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次の日みんなは各自用事が出来て急遽来れないと言い出した。
用事と言っても赫が言ってた。
みんなで紫のこと説得するからって。
俺ね、こんな未来が見えたんだ。
瑞が余計なこと言っちゃって余計に引きこもる紫が泣き出しちゃう未来。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ごめん、急に押しかけて」
赫が謝ってくるが当然謝られることはないので
「…別に」
そう返した。
「紫ちゃん、桃々に会いに行かない? 」
やはり要件は予想通り桃のことか。
分かっていた。
それでも、俺は桃に会おうと思えない。
桃に合わせる顔が無かった。
終わりを悟った桃の顔と苦しそうな桃の表情を見るのが辛かった。
でもそれは、桃が1番苦しんでて、俺が少しの勇気があればよかったんだ。
「行けない」
俺にそんな勇気はないからな。
「そういえばさ~、桃くんと紫くんの出逢いって何?」
空気の重さを感じたのか、瑞がそんなこと言い出した。
そういえば赫や翠にも話したこと無かった。
「そんなこと簡単に聞いていいの?」
黈が慌てて止めようとしたが、この際話してもいいか。
「いいよ。」
そう言うと赫が少し嬉しそうにした。
実は聞きたかったのか…、なんて期待は辞めておこう。
「俺ら孤児院で会ったんだよ。」
そう言うと黈が、
「…ごめん。嫌な話させる…よね、? 」
孤児院の印象か、まぁ間違っては無い、
がそんな心配されても話すと決めたから。
「いやいい。」
「桃が確か生後何ヶ月とかで入れられて。」
「俺は1歳半だったかな…」
「俺は両親が不慮の事故で亡くなったから預けりれたんだけど、桃は捨てられた。」
「へ?でも、桃々ってお母さん…」
翠が話を遮るので
「最後まで聞けよ…」
なんて呆れて言ったら翠は申し訳なさそうに“ごめん“と謝った。
「生まれつきなのか感情を読み取ることが上手かった俺は自然と桃と仲良くなって、
そこで知ったんだ、桃は未来が見える。」
全員して驚いた顔を見せたが俺は気にせず続ける。
「だから両親が気味悪くなって捨てたって笑顔で言ってた…でも悲しそうだったな、」
「何気に似た同士だったからさ、仲良くしてたんだけど、それでも孤児の子達が桃のこと気味悪がって虐めた。」
「俺はそれを止める勇気をなかった、」
「毎回気が済んで去っていた後に桃のところに駆け寄って謝ってた。」
「助けれなくてごめんって、桃がいつも、大丈夫、紫が笑ってくれるならなんでもいい。」
「いつもそう言うけど、そこに笑顔なんてなくて、辛いって言ってるの知ってた。」
「ある日さ、ボロボロな桃は縁なんてないって言われ続けてた、里親探しで桃が選ばれたんだ。」
「俺と桃も嫌なこと分かってた、」
「その人からは“悪“の感情が読み取られてたし、桃も何かしらの未来が見えてた。」
「でも逆らわずに桃はそのままついて行った」
「それがあのクソ虐待義理母。」
「俺はそのまま中学入る前まで孤児にいて、そこから一人で生きていくことになるから、家賃と学費のみ孤児の負担で、俺は一人暮らし始めて中学行ったら赫と翠に会った。」
そこまで話終えると
「…ならさ、尚更桃にお前は会いに行くべきだと思う。」
そう赫が言った。
「分かり合えるのはお前だけだ。」
その言葉は、桃と一緒だった。
“分かり合えるのは紫だけだよ。“
なんて言っていつも勇気づけてくれた。
ひとりじゃない、味方だよって言ってくれた。
俺はそんな桃を1人にしたのか?
赫の言葉に後押しされて桃に会いに行かなきゃなんて思ってた、
なのに。
「お互い愛を知らない環境でよく好きって言い合えるよね~。」
「瑞ならその言葉信じられないもん!」
と瑞の何気なく零した言葉が俺の心に深く刺さった。
「お前ッ!」
赫か瑞に怒ろうとしたところで翠が止めた。
「…紫ちゃん、赫ちゃんの言う通りだよ。」
「あの時、紫ちゃんを守ろうとした桃々は、どんな感情であろうと“大切な人“なことに変わりは無いと思う。」
「優しいとかそんなこと関係なく、大切じゃなきゃ今も紫ちゃんのこと求めてないし、守ろうなんてしない。」
「桃々のこと守れるのは紫ちゃんだけだよ。」
翠の言うことは重く心に染みる。
でも。
“瑞ならその言葉信じられないもん!“
俺は桃に嘘の感情を吐いていたのだろうか?
そうだとしたら、俺が桃に向ける言葉が分からない。どうしたらいいいいかわからない。
どう向き合ったらいいかわからない。
分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない
桃の感情が分からないよ。