三月目。
「太宰、お前余命宣告されただろ」
「…そんな事ないですよ。」
もう寮に帰る、と言う時に引き止められ、そう告げられた。
不幸中の幸いか、周りに人は居なかった。
「そんなに人を心配させたいか?」
「そんな訳じゃ___」
「なら言え。僕だけで良いから頼れ。」
名探偵の言う事は何時も正しかった。
良薬口に苦し……とも少し違うか。
頼るなんて分からないから。
乱歩さんに捨てられたくないから。
乱歩さんに何も言われたくなかったから。
違う、違う。
こんな言い訳じゃ乱歩さんを騙る事は出来ない。
じゃあどうしたらいい?
怖い。
この居場所から離れるのが。
怖い。
_____乱歩さんに、この汚い本心も、この中身も見透かされるのが。
「怖がるな、とは言わない。……ただ、吐き出せ。どんな形でもいい。楽になろうとしろ」