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夏休みの初恋

夏休みの初恋

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第1話

♥

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2023年06月28日

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「あちぃー」

真夏の1番暑い時間に匡(たすく)は自転車をとばしていた。

夏休みに入って夜型の生活になった匡は、昼前に起きた後、母親に放り出されるように外へ出た。

照りつける日差しはよく焼けた肌に容赦なく突き刺さり、額から落ちる汗が目にしみる。




─やっと着いた、、

自転車をとばすこと大体10分、去年新しくなったばかりの図書館にやってきた。

建て変わる前の少し寂れた図書館には、匡も小さい頃何度か来たことがあった。


中学に入って始めたサッカーは高校でもそのまま続け、その練習は夏休み中続いたので、去年までは家とグラウンドの往復だけだった。

先月の試合で負けた匡は、あっけなく引退となり、本格的に受験生へと突入した。


いきなり勉強をしろと言われてもやる気が出るはずもなく、こうして新しくなった図書館へとやってきた。

実際は勉強をしに来たというよりは、タダで涼みに来たと言う方が正確だ。



真新しい自動ドアが開くと、冷気が流れ出してくる。

「ふぅー」

体中の汗が一気に冷えていくのが分かる。


とりあえず匡は、入ってすぐに目についた自販機で炭酸を買うと、すぐにその場で半分くらい飲んだ。

─生き返った、、


「こんなふうになったんだ。」

ペットボトルのキャップをしめ、匡は周りを見渡した。

昔の図書館の面影はなく、きれいで整えられた内装は少しだけ寂しく思えた。

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