「由依まじで食べないの?」
「それ見たら食べたくなってきた、、」
私が注文したハンバーグステーキを見て由依が唸っている。
「ちょっとあげよっか?」
「ありが、、いや!我慢です」
由依は渋い顔のまま自分のスマホに目線を戻した。
「じゃあさジュースだけ飲んだら?それだけなら大丈夫よ」
「、、飲みます」
「入れてくるね、由依オレンジでしょ」
うん、ありがと、と由依は笑顔になった。
ドリンクを入れていると横から酒井が来た。
「お前そんなに飲むん」
「いや、他の子の分もあるわ」
はは、と酒井は軽く笑った。
「あ、酒井さ、もうあんま萩原に言うなよ」
「何が?」
「今日もなんか嫌なこと言ってたじゃん」
「、、さあ、覚えてねえわ」
酒井はジュースを入れ終わると席に戻ろうとした。
「ちょっと酒井」
「だるいって、そういうのが一番」
そう言って酒井は戻ってしまった。
「はーお腹いっぱい」
「ハンバーグ羨ましいよ、、」
「明日以降食べればいいじゃん」
「1週間は我慢します」
打ち上げの帰り道、由依と一緒に歩いていた。
「私はフルーツ貰ったんで家帰って食べまーす」
「あ、あれ2つとも貰ったの?」
「いや、1個は萩原にあげた」
「あそうなの、喜んでた?」
「いや別に、ああとだけ言ってた」
まあ萩原ならそうか、と由依は笑った。
「今日はあなたの元カレにだるいって言われましたよ」
「え、凌なんかしたの」
「酒井が萩原に嫌味言うからもうあんま言うなって言ったら」
「あー、、それは京介が悪いね」
「そんな悪い奴じゃないんだけどなー」
「京介がってこと?」
「まあ酒井も。萩原がってこと」
「お、恋?」
「いやいやないない」
恋なんてしばらくしてないなあ、と思う。中学2年以降、恋愛とは縁がない。
「嫌いってだけで嫌味言うのが無理なだけ、ほっとけばいいのにさ」
「、、なんか、別れてよかったわ」
「え、何、吹っ切れてなかったの」
「いやさすがにもう3ヶ月も前のことだし。別れてから京介の悪いところが見えてきたなって、悪い奴じゃないんだけどね」
「そう、悪い奴じゃないんだけどね」
そう言って二人で笑った。
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