「こういうのは経験したことがある筈なのですが…。」
帝は半信半疑で俺を見下ろす。…姉がやっていたこと?俺は把握している筈なのだけれど。
「…?沐宇様何をなさるのですか。」
「それは…。」
「?」
「妃、失礼。」
そう言うと、俺の服をたくし上げ、脱がせ始めた。…まずい。
「ちょっ…/まってくださっ」
「…。妃、貴方は…。」
「何、ですか?」
「貴方は、本当に貴妃ですか?」
「私は…っ」
帝はもう疑いの眼差しだ。姉が教えてくれなかったもの。俺が知らないこと。そんな事があるのだろうか。
「妃、」
「っ…いきなり服を脱がすのは…。」
「すみません。私もあまりこういうものに慣れておらず、」
俺の顔をくいと持ち上げ、そっと唇を重ねた。
「っ…!?//」
こっ、これはさっき読んだやつっ…/
「妃、貴方は桜綾ですか?」
今度は俺の返事も待たず、どんどん服をめくっていく。俺も初めてのことに困惑して力が入らないっ…//
「まって、まってくださっ…//」
「…」
「っ、沐宇様っ…//」
帝の手がアレに触れた。
「…!あなたは、」
「っ…//」
「あなたは姫の弟君といったところでしょうか?」
「…はい」
「そうですか、やはり…」
帝のなにか知っていそうな口ぶりに驚く。
「なにか知っておられるのですか…?」
「…内密のことなのですが
私の兄はあなたの姉、桜綾妃との間に子供を孕むため、夜伽を行っていたそうです。しかし前帝の生きている間に子が孕めず、私が皇帝となった初日に妊娠を確認したそうです。
そのため、兄と桜綾妃の子ではなく、違う子ができてしまった。」
「…つまり、姉は元帝との間でできた子ではなかったから後宮で生むことをやめて俺と入れ替わったと?」
「そういうことです。そして、貴方は妊娠中のはずなのに宮庭をずっと散歩をしていた、という点から少し気になってはいました。」
「…すべてお見通しだと。」
「はい。」
初日にして身元がバレてしまう。
俺は殺されてしまうのか?それともどこかに幽閉されてしまうのか?恐怖で体が強張る。
「お、俺…私はどうすれば」
「そうですね…」
帝の口がにいっと笑った。
「…?」
「貴方には私の后、つまり皇太后になっていただきます。」
「へ?」
「貴方は可哀想な方だ。姉や家族に従い、初日で身元を見破られてしまう。もともと貴方の家族は貴方を生かそうとしていないのでしょう。
そんな姿が家族にバレたら、貴方は…」
「…っ」
「もう辛い目に合わないよう、私が守ります。
大丈夫。だから、私のそばにいてください。」
自分が男だとわかっても尚、優しく、俺の心配をしてくれる帝。
俺は小さく首を縦に振った。
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コメント
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よかった〜😭😭😭 mfくんこれからでれでれに甘やかそう!!!
mf優しすぎ!神だ! 続き待ってます!! 応援してます!!