#12
凄く遅くなってしまいました。
ごめんなさい🙏💦
コンコン
📕「紫恩~入るよ…?」
ドア越しから聞こえる、聞き慣れた声。
多分、宿題やらを届けに来てくれたのだろう。
😊「…あぁ…」
📕「_紫恩、このプリント、先生からだって」
…そう言うと、瑠季は驚いたように此方を見つめた。
…俺の顔に何か着いていたか…?
😊「…ありがとう」
📕「後、きりやんがお大事に、だって」
きりやん…あぁ、同じクラスで、金髪の…
😊「…そうか…」
夕陽が差し込み、瑠季を明るく照らしている。
…それは、明るく優しい彼にぴったりだった。
📕「…じゃあ、また明日ね」
😊「…あぁ。」
😊「…」
…正直驚いた。
瑠季の紺碧色の瞳と、夕陽が混ざり合い、俺の瞳と同じ色になったのだ。
…こうやって見てみると、意外と似てるのか…?
😊「…」
…否、それは天地がひっくり返ったとしても有り得ないな。
…熱は最初より下がっているが、まだ完全に治ったとは言えない。…多分、38.2度だろう。
😊「…ッいった…」
立ち上がろうとしたその時、頭に激痛が走った。
…今日は、数学のテスト勉強をしようと思っていたのだが…こんな状態じゃできっこないな。
仕方がない、明日、数学と英語のテスト勉強をしよう。
ぼふっ
😊「…」
…それにしても、最近は日が沈むのが遅くなってきた。
…夏も近づいてきている。
…早く終わればいいのだが…
😊「…って、まだ始まってすらもいないのにな」
😊「…やる事が無い、無さすぎる…」
読書をしようと思ったが、ピントが合わないため、全然文字が読むことが出来ない。 …今、 二度寝をしようとしているが、眠れそうにない。
😊「暇だ…」
スマホ触った所でって感じだしな…
😊「…ぅ゛う゛ん…」
やはり、ただ天井を見つめるだけだと喉もカラカラになる。
…!そうだ、水を飲みに行こう…
ウォーターサーバーまでの距離は長いが、体育館に行った時も歩けたし、なんなら熱下がってるし…
いけるのでは…??
足に痺れは有るが、激痛という程でも無い。
…ただ、一つだけ気に掛かる場所がある。…階段だ。
この家の階段は、段差が急な為、熱の時に降りるのは至難の業。
_小さい頃、母さんの誕生日に瑠希が熱を出した。
熱の中、どうしてもケーキが食べたかった瑠希は、両親に内緒で階段を降り、そのまま階段を転げ落ちた…と、父さんからは聞いている。
低い位置だったおかげでまだ大丈夫だったが、 あれが1番上だったらどうなってたことか…
_そんなことがあってからは、転げ落ちないように、発熱時用の部屋を1階に設けたのだ。
…しかし、俺としたことがその事をすっかり忘れていた。
😊「…バカかよ゙…」
…今更後悔したところで時すでに遅しだ。
慎重に階段を降りて行こう。
😊「…ぃッ…た…」
_そうだ、俺頭痛かったんじゃねーかよ。
…取り敢えず部屋からは出られそうだが…水を飲むまで耐えられるか…?
…歩いただけで頭に振動がくるし、なんなら吐き気するし…
😊「…い゙や゙、今は水だ。」
…折角立てたのだ。最後まで絶対諦めないからな。
😊「…よし…」
数分で、いつの間にか廊下の半ばに到達していた。
…普段の俺なら数秒だっただろうな。
…まぁ、そんなことはどうでもいいのだが…
😊「…」
_ふと、壁にかけられている鏡が目に留まる。
…汗でベタベタの髪の毛、顔のほてり…如何にも熱。
😊「……?なんだ… 」
…俺の目元が、ほんのり紅に染まっている。
…瑠希は、俺の目元にびっくりしたのかもしれない。
紅に染まった原因は不明だが。
😊「……ッ…」
後数メートル。後少しだ。
😊「…ッばぁ…着い゙た…」
…後は、この階段を降りるだけ。
…微妙にカーブしているから降りずらいが、少しの辛抱だ。
_1段、また1段と階段を慎重に降りて行く。
…残り10段程の時、頭がくらくらし始めた。
ズリッ
😊「…ッえ゙…?」
宙に投げ出されるような感覚。
…踏み外してしまった。
_俺は、こんな所で死んでしまうのだろうか。
😊「…ッ…ぁ…」
📕「…ッ…いッたぁ…
って、!?ぁ、え…!?紫恩!?」
😊「…?」
自分より一回り大きく、ほんのり温かい身体。
その身体に、俺は包み込まれた。
📕「_え、え、どうしよ…!?」
📕「___」
_あれ、俺、死んでない…
俺を見て焦っている瑠希。
…嗚呼、また迷惑をかけてしまったな_