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人を好きになったことなんて無い。
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自分は人を好きになってはいけない。
恋愛には無関心で居なければいけない。
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恋愛できて成功するのは限られた人達だけ。
恋愛とは関係なしに、人に興味を持つのもダメ。
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大きな荷物を抱えたまま
必死に生きるの運命
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迷惑をかけないように。
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自分自身を殺さないように。
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自分自身に言い聞かせてきた意味はあるのだろうか
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第8話 貴方だけが、
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段々と夏に近づくように太陽が照り尽くす。
彼女に構われるようになってから時が経った。
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自分は今
彼女の漕ぐ自転車の後ろに乗っている。
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花音「まじでさ、私の親新しいチャリいつまで経っても買ってくれんのよ!!おんぼろでごめんねっ!!」
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古い自転車をギコキコと遠慮なく漕ぐ彼女の後ろで身をすくめて蒸し暑い熱風に耐えた。
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走っていく度にどんどん田舎になって行く。
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葵「結構奥まった所にあるんだね、花音ちゃんの家」
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花音「遠慮なく田舎って言ってもらってもいいんだよ?」
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微笑みながらちらっとこっちを見てくる彼女。
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ふふ。ほら、前見て危ないよ。
もうすぐ坂だよ。流石に降りようか?
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なんて思った。言いたかった。
けど言えない。
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花音「アオイちゃん、そろそろ素を出してくれてもいいんだけど。」
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葵「えっ?それは、、」
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花音「本当はもっと女の子らしいところあるんじゃないのー?^_^」
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ドっと冷や汗が出た。
緊張が益々高揚する。ただでさえこんな状況ありえないのに。
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_女の子らしいってなんだろう。_
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花音「だってさ、この前見た。筆箱についてた熊のチャーム。あれって付録のおまけだよね?」
「いいなぁ、あれ私欲しかったの^_^」
「それにそれに、私が着けてた香水気づいてくれたよね。それめっちゃ嬉しかった」
「私、アオイちゃんの為に新しい香水買い溜めたんだ!今日それを見せたくてさ」
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え、え、情報が渋滞していく中
彼女はペラペラと喋りかけてくる。
付録も服も髪型もオシャレもメイクも全部
大好きで趣味で、
でもみんな認めてくれない。
_え、君が?w_
_真面目に考え直しなよw_
_メイクなんてしたってその顔じゃあね……w_⠀ ⠀ ⠀
なんでダメなの?
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そんな事を生涯隠して生きていくんだと思っていた。
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そこに現れたのが彼女なんだ。
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花音「もっとさ、自信もっていいと思うんだ。アオイちゃん、誰よりも女の子だもん」
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彼女がふと呟いた。
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彼女にとってはきっと何気ない一言なんだろう。
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今1番言われたい言葉。
彼女はなんで分かったんだろう。