テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
──カイとは、あのカフェでの会話以来、一度も会ってはいなかった。
連絡先は聞き出せたものの、あまりコンタクトの取りようもないまま、ただ仕事に追われて時間だけが過ぎていた。
そんな折、突然に彼の方から連絡が入って、
急いで画面を覗いてみると、そこには──、
『助けてほしい』
という一文が綴られていた。
伝わってくる危うさに、どう反応をしたらいいのか迷って、
『一体どうしたの?』
とだけ返して、彼からの反応を待った。
けれど、それっきりカイの方からは、なんのリアクションも戻ってはこなかった……。
心配がつのったが、彼の方から何も言ってはこない以上、どう動くこともできずに、その日は過ぎてしまい、
やきもきとしつつスマホを何度もチェックしていると、やがて次の日も終わろうとする夜も遅くになってから、
『会ってくれないか』
と、ようやくメッセージが送られてきた。
また何も応えてくれなかったらどうしようと、震える指で『どこで?』と返す。
すると、『こないだの店で』と、今度はすぐに返信があった。
時間の都合だけを確かめて、私は早る思いで彼との待ち合わせ場所へ急いだ──。