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「琉生はこれでよかったの?」
「僕にとっての幸せは、楓ちゃんが幸せになることだからね。」
「随分とイケメンポイントが高いね。劉磨よりも十分紳士だわ。」
「そんなことないよ。ただ僕は願っただけ。それに楓ちゃんの能力が開花したならよかった…。」
「まさか彼女の能力が『愛』だなんてね。人を慈しみ愛する心、人を大切だと思う心。あの頃の彼女じゃ開花しないわけだ。」
「柚さんこそよかったんですか…?付き合っていたんでしょう?」
「私は劉磨を不幸にしちゃったからね。楓ちゃんがそれを幸せへと塗り替えてくれることを祈るよ。」
「ねえ劉磨くん。」
「なんだ…?」
「牙、生えちゃったみたい。劉磨くんの血、吸ってもいい…?」
「覚醒……したのか……?」
「そうみたい。それに…私の能力、分かったかも。」
「どんな能力なんだ?」
「それはね……秘密だよ。」
半年後、私は劉磨くんの子供を身籠って結婚することになる。
劉磨くんは子供が大好きな親バカになって、私はそれを笑って幸せな家庭を築いていく。
でもそれはまだまだ先の話。
―完―