テラーノベル
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期末が何とも言えなくて複雑な主です。
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USJの広大な空間が、一瞬にして凍りついた。 中央の噴水付近。空間が泥のように歪み、
禍々しい黒霧が広がっていく。そこから這い出てきたのは、
数多の「手」を身体中に纏った異形の男――死柄木弔。そして、背後に控える圧倒的な数のヴィランたち。
相澤 「一塊になって動くな!!13号、生徒を守れ!!」
相澤の叫びが響き渡る中、輝は動けずにいた。 眼鏡の奥、前髪の隙間から見えるその瞳は、
逃げることさえ忘れて、眼前に広がる「本物の悪意」を凝視している。
切島 「ヴィラン、、!? また入試みたいに始まってるパターンか?!」
相澤 「、、違う!あれは、、本物のヴィランだ!」
パニックに陥るA組の生徒たち。だが、死柄木弔の視線は、最前線に立つ相澤でもなく、
群れの後ろで硬直している長身の少年に固定された。
死柄木 「、、あぁ。見つけた、いたんだねぇ、こんなところに、
、、、、黒霧。あいつ、見覚えがあるよ、」
死柄木がゆっくりと、ガサガサの指先で輝を指差す。
死柄木 「『餓狼』。そうだ、餓狼じゃん、餓狼。いい目だよなぁ。
あんなに深い絶望を、ずっと飼い慣らしてる、、ほしい。あの目、ほしい、、
ほしい、、こっちに来なよ、餓狼。、、お前は、そっち側の人間じゃないだろう?」
その言葉が飛んできた瞬間、輝の脳内に、封印していたはずの「血の匂い」が爆発的に広がった。
輝 「(、、あ、、ぁ、、)」
餓狼。 それは、輝が自ら名乗った名ではない。 13歳のあの日から、
復讐のために夜の街を徘徊し、無個性でありながら数多の不良やヴィランを叩き伏せ、
再起不能に追い込んできた彼を、裏社会の連中が恐怖と共に呼んだ「通り名」だ。
死柄木 「、、君は、社会に捨てられた。無個性だと蔑まれ、家族に傷つけられ、
今はヒーローの『鎖』に繋がれている。、、苦しいだろう? 不自由だろう?
こっちに来れば、全部壊していいよ。、、君を縛るものも、、
君を監視するその教師も、、全部、ゴミ箱に捨ててあげる、!」
死柄木の手が、輝に向かって伸ばされる。 輝の足が、微かに一歩、前へ出た。
輝 「(、、、自由。、、行けば、、、タバコも吸える。監視もされない。
、、あのクソ鳥に笑われることもない。あいつらを、、、殺してもいいのか、?)」
甘美な誘惑。 自分の本性を知る者が、自分を「必要だ」と言っている。
心の奥底、凍りついた湖の底から、どす黒い衝動が泡を立てて浮上してくる。
だが、その衝動に飲み込まれそうになった瞬間、脳裏に一人の男の背中が浮かんだ。
輝 「(、、父さん、、)」
唯一、自分を人間として愛してくれた父。
「輝、お前は優しい子だ」と言って、あの刀を打ってくれた父。
もし、今ここでヴィランの手に落ちれば、父が最後に遺したあの言葉も、
あの刀の重みも、すべてが本当に「人殺しの道具」として完成してしまう。
輝 「(、、だめだ。だけど、もう、戻れない。『俺』は、、)」
葛藤。善意と悪意が、輝の心臓を雑巾のように絞り上げる。 輝は、ただ立ち尽くし、
伸ばされた死柄木の手を見つめることしかできなかった。 絶望的な沈黙の中、
死柄木の手が輝の喉元に届こうとした、その時。
爆発的な衝撃波が、死柄木と輝の間の空間を強引に引き裂いた。
爆豪 「テメェ!! 何勝手に人のクラスメイトをスカウトしてやがる、この手垢野郎が!!」
切島 「日陰!! 下がれ!!」
爆豪の爆破が死柄木の視界を遮り、切島が輝の腕を強引に掴んで後ろへと引き戻した。
187cmの輝の巨体が、切島の硬化した腕によって後方へとはじき飛ばされる。
輝 「、、っ、あ、、!」
爆豪 「おい、陰キャ!! 何ボーッとしてやがんだ!! 死にてぇのかコラ!!」
爆豪の怒鳴り声が、輝の凍りついた鼓動を無理やり叩き起こす。
輝は尻餅をついたまま、前髪の隙間から二人を見上げた。彼らは知らない。
自分が助けたこの男が、実は死柄木の言う通りの「餓狼」であり、
人殺しの過去を持つ犯罪者だということを。 ただ純粋に、
クラスメイトを救うというヒーローの使命感だけで、彼らは命を懸けて前に出たのだ。
死柄木 「、、、あーあ、邪魔が入っちゃった。ゴミが、勝手に触るなよ。
、、、せっかく、いい目が曇っちゃうじゃないか、」
死柄木の周囲に漂う殺気が、さらに密度を増す。 輝は、震える手で地面の砂を握りしめた。
輝 「(、、あいつら、『俺』を、助けたのか、、?僕みたいな、ゴミを、、?)」
切島 「大丈夫か、日陰! 立てるか!」
爆豪 「チッ、腰抜かしてんじゃねぇぞデカブツ!! 下がってろ、ここは俺らが、!!」
輝の視界が、熱い何かに染まっていく。 嫉妬していたはずの「光」。
拒絶していたはずの「正義」。 それが今、自分を守る壁となって目の前に立ちはだかっている。
輝は、右腕のデバイスを強く掴んだ。 相澤が乱暴に撫で回してくれた髪の熱。
ホークスが作った、あの温かい唐揚げの味。
そして今、自分を「クラスメイト」として救ってくれた、爆豪と切島の背中。
輝 「、、、あぁ、、、クソ、」
輝はゆっくりと立ち上がった。 猫背のまま、けれどその瞳からは、
先ほどまでの迷いは消え去っていた。 彼は腰の模擬刀を、
静かに、けれど確かな意志を持って握りしめる。
輝 「、悪い。腰抜けてた。、、爆豪くん、切島くん。ありがとう。」
それは、輝が生まれて初めて、他者に対して心から口にした「感謝」だった。
彼は再び、前髪でその「高校生らしい、決意の表情」を隠した。 だが、
その奥で光るオッドアイは、自分を「餓狼」と呼んだ死柄木弔を、明確な敵意を持って見据えていた。
輝 「(悪いけど、僕は《まだ》、そっちには行けねぇ。この『鎖』が、意外と、悪くないんだ)」
自分だけが、ずっと暗い路地裏に取り残されていると思っていた。
けれど、今。 自分の手を引いてくれる「光」が、確かにここにある。
輝は、模擬刀を抜き放った。「無個性」が、
本物の「ヴィラン」に抗うための、小さな、けれど絶対的な一歩。
USJの崩壊が始まる中、日陰輝の本当の「更生」が、今この瞬間から、
血と硝煙の匂いの中で始まろうとしていた。
数学 26
国語 76
理科 60
社会 48
英語 64
家庭科 18 (50)
音楽 13 (50)
技術 34 (50)
体育 31 (50)
でした。
数学がドブカスですね、
禪院直哉出てきそう、
2765文字。
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コメント
10件


んがァー最高だぁ! 弔について行かなかったのがなんかいい