テラーノベル
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あれから、ずいぶん日にちが過ぎた――
プロジェクトはまだしばらく終わらない。
柊君にも、みんなにも、気まづさはあったけど、でもそんなことは気にしていられなかった。
この仕事さえ終われば、私はこの会社を去る。
柊君とも、二度と会わない。
早く忘れたいって、そう思ってる。
だから……
今は、一生懸命仕事を頑張ろう。
「柚葉」
「どうしたんですか、樹さん」
時々、樹さんは私に声をかけてくれる。
可哀想な女を哀れんで――
それでも嬉しかったし、救われてる。
樹さんと真奈には本当に感謝してるんだ。
「明日、予定あるか?」
「明日……。明日は……特には……」
「だったら付き合え」
「付き合えって、どこにですか?」
「明日、11時に駅で待ち合わせ」
それだけ言って、樹さんは社長室に戻った。
社長室に、柊君の姿はない。
樹さんのぶっきらぼうな感じは、最初は苦手だったけど、今はそれも受け入れられるようになっていた。
「樹さん、本当に強引だな……」
私は、ガラスの向こうの樹さんをチラッと見た。
確かに、柊君とは似てる。
だけど、不思議だ……
最近は、全く別の人に見える。
まだ樹さんを良く知ったわけじゃないけど、それでも何となく、柊君とは全然違うって思えた。
その日は仕事が終わってから、すぐにマンションに戻り、早めに休んだ。
次の日は朝から晴れていたけど、窓を開けると冷たい風が吹き込むような、かなり寒い日だった。
私は、その風を頬に感じて少し身震いし、慌てて窓を閉めた。
今日、会社は休み。
樹さんとの約束まではまだ余裕がある。私はゆっくりめに支度をしてマンションを出た。
駅に着いて、私は樹さんをすぐに見つけた。
あまりにもオーラがあって、一際目立っている。
「樹さん、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
ちょっと固かったかな?
「ああ、おはよう」
「おはようございます。あの……今日はどこに行くんですか?」
「電車乗るから」
「あっ、はい」
言われるがまま、私達は電車に乗った。
たまたまひとつ空いた席に素早く私を座らせてくれて、樹さんはその前に立って吊革に掴まった。
下から見上げるその姿。
本当に素敵でオシャレでカッコ良い。
Tシャツ、黒いジーンズ、大きめシルエットのチェスターコート。髪型も軽いパーマでモデル感が溢れ、ラフだけど大人な雰囲気。
とても魅力的で、あまりにもキラキラした樹さんを、周りのみんなもチラチラ見ている。
こんなにかっこいい人はなかなかいない。
もちろん柊君といる時もそうだったけど、樹さんはモデル要素が多めだから、さらに注目度が高い。
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