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最近護神のキャラクターが文ストっぽくなっていることに気付きましたなつほです。
なので今回二人も明らかに文スト。
なんでそうなってしまうのでしょうか・・・。ふしぎですね。
それではGO!!
「あー、残業疲れたぁーーーー。」
二十一時。暗い廊下に同僚の声がこだまする。 その隣を歩いていた俺は小さく舌打ちした。
「今日やったのは手前がサボって溜め込んでた半月分の仕事だ。 当然の報いだろ。」
「まあそうなんだけどさー・・・。 ってか今君サボってたって言った? 酷くない?」
「事実そうだろ。 どこの馬の骨か分かんねぇ餓鬼に時間割いてた。ジゴージトクだ。」
出来るだけ目を合わせない様にしてぶっきら棒に答える。
「自業自得ねぇ? なつひこみたいな昆虫がよくそんな言葉を覚えられたもんだ。」
「あぁ、どっかの糞眼帯厭二モヤシ野郎のオカゲでな」
「はー? 誰が厭二病だよ。」
「御前以外いねえだろ」
「うわっ、酷~い」
先程の余裕に溢れた表情とは打って変わりぎゅうっと眉間にしわを寄せて顔を顰める同僚。 そんな顏したいのは俺だって同じだ。
「あー、何でこんなモヤシと一緒に帰らねぇといけねぇんだ。」
「はッ、そんなのこっちの台詞だよ。 僕だってゴキ●リと同じ空間に居たくないさ。 同じ国・・・否、同じ星に生きている事すら辛い。」
「嗚呼、全く同感だ。」
こういう時だけ俺等は考えが同じになる。
「っつーか、人を害虫呼ばわりするな。」
「なんで? 速い所飛べる所触角がある所あとなんか気持悪い所・・・瓜二つじゃん」
気持悪いという部分をやたら強調してモヤシはぺらぺらぺらと言葉を紡ぐ。そのあおりに俺はまんまと引っかかってキレる。 まるで小学生の様な単純な会話構成。
「全然だわ。速い所と飛べる所しかあってねぇ。」
「・・・・・。」
「おい、何だ其の顔は。」
同僚の憐れむような大きく開かれた瞳を睨む。 モヤシはわざとらしく震えた声を絞り出した。
「・・・・・・・なつひこ、君は終に自分の種名すら分からなくなってしまったのかい?」
「よし、歯ぁ食いしばれ」
腕の関節をぽきぽきとならす。
モヤシはか弱い女の様に両手の拳を顎付近によせて「きゃーこわぁい」と目に涙をためる。
・・・勿論嘘泣きだろう。 まあ彼奴も分かっているだろうが俺は此の会話で手を出す心算なんてハナから無い。
「すぐにその顔面を梅干しみたくしてやるよ。」
勿論この台詞も嘘。
「ふん、やってみ給えよ、どうせその拳はただ虚しく空中を走るだけだろうけどね。」
「試してみるか?」
こう言ったらああ言う。ああ言ったらこう言う。 俺達は言い合いをし乍ら暗い廊下を歩く。
八年間続けてきた事だからとっくに習慣化している事だ。この帰り道は。
約五分後。寮が近づいてきた頃、互い会話に飽きてきてほぼ沈黙状態になっていた。
こういう時は大体どっちかが話を別の話題に移す。 今回は俺だった。
「・・・・・・御前、あの餓鬼と上手くやれてるか。」
「うん。 今の所普通に問題なくできてるよ。」
「そうか・・・。 彼奴の護神探ししてたんだよな? 今日の昼」
「そうだよ。 綺麗な銀狼の護神だった。 優しい子だったよ。うり君もその子も。」
「そーか。・・・あの餓鬼、此れから如何すんだ? 故郷も身元引受人も無くなっちまったんだろ?」
「ああそれ?」
一歩前へぴょんとモヤシが飛び跳ねた。 白い長髪がひらりと踊る。
「其れはね、もう考えてあるんだよ。」
モヤシがいやらしくにんまりと口角を上げる。
・・・此奴が此の顔をする時は大抵此方にも迷惑な事が起こる。
気付いたら俺達は互いの寮部屋前に到着していた。
モヤシがドアノブを握る直前で手を止める。 俺はもう一度問う。
「如何するんだ?」
虎白雹(モヤシ)がにっこりと俺に向かって笑った。
「彼を対護神相談所の一員にする。」
想像が付く答えだった。 心のどこかで分かっていた答えだった。
「・・・君は否定するかい?」
眉を下げて笑う同僚。 俺の咽喉が一瞬きゅっと締まる。
投げやりに答えた。
「・・・しねぇよ。 勝手にすればいいんじゃね?」
どうせ否定しても強行突破するんだろ。手前は。
俺はとなりの自分の寮部屋のドアを開けると、其の儘中に入った。立話したい理由も無かったから。
「オヤスミ。 明日はサボるなよ。」
そう残して俺はドアを閉める。
「・・・志那都ならそう言ってくれると思ってたよ。」
以上です!
今回短かったね(´;ω;`)すみません
じかいはもうちょっと長くなると思うので!ご安心を!!
[追記]
ちなみに題名の「ギザ歯」というのは志那都のことです!作中ではまだ語られていませんが、志那都は一応ギザ歯なので・・・
おまけコーナー
さて、以前「現在雹さんは優裏くんと同じ部屋に住んでいますが、優裏くんが来る前はだれと一緒に寝ているんですか?」という質問を同じ学校のリア友からいただきました。
なので答えはここにかかせていただきます。
はい。たしかに雹さんは八年この相談所で働いているので、優裏くんが来る前は他のルームメイトが居ました。その人は志那都でした。
二人は同じタイミングで相談所に入った同期なのです。
八年前(当時12歳)で二人はすでに犬猿の仲でした。なので互い早くルームメイトを変えたいと強く願っていたと思います。ルームメイトは地位によって定められているので、双方別の地位になれば互いに別室になることが出来ます。
実質、ここで片方のみが出世すればルームメイトは剥奪できたのですが、互いに「こいつより地位がしたなのはいやだ」と思っていたので双方努力は惜しみませんでした。
しかも二人とも総合的な能力は同じなので、出世するスピードも同じ。
結局、志那津×雹ペアは8年間、ずっと同じ部屋だったのです。
なのでもし雹さんが優裏くんを捕まえてこなかったら、雹さんのルームメイトは現在も志那都でした。
長文乱文しつれいしました汗 わかりにくい点があったらコメント欄で質問してください。
出来るだけ丁寧に答えさせていただきます!
それじゃあ、ばいばーい