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『』…🎤 「」…🐼
そんな会話で頭を悩ませているうちに、いつしか空は明るくなってきていた
『やばっ…!さすがに朝日が昇りきるまでには帰らないと…』
「えぇ~?!きんときさんもう帰っちゃうんですか…?」
『いや、当たり前だろ…仮にも吸血鬼なんだから…』
「うぅ……寂しいです……」
本気で悲しそうな顔を浮かべる彼に苦笑いをこぼす。
そして、ふと気になった事を尋ねてみた。
『ところでさ、……なんで俺のこと好きになってくれたの?』
「んー……。一目惚れって言うんですかね。見た時にビビッと来たんですよ!多分!」
『……そんな適当な理由で決めたのかよ……』
「いいじゃないですか、直感は大事ですよ!!」
『……そういうもんか?……まあでも、』
「?」
『ありがとな、…嬉しいよ』
俺はそう言って微笑みかける。
……本当に嬉しかったから。俺なんかのことを好きだと言ってくれる人がいたことが、とても。
「……!!じゃあまた来てくださいね!?!」
『えぇ…?でも…_』
「来てくれるっていうまで帰らせませんよ?!いいんですか?!!」
『……分かった、来るから。また来れば良いんだろ……?』
……結局押し負けてしまった。……こいつの圧は一体なんなのだ。
「やったぁ!!じゃ、約束ですよ!!」
『はいはい……。』
「絶対ですからね?」
『わかった、わかった……』
「あ、あとこれあげます」
『?』
そう言って、彼はポケットの中からおもむろに小さな小瓶を取り出した。中には透明な液体が入っている。
「これ、太陽の光を遮断する薬らしいんですよ!これがあれば昼間外に出ても平気ですよ!!」
『……お前、これどこで手に入れたんだよ……』
「大神官様からパクったんですよ!凄いでしょ!!」
『……』
何をドヤ顔で言ってるんだこいつは……
この国の人達は、こんなのばかりなのだろうか。……いや、なかむが特殊なだけかもしれないけど…。
『…まあ、ありがたく貰っとくよ』
「はい、是非使ってください。」
彼は満面の笑みでそう言った後、俺が遠ざかるまで
「じゃぁ、”また”明日!!」
と手を振りながらずっとこちらを見つめていた。
『……なんか変な人だったな』
貰った小瓶を見ながら呟いたその言葉に返事をする人は、もうそこには居なかった。