。(なまえ)が佐一と関係を持っていたことに勘づいていたらしく、佐一の激重感情についても悟っていたらしい。
『お前っ、、卑怯だぞ!、』
『ごめんごめん』
『っ、、ただしっ、ぜっったいに俺の兄には言うなよ!?誰っにも言うなよ!?分かったか!?』
『は〜い』
なんやかんやで、今に至ったわけである。
「別に母さんは偏見ないわよ。好きな人を、好きになったってだけなんだもの」
ダイニングテーブルを挟む形でダイニングチェアに座る(なまえ)は、隣席に腰をかけている佐一に怯えていた。
(なまえ)の前には△が。佐一の前には△の母親が座っている。そして、(なまえ)の横には…怒りオーラを放出している佐一が。
「あ、ありがとう…母さんっ、」
涙を浮かばせ母親の手を握るのはいい。ようやく同性愛者であることを告げられ心のモヤが晴れたのだから。
だが──△と(なまえ)が恋人同士だというのは嘘だと告げて欲しい──そして、横に座っている佐一の機嫌も元に戻して欲しい。このまま一時間も耐えられるわけがない。
「あ、あの…△のおかあさっ──ンッ、…っ」
中々言えそうにない△に代わり(なまえ)が嘘を正そうとしたのだが──太腿に伸ばされた佐一の手により口を閉ざしてしまった。
「どうしたの?」
「あっ、、え、と」
佐一の手は、際どい部分を触ってくる。太腿の間に手を入れて、陰部に触れるよう──そろりと。
「あっ…っと、じ、つはっ、っっ、…!」
強く刺激された陰部は膨らみ、快楽から上手く言葉を出せない。
そんな(なまえ)は△を強く睨みながら心の内で訴えかけた。
──おまえっ、、嘘って言えよ!
──ごめんっ、今は無理だぁぁぁぁ……っ
「(なまえ)くん、どうしたの?具合が悪いの?」
「い、いえ、そういうわけでじゃ──」
(なまえ)は体調も万全で悪い点などひとつもないのだが──
「そうなんですよ〜。実は昨日嘔吐を繰り返していて…」
佐一が割り込み否定する。
──こうなったらっ、…
佐一の嘘発言をいいことに、(なまえ)は△に自分を介護しながら運ばせ、トイレ近くで──(なまえ)が恋人──であることを嘘だと告げるための作戦を企てようとした。
「ひっ、…さ、△…俺の恋人だろォ?トイレまで運んで介護しろよ……っ、」
目をかっぴらき不気味な笑顔で圧をかけると、△は見事に頷きこちらへ近づいてくる。
(なまえ)は佐一の手をどかし急いで立ち上がろうとするのだが──佐一の手はどう頑張っても剥がすことが出来なかった。
「△くんはゆっくりしてな。俺が(なまえ)を連れてくからさ…」
「はっ、はい…!」
人畜無害そうな笑顔の奥深くに隠されたドス黒い感情を、(なまえ)は瞬時に察す。
──ごっ、ごめぇええんっ
佐一の言葉に怯えたらしい△は(なまえ)を見詰める。
そして(なまえ)は席を立ち佐一に手を引っ張られトイレへと向かうことに…。
「…親しくないとか言ってたくせに浮気してたのか?」
この言葉を聞いたのが、もっと和らいだ空気なら笑い転げていただろう。だが残念なことに、ピリリとしたオーラが空気を侵食している。何かを口に出しても聞き入れてくれなさそうだ。それでも伝えるしかないのだが……。
「〜っ!…あいつの恋人なんかじゃねぇし!嘘に付き合っただけだよっ!同性愛者だってこと母親に伝えれないからって願い聞いただけ!」
目を思いっきり瞑り覚悟を決めると咄嗟に口を開いた。スラスラと言い訳を並べるかのように言葉が出てくる。
誤解を生んで不仲になんてなりたくない。いつもみたいに何気ない会話をして、笑いあって、夜になるとそういうことして……そんな平凡に見えて幸せすぎる日々を過ごしていきたいから。
これからも、ずっと。永遠に……死ぬまで!
「うそなんじゃねー──」
願望は剥き出しに、水滴に成り果て頬を伝う。唇は震え、瞳の奥底は水で埋まる。
「ほ、ほんど……だっ、もんっ…」
「ご、ごめんっ…」
全ては偽りだとやっと気づいた佐一は、(なまえ)を思いっきり抱きしめ涙を拭う。
「……ゆるす」
この後は多分ラブラブセ〇クスです。
本当はトイレでこのまま嫉妬による、お仕置きセ〇クスにする予定だったのですが早く終わらせたかったので変な感動系?感動系じゃないけどそうなりました?
書きたいストーリー的なのが変わっちゃったりで中々書き終わらせることが出来なかったのですが、やっと完成しました……。これからもどうかよろしくお願いします……。
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