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『』…🎤 「」…🐼
「嫌です!!!俺は貴方が良いんです!!」
『……はぁ……マジかよこいつ』
呆れてものが言えないとは正にこの事だ。
いやてか…ここまで来るともう一種の才能だよな、これ。
……というかそもそも、俺のどこが良いっていうんだ。
容姿も性格も普通だし、吸血鬼として特別強いわけでもない。……むしろ弱い部類に入るくらいだ。
『……なんでそこまでして俺に拘るの……?』
純粋な疑問だった。……当たり前だが、聖職者は吸血鬼を嫌っているはずだ。
それなのに何故、こいつは吸血鬼である俺に好意を寄せてくれているのだろう。
俺の言葉を聞いて彼は少しの間考え込むような仕草を見せた後、ゆっくりと口を開いた。
「貴方がとっても……綺麗だったから?」
予想外の返答につい声が裏返ってしまった。
何言ってんだ、この人。綺麗とかそんなこと、初めて言われたし言われ慣れていない。…しかも相手は男だ。俺と同じ性別の男。
俺があまりにも驚いた顔をしていたのが面白かったのか、彼はくすりと笑って言葉を続けた。
「俺、結構人を見る目はあるんですよ?」
『……それで、俺を選んだと?』
「はい!」
『……見る目が無さすぎる』
自分にとって敵になる存在が綺麗とか色々とおかしいだろ、普通。
『っていうか…名前も知らないのに告白するとか行動力鬼じゃん…』
「あ。」
『え、今気づいたの?!……やばすぎだろ……』
「え、えへへ……?」
『褒めてないからね?!!』
「ご、ごめんなさい……!」
しゅんとする彼を見て少しだけ罪悪感に襲われる。……別に怒ったわけではないのだけれど。
『……まあいいよ、教えておく。俺の名前は、…きんとき。 ……一応、吸血鬼だよ。』
「そうですか。よろしくお願いしますねきんときさん!俺はなかむって言います!」
『うんよろしく。……っていうか名乗った瞬間に襲いかかってきたりはしないんだな…お前』
「え、襲ってほしいんですか?!」
『ちげぇよ!!!!!』
思わず全力で突っ込んでしまう。
……こいつ大丈夫なのか……?