夏休みに入って6日目になりました。えーっと…まだ小林さんからの連絡は来ていません
ワンチャン忘れてる?
〜第3章〜
「暇だな〜」
本当に暇すぎる…暇すぎて課題はほとんど終わらせてしまった これからどうしようか…遥斗は部活で忙しいらしい 楽だからって理由で帰宅部を選ぶんじゃなかった…
ピロン♪
「あ…」
誰かから連絡が来た はっ!まさか小林さんからじゃ…
【みんなでBBQしよう!来る人いる?】
クラスのグループL〇NEだった…少しでも期待した僕がバカみたいだ… 次々に行きたいと言うメッセージが追加されている
「まぁ別に僕は行かなくてもいいかな いやでもみんなと仲良くなれるチャンスだし!うーん……あ」
【私も行っていいかな?】
【もちろん!】
小林さんも行くのかー…僕が行っても場違いだもんな よし、ここは行かないで置こう いやでもなー…
【夜野くんは行く?出来れば来て欲しいな】
【うん、僕も行くよ】
………やらない後悔よりやって後悔した方がいいしな
「明日か…今のうちに準備しようかな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここかな…」
確かここの海でやるって書いてあったから来てみたんだけどー…早かったかな まだ誰も来てない
「あ、夜野くん 来てたんだね、久しぶり」
「久しぶり小林さん」
いつもの制服姿とは違って髪を下ろし、黒パーカーを着ていて気だるげな雰囲気をだしていた
「夜野くん、場所ってここであってるよね?」
「確かここだったはず…なんだけど、まだ人全然来てないね」
「そうだね」
「…………」
気まずい…どうしよう なにか話題はないかな 女子ってなんの話したら喜ぶんだろ…
「小林さんはバーベキュー楽しみ?」
「うん、実は私バーベキューしたことがなかったからさー」
「そうなんだ、ちょっと意外かも」
小林さんは楽しい行事とかイベントとかに参加してる偏見を持っていたから少し驚いた
「夜野くんはバーベキューしたことある?」
「家族と何回かあるよ 今はあんまりしないけどね」
「そうなんだ」
会話が止まった ここで僕にコミュ力があったら色んな話して盛り上がっていたのになー…
「……あのさ!」
「!?」
スマホを握りしめて僕の真正面に立ってきた 少し俯きになっているから、よく見えないけど、なんとなく真剣な顔をしている気がした
「どうしたの?急に大きな声だして…」
「えっと…そのー」
さっきまでの勇気を振り絞った声とは裏腹に、自信なさげにする姿は思わず頑張れと言いたくなるような…僕の母性くすぐらせるようだった
「この間、一緒に遊ぼうって言ったの覚えてる?」
「うん、覚えてるよ」
「そ、そっか、えっと それでなんだけどー…12日って空いてる?」
「それは8月の?」
「うん、結構先になっちゃうんだけど…どうかな?」
「確認するね」
「う、うん」
とは言ってもスマホのカレンダーを見てもほとんどが空白だ 書いてあるとすれば誰かの誕生日ぐらいだった
「空いてるよ」
「そっかー」
小林さんの声色が少しづつ緊張から解放されていってるように感じた
「それじゃあ8月の12日に予定入れといてね あ、ドタキャンは無しだよ?」
「しないよそんなこと」
「だよね〜」
そう言うと小林さんが僕の横に来てスマホを見始めた あ、カレンダーに書かなきゃ… 手に持っていたスマホからカレンダーを開いて
8月12日 小林さんと遊ぶ
と書きスマホを閉じてぼーっとする すると数分後に遠くから色んな人の声が聞こえてきた
「お待たせー!ごめんね紬ちゃん達ーみんなで先に会って食材とか買ってきてたんだー!」
「そうだったんだね、それじゃあさっそく…」
ぐぅ〜〜
「あ…」
「ふふっ、夜野くんお腹すいたんだね」
「………恥ずかしいから聞かなかったことにしてくれると嬉しいな」
「わかったよ それじゃあみんなと合流しよっか」
「うん…」
死ぬほど恥ずかしい…顔が徐々に熱くなってるのがわかる
「? どうしたの夜野くん、顔赤いけど体調悪い?」
「いや…うん なんでもない」
「そう?無理はしないでね」
半分小林さんのせいだと思うけどね…てか早く合流しないと、また腹の虫が鳴るのはごめんだ
「お!夜野も来てたのか、久しぶりだな」
「あはは…久しぶり…」
陽キャのコミュニケーション力怖いなー…学校で全然話さないのにもうあっちは親友みたいな口調で話しかけてくる…
「紬ちゃんの服可愛い!」
「いつもと雰囲気違うね!なんか地雷系みたい!」
小林さんは相変わらずモテるな…まぁ土台がいい人は何着ても様になるって聞いたことあるし
「女子は具材を切っといて!俺達は火起こしするから!」
「「はーい」」
~~~~~~~~~
ジュージュー パチパチ
みんなは肉を食べ野菜を食べ写真を撮ってネットにあげるなどしているが…僕はいつの間にか火が消えないようにうちわで仰ぐ係になっていた…食欲をそそる野菜の焼ける匂いと豪快に焼ける肉の音を聞き何も食べないのは1種の拷問じゃないのかとまで思いだした
「ほほふん、たへないほ?モグモグ」
「何言ってるかわからないよ小林さん、食べ終わってから喋ってね」
「はーほへんほへんモグモグゴクン」
「夜野くん、食べないの?とあーごめんごめんって言った」
「お腹は空いてるけどー…火消えちゃうかもだからさ」
「こんな日が刺してる真昼間に急に火が消えることないと思うけどね」
「でも心配だから一応…」
「うーん…じゃあ取ってきてあげるよ、何食べたい?」
「とりあえずたくさん」
「お腹空いてるんだね、取るからちょっと待っててね~」
よかったこれでやっと食べ物が食べれる…餓死せずにすんだ…こうゆうところで気遣いができる小林さんはすごいとおも…
「はい、どうぞ♪」
「パプリカ…だけ?」
「そう!だって種類とか言ってなかったから…とりあえずたくさん持ってきた!」
「……いただきます」
そこだけは気遣いができなかったのか…または少しいたずらしようと思う気持ちになったのか…
「あ…美味しい」
「そう?みんな苦いって言ってて食べてなかったけど…」
「じゃあなんで買ってきたんだよ…僕残飯処理してるだけじゃん…」
「あははっ」
「どこで笑う要素あった?」
「いや…確かになんで買ってきたんだろって思ってさ~ あ!マシュマロもう食べてる!焼きマシュマロだけは食べたい!」
「え待って僕も食べたい!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふー…とりあえず片付けられたね」
「それじゃあ帰ろっか」
マシュマロを食べた後みんなで片付けをした あ、ちゃんとマシュマロ食べれたので大丈夫です。もう心残りはない…
「それじゃ僕はこれで…」
「ねー」
「どうしたの小林さん?」
「やっぱりさ、12日以外にも遊ぼうよ 貸しとかそうゆうのやめてさー」
「?」
急にどうしたんだろ…
「いやーあのね、最初はちょっとおしゃべりするの苦手なタイプなのかな~って思ってたんだけど、意外とノリいいし、いじっても嫌そうな顔しなかったからさ~ 私、夜野くんのことちょっとだけ気に入っちゃった♪」
「気に入るって…なんか複雑な…」
「複雑でいいんだよ 夜野くんは私にいじられとけばいーの!」
「えぇ…」
いつもの学校での清楚でミステリアスな雰囲気とはまた違う…完全にからかいを好む人の口ぶりをしている小林さんは新鮮すぎてなんか…すごい(心の語彙力ゼロ)
「とりあえず、暇な日があったら遊びまくろ!」
「うーん…」
「いいでしょ?夜野くんのカレンダー見たけど、ガラ空きだったし」
「なんで見れたんだ…隠してたんだけどなー…」
「まぁ細かいことはどーだっていいじゃん?とゆうことでまた遊ぼうね~ばいばーい」
海の夕焼けってこともあり、小林さんの後ろ姿がとても綺麗に見えた 今思えば学校の時にはみんなに少しだけ猫を被っていたのかもしれない…だから清楚に見えたり、ゆったりとマイペースに見えたのだろう…
だけど今は変わった 小林さんはオンとオフの時の差が激しい…気がする でもそれを言ったら怒られてしまうよな…そんなことを考えながら家に戻った
コメント
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がんばー
日曜日に投稿できなくてごめん! あとまた長くなりました😊 このままだと最終章8000文字行きそうです…