テラーノベル
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都内某所。今日はダンスのリハ日。
俺の苦手分野だ。
2人は飲み込みがとにかく早い。だから頑張って着いていかないと。
いつも通り早く着いて床に座って軽くストレッチをしていたら入口の扉が開いた。
「おはよー涼ちゃん!」
あれ、元貴だ。今日は早いな。
何かマネージャー達と確認とかあるのかな。
「おはよ。早いね?」
いつも3番目に来るから不思議、と思いながら元貴に聞いてみる。
「だっーーて!若井に取られる!涼ちゃん!」
え、ええ…?何その理由?
仕事でかと思ったのに。
マネージャーが後ろですごい疲れきってる顔してるし。
「元貴から連絡来て催促されて大変だった…。」
もう…周り困らせてるじゃん。
うちの我儘王子は。
「涼ちゃんと2人で話せるタイミングなんて若井がエンジン収録か若井より早く来るしかないじゃん!」
確かにそうだけど。それでも珍しすぎる。
というか2人で話したかったのか。
「はぁー全く…。だったらもっと涼ちゃん見習って早く起きなさいよ…。ほんとに…。
スケジュール確認してくるから2人ともストレッチちゃんとしてね。」
本当にごもっともである。
マネージャー、いつもお疲れ様。
「んー起きれないけど!はーい、ありがと。」
我儘なのか素直なのか。
それがまぁ元貴でもあるか。そもそも夜あんまり眠れてないみたいだし。
で、元貴は俺と何を話したかったのか。
何かアレンジ?変更?だったら若井いてもいいよね。
「元貴、俺と話したかったの?」
俺はストレッチしながら元貴の方を向いて聞いた。
元貴も荷物を置いて俺の隣に座る。
「そ!あやつのこと!」
あ、あー…それか…。
なんだ…また仕事の事じゃないのか。
「若井…?が、どしたの…」
何を聞かれるのか。元貴の考えは分からなさすぎて怖い。
が、短く一言だった。
「どうよ」
ど、どうよ?どうよとは?
「どう…って…」
何が!?と戸惑う俺に元貴は質問を付け足した。
「涼ちゃんの気持ちにちょっと変化はあった?」
ストレートに聞かれて
頭の上にはてなマークがより浮かぶ。
「正直…まだ分からない…かな。でももっと今まで以上に若井を知りたいとは思った。これは変化してるのかな」
知りたい、ただそれだけすぎる。
感情はまだよく分からない。
元貴の方を見てみるとまたニヤニヤしていた。
「な、なに…」
何この人。怖い。
「涼ちゃん、めっちゃ変化してるじゃん。知りたいって事は興味あるって事だし。相手に深入りしたいって事じゃん。」
え、そうなの…?
若井の事知らなすぎただけだから…知りたい…。
あぁでもそうか…。
これって若井に興味があるって事…か。
「た、たしかに…外面的しか…知らないから、もっとこう…内面的に知りたい、というか…」
あれれ、元貴が更にすごい顔してる。
「んんんんんいいよぉめーっちゃいい!!!なーんか腹立つけど!若井に!でも涼ちゃんが幸せそうだし。」
え、俺幸せなの??そんな顔してた?
まぁでも悪い気はしてない。もっともっと色んな若井が見たい。
「俺、もしかして顔に出やすい?」
「昔からね」
伸びをしながら即答された。
え、これ、この先色んな感情若井にバレるんじゃ…。
「ま、出やすい方が分かりやすくていいじゃん。涼ちゃん自覚ないんだし。顔で出てくれた方がね。」
あーまぁそれも一理あるか。
でもそれでいいんだろうか。若井は。
「でも、言葉にしないと伝わらない事もある。それは分かるでしょ?」
そう。それは分かってる。
それに大事なことはちゃんと言葉で伝えたい。仕事でもそう。
「うん。分かってる。」
自分の気持ちがハッキリとわかった時はちゃんと言葉で、その場で、若井に伝えたい。
そんな日が来るといいな。
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