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俺の名前は若井滉斗
日本海軍航空隊に所属する16歳
今は海軍の船を米軍に占領されたとかで、航空隊の俺たちも駆り出されているところ
銃弾が飛び交う中、各々が身を呈して戦う
「っ、あ゛あ゛っ…」
油断してた…振り向いた瞬間敵が目の前にいて、そのまま左目をザクッといかれた
アドレナリンが出ているのか痛みは感じないものの、目を抑える手の隙間から生温く赤黒い液体が流れ出る
それからはあっという間だった。
最終的に船は爆破されて俺は運良く生き残ったが、 周りには仲間の遺体がたくさん浮いている
正直ここで死んでもいいかと思っていたけど、幼なじみの2人を考えたらそんな思いはすぐに消えた
「俺はまだ…死ねない…」
「くそっ、クソがっ…」
右目からは涙、左目からは血を流して何とか陸へ泳いでいく
左目は失明している上に右目も涙が溢れてるから前がぼやけてよく見えない
気づいたら陸に引き上げられ、包帯を巻かれ、よく幼なじみの3人で遊んだ場所へ足を運んでいた
「若井…!どうしたのそれ!」
林を抜けると幼なじみの1人、涼ちゃんが駆け寄ってきた
涼ちゃんはすごく優しくて動物にも好かれてて、3つ上なのに年下にも見えるくらいふわふわしてる
「へへっ、敵いっぱい倒したら引き換えに…ね」
2人と自分自身を安心させるように、無理やりテンションを上げて話す
「そんな…」
「大丈夫!まだ右目もあるから!腕も脚も2本あるし!」
「そういうことじゃ…」
涼ちゃんが涙目になりながら言う。涼ちゃんは昔から本当に人のことを気にかけてくれる
「涼ちゃんが言ってるのはそういうことじゃない。せっかく今生きてるんだからもっと体大事にして欲しくて…!本当は若井だって辛いんでしょ?逝く時は3人で一緒に、だよ」
元貴が焦りながら言うから、俺は少し考えて笑顔で誤魔化した
「…それもそうだね」
その声は誰が聞いてもわかるくらいに震えていた
俺たちは最期まで3人でいられるのかな
こんな戦争なんて今すぐ終わって欲しい
あの何気ない日常を、返して欲しい